「cross the finish line」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E10で学ぶ英会話

「cross the finish line」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

弱気になった父の背中を、息子が二度三度と促す。そんな瞬間が、ドラマには時々あります。

そんな場面で息子の口から出る「cross the finish line」を、『モダンファミリー』シーズン5第10話の中盤、弱音を吐くフィルにルークが声をかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「cross the finish line」の意味とニュアンス

cross the finish line
意味:ゴールラインを越える、ゴールする(比喩的に「やり遂げる」「目標を達成する」)

cross the finish lineは、レースのゴールラインをまたぐ動作をもとにした表現で、比喩的には「最後までやり遂げる」「目標を達成する」という意味で使います。crossは「越える」、the finish lineは「ゴールライン」で、文字どおりにはマラソンや競走の終点の線を越えることです。

その動作が、仕事やプロジェクト、勉強の終盤で「最後の一歩を越える」ことにも置き換えられます。走っていなくても、長く続けてきた取り組みが終わる瞬間を、ゴールラインを越える場面にたとえて言えます。

形としては、after you cross the finish lineのようにafterの節に入れて「やり遂げたあとで〜する」と述べる使い方や、We’re almost ready to cross the finish line.のように「あと少しでゴールだ」という進み具合を伝える使い方があります。過去の出来事を語るときは、crossedの形にします。

日本語の「ゴールする」に近い感覚ですが、finish lineは「終点の線」を指す名詞なので、線を越える動作と結びついて「やり遂げる」の意味になる点が、この表現の特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「cross the finish line」の核は、ゴールの線を越えて最後までやり遂げること
  • レースの場面だけでなく、仕事や勉強の達成にも置き換えて使える表現
  • after you cross the finish line のように、達成のあとを語る形が作りやすい

『モダンファミリー』S05E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィルが「ガレージに居座るこのでかい失敗からは逃げられない」と弱音を吐くところから、ルークとのやり取りが始まります。ルークが二度「立って」と促し、最後に「ゴールしたあと」の先の景色を思い浮かべさせる一言に注目です。

Phil: I guess there’s no avoiding this big failure sitting in my garage.
(結局、うちのガレージに居座るこのでかい失敗からは逃げられないってことか。)

Luke: Get up.
(立って。)

Phil: I appreciate it, buddy, but
(ありがたいけどな、相棒、でも――)

Luke: Get up. I don’t know anything about flutes or cooking or happy babies But I’m damn sure getting my dad to Canada. Now, mount that beast.
(立って。フルートも料理もハッピーベイビーも、僕は何にも知らないよ。でも父さんをカナダに連れて行くことだけは絶対にやる。さあ、そのでかいやつにまたがって。)

Phil: Thank you, son.
(ありがとう、息子よ。)

Luke: You can thank me after you cross the finish line and the celebration begins. Just picture that.
(お礼は、ゴールして、お祝いが始まってからでいいよ。それを思い浮かべてみて。)

Modern Family Season5 Episode10 (The Old Man & the Tree)

シーン解説と心理考察

短く「立って」と言うルークの声は、フィルの「ありがたいけどな、相棒、でも」に続けて、もう一度繰り返されます。フィルの言葉が最後まで言い切られないうちに、ルークが重ねる形です。

ルークは「フルートも料理もハッピーベイビーも、僕は何にも知らないよ」と、自分に分からないことがあると認めます。そのうえで「でも父さんをカナダに連れて行くことだけは絶対にやる」と続け、自分にできることを一つに絞って宣言しています。分からないことは分からないと認めたうえで、自分の役割をはっきり決めている点が、この発言の見どころです。

フィルが「ありがとう、息子よ」と返すと、ルークは「お礼はゴールして、お祝いが始まってからでいいよ」と受けます。ここでのcross the finish lineは、走り終える一瞬そのものよりも、やり遂げたあとのお祝いを思い描かせる言葉として響きます。「それを思い浮かべてみて」という最後の一言が、フィルの意識を今の弱音から先の景色へ向けさせています。

「お礼は今ではなく、やり遂げたあとに」という言い方が、目の前の一歩を踏み出させる後押しになっています。

また、フィルが「ありがとう、息子よ」と口にしていることから、ルークの言葉が届いた様子がうかがえます。弱音から感謝へと、フィルの言葉の向きが変わる流れも、このやり取りの見どころです。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

マラソンのゴールテープの前で、ランナーが最後の一歩を踏み出す場面を思い浮かべてみましょう。その一歩がゴールラインを越える瞬間です。この動作をそのまま「やり遂げる瞬間」に置き換えたのが、cross the finish lineです。

ルークが「お礼はゴールしてから」と言ったときも、フィルの目の前にゴールラインを引いてみせるような言い方でした。「今はまだ線の手前にいて、越えたらお祝いが待っている」という位置関係を思い浮かべると、意味がすぐに出てきます。

走っていなくても、仕事や勉強の最後の一歩を想像すれば、同じ絵が使えます。

覚えるときは、「線の手前」と「線の向こう」を頭の中で分けておくのがコツです。手前にいる間はまだ途中で、越えたあとにお祝いが始まります。After you cross the finish lineと聞いたら、「越えたあとの話をしている」と受け取れば、聞き取りにも役立ちます。

例文で覚える「cross the finish line」

達成の手前や達成の瞬間を語る場面で使えるcross the finish lineを、3つの例文で確認していきましょう。

She cried when she crossed the finish line.
(彼女はゴールラインを越えたとき、涙を流した。)
レースの完走を語る日常の場面です。文字どおりの意味でも使える例で、crossedの過去形が、越えた瞬間を切り取っています。

We’re only two weeks away from crossing the finish line on this project.
(このプロジェクトのゴールまであと2週間だ。)
プロジェクトの終盤にチームを励ます、ビジネスの場面です。two weeksのような具体的な期間を添えると、ゴールまでの近さが伝わります。

A: I’m so tired of studying.
B: Hang in there. You’ll cross the finish line soon.
(A:勉強にもう疲れたよ。)
(B:がんばって。もうすぐゴールだよ。)
試験勉強を励ます友人同士の会話です。soonを添えると、疲れた相手に「もう少し」と伝える響きになります。

あわせて覚えたい関連表現

reach the finish line
(ゴールに到達する)
reachは到達に、crossは線を越える動作に焦点があります。どちらも比喩的な「やり遂げる」で使えますが、crossのほうが最後の一歩を越える具体的な動きを思わせます。

see it through
(最後までやり抜く)
see it throughは途中で投げ出さず続ける姿勢を表し、cross the finish lineはゴールという到達点そのものを表します。

make it to the end
(最後までたどり着く)
make it to the endは「なんとか最後まで残る」という響きがあり、cross the finish lineは「ゴールして達成する」という明るい響きがあります。

Note|ゴールの線を越える動作が「やり遂げる」になるまで

cross the finish lineという言い方は、もともとの動作が具体的で、そのぶん比喩の意味も想像しやすい表現です。

レースの場面から考えてみます。走者は、スタートから長い距離を進みますが、走った距離そのものではなく、最後にゴールラインを越えた瞬間に「完走した」と数えられます。この「線を越えて初めて終わる」という感覚が、仕事や勉強の場面にも置き換えられます。企画書の提出、資格試験の最終日、長く続けたプロジェクトの締めくくりなど、取り組みの終点を「線」にたとえれば、cross the finish lineが使えます。

類義表現と並べると違いが見えます。reach the finish lineは「到達する」ことに、cross the finish lineは「線を越える最後の動き」に注目した言い方です。see it throughは、ゴールという地点ではなく、続ける過程に注目します。

ルークの言葉に戻ると、「ゴールしたあと」にお祝いが始まるという流れで語ることで、目標の先にある景色を思い描かせていました。

線を越える動作が、やり遂げる感覚に重なっています。会話で使うときも、この「越えて初めて終わる」という感覚を意識すると、自然に選べます。

まとめ|「ゴールしてから」の一言に込められた後押し

cross the finish lineは、ゴールラインを越える動作を、「最後までやり遂げる」という意味に広げた表現です。

after you cross the finish lineの形にすれば、「やり遂げたあとで」という先の景色を語れるので、仕事の終盤や試験勉強の場面で、相手の背中を押すときの一言として会話に加えられます。励ます側にも、励まされる側にも使える形なので、表現の引き出しに入れておくと便利です。

弱音を吐くフィルに、お礼は今ではなくゴールしてからでいいと伝えたルークの姿が、この表現の後押しの温度を表した場面でした。

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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



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