「point fingers」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E10で学ぶ英会話

「point fingers」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「責めるつもりはないんだけど」と前置きしながら、話の中身はしっかり相手のミスを突いている、という場面が日常にはあります。

そんなやり取りにぴったりの「point fingers」を、『モダンファミリー』シーズン5第10話の前半、リリーのほしいものをめぐってキャメロンとミッチェルが言葉を交わす場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「point fingers」の意味とニュアンス

point fingers
意味:(人を)責める、非難する、責任をなすりつける

point fingersは、問題や失敗の原因を誰かのせいにして責める様子を表す口語表現です。pointは「(指などで)さす」、fingersは「指」で、文字どおりには「指をさす」動作を指します。「あの人のせいだ」と指を向ける動作が、そのまま責任を人に押しつける行為の比喩になっています。

特定の相手を示したいときはpoint a finger at someoneのように、atで相手を続ける形もあります。ふつうは、対象を示さずに「責め合い」「犯人捜し」そのものを言うときにpoint fingersの形を使います。

否定の形が活きる場面は、原因を探る話し合いです。Let’s not point fingers.と言えば、「誰のせいかを言い合うのはやめよう」という呼びかけになります。反対に、They kept pointing fingers at each other.のように、責任のなすりつけ合いを描写する文でも使えます。名詞のfinger-pointingは、「責任のなすりつけ合い」という意味の言い方です。

日本語の「責める」は、相手を直接なじる場面にも、原因を探して誰かの落ち度にする場面にも使えます。point fingersは後者に近く、「誰のせいか」という責任の所在をめぐって指を向け合う様子を表します。

【ここがポイント!】

  • 「point fingers」の核は、人差し指を向けて責任を相手に押しつける動作
  • 「責めるつもりはないけど」と断る前置きや、「責め合いはやめよう」の呼びかけでも使う表現
  • 特定の相手を示すときは、point a finger at 〜のように at を続ける

『モダンファミリー』S05E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

リリーが「Puppy Poundがほしいの」と口にしたところから、会話は思わぬ方向へ進みます。キャメロンが前置きをつけて話し出し、ミッチェルがそれを一言で指摘するまでの短いやり取りに注目です。

Lily: I want a Puppy Pound.
(Puppy Poundがほしいの。)

— Um, honey, it’s c–
(あの、ハニー、それは……)

Cameron: Okay. I am not pointing fingers, but our daughter had exactly one thing on her list, and someone didn’t get it, so someone needs to go to the mall.
(よし。誰かを責めるつもりはないけど、うちの娘のリストにはたった1つしか書いてなかったのに、それを手に入れなかった人がいるんだから、その誰かがモールに行かなきゃね。)

Mitchell: You’re pointing fingers.
(責めてるじゃないか。)

Cameron: No.
(違うよ。)

Modern Family Season5 Episode10 (The Old Man & the Tree)

シーン解説と心理考察

「誰かを責めるつもりはないけど」と断ってから、キャメロンは「うちの娘のリストにはたった1つしか書いてなかったのに、それを手に入れなかった人がいる」と続けます。誰の名前も出さずに、「その誰かがモールに行かなきゃ」と行動の指示だけを述べる言い方が特徴的です。

名指しはしていないものの、話の中身は「手に入れなかった人」に向けたものです。ミッチェルが「責めてるじゃないか」と受け取るのは、前置きよりも中身のほうが強く響いたからだと読み取れます。

キャメロンの「違うよ」という短い返しは、否定はしても、すぐに否定する形になっています。前置きで「責めない」と言いながら、実際には責める内容を話しているというずれが、この短いやり取りの笑いどころです。

point fingersを否定形で使っているキャメロン自身が、その行為をしているとミッチェルに指摘される構図が、一言のツッコミで浮かび上がります。

引用の冒頭でリリーが「Puppy Poundがほしいの」と望みを口にしていることも、会話の背景として見逃せません。娘の願いを前に、ふたりの間で「誰が動くのか」という話が持ち上がる流れです。大きな事件ではなく、日常の小さな行き違いだからこそ、責任をめぐるやり取りの温度がよく伝わります。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

「あの人のせいだ」と人差し指を相手に向ける様子を思い浮かべてみましょう。指が向く先に責任が押しつけられる、その動作をそのまま言葉にしたのがpoint fingersです。

fingersと複数形になっている点にも注目すると、指を向け合う様子が目に浮かびやすくなります。一本の指ではなく何本もの指が行き交うイメージが、責任のなすりつけ合いという意味と結びつきます。

キャメロンの「責めるつもりはない」という前置きと、ミッチェルの「責めてるじゃないか」という返しを、セットで思い出してみてください。前置きの言葉と中身のずれをそのまま覚えておくと、この表現の使いどころが自然に頭に残ります。

職場で「誰のミスか」という空気が漂ったときにLet’s not point fingersと切り出す場面も、あわせて思い浮かべておくと、責め合いを止める側の言い方としても使い分けられます。

例文で覚える「point fingers」

責任の所在が話題になる場面で使えるpoint fingersを、3つの例文で確認していきましょう。

Let’s not point fingers. We need to fix this together.
(責め合うのはやめよう。みんなでこれを直さなきゃ。)
ミスが起きたチームで、原因探しより解決を優先しようと呼びかけるビジネスの場面です。Let’s notの形で、周りに「責め合い」をやめるよう促せます。

I’m not pointing fingers, but the report was due yesterday.
(責めるつもりはないけど、報告書の期限は昨日だったよ。)
遅れを指摘する場面です。ドラマのキャメロンと同じく、前置きのあとに事実を述べる形で、相手には指摘として届きます。

A: Whose fault is this?
B: Stop pointing fingers and help me.
(A:これは誰のせい?)
(B:責めるのはやめて、手伝って。)
友人同士で片づけをしている日常の会話です。stop -ingの形で、責める行為をやめるよう頼んでいます。

あわせて覚えたい関連表現

blame someone
(人を責める)
blameは責任を負わせる動詞そのもので、point fingersは責任をなすりつける動作を描いた表現です。point fingersのほうが、責め合っている様子や見苦しさを含みます。

pass the buck
(責任を人に押しつける)
pass the buckは自分の責任を他人に回して逃れるときに使い、point fingersは他人を責める動作に焦点があります。

shift the blame
(責任を転嫁する)
shift the blameは責任の向きを別の人に変えることを言い、point fingersは口に出して責める様子を指します。

Note|「責めるつもりはないけど」が逆に響く理由

I’m not pointing fingers, butという前置きは、相手に身構えさせないための一言に見えます。ところが、その直後に続く内容が非難であれば、前置きは打ち消されてしまいます。

キャメロンの場面を整理してみましょう。前置きの部分は「誰かを責めるつもりはない」ですが、butのあとの中身は「娘のリストにはたった1つしか書いてなかったのに、それを手に入れなかった人がいる」です。この中身は、「手に入れなかった人」の落ち度を指摘する内容になっています。butは前の内容と対比させる接続詞なので、butのあとが本題として響きます。そのため、ミッチェルは前置きではなく本題を聞き取り、「責めてるじゃないか」と返しています。

日本語でも「悪気はないんだけど」「責めるつもりはないんだけど」と前置きしてから指摘する言い方があります。英語のI’m not pointing fingers, butも同じ形で、前置きのあとの内容が指摘であれば、言われた側には責められたと伝わります。

この場面のキャメロンは、まさにその型の例でした。前置きと中身がずれた瞬間が、笑いにつながっています。

なお、責める意図がないと本当に伝えたいときは、指摘の中身を「誰か」に向けず、状況の説明や次の行動の提案に寄せる言い方もあります。I’m not pointing fingersと言いながら誰かの落ち度を述べると、前置きが逆効果になるという点が、この場面から読み取れます。

まとめ|前置きと中身がずれたときの一言

point fingersは、問題の原因を人のせいにして責める様子を、「指をさす」動作にたとえた表現です。

「責め合うのはやめよう」と呼びかけるときにも、「責めるつもりはないけど」と切り出すときにも使えて、責任の所在が話題になる場面で会話に登場します。

前置きでは「責めない」と言いながら、中身では責めていたキャメロンと、それを一言で見抜いたミッチェルのやり取りは、表現の意味をそのまま場面にした瞬間でした。

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