海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かの恋の始まりの話を聞くと、続きが気になって耳を傾けてしまう瞬間が、ドラマにはときどきあります。
そんな話に欠かせない「ask someone out」を、『モダンファミリー』シーズン5第11話の後半、ヘイリーが、フィルの大学時代のクレアとの思い出を語るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「ask someone out」の意味とニュアンス
ask someone out
意味:(人を)デートに誘う、食事や外出に誘う
ask someone outは、好意や関心を持った相手に、一緒に出かけようと声をかける言い方です。askは「頼む、誘う」、outは「外へ」を表し、日常の外へ誘い出すというイメージがあります。行き先は言わなくても成立するため、食事なのか映画なのかを決めていない段階の誘いにも使えます。
大事なのは語順です。目的語はaskとoutの間に入ります。He asked her out.のように、代名詞のときもask her outの形になり、ask out herとは言いません。誘う先を具体的に言いたいときは、outの後ろにto dinnerやfor coffeeを添えます。
似た日本語の「デートに誘う」は、デートという言葉を直接使います。ask someone outはデートとは言わずに誘う、やや口語的な言い回しです。誘う行為に絞った言い方で、付き合っている状態を表すgo out withとは区別します。誘ったかどうかを友人と話すときや、断られた経験を振り返るときにも使えます。誘う側の立場で言うのが基本ですが、She asked me out.のように、誘われた側が報告する文にも自然に使えます。主語を変えるだけで、視点を入れ替えられる表現です。
【ここがポイント!】
- 「ask someone out」の核は、日常の外へ相手を誘い出すというイメージ
- 目的語はaskとoutの間に入り、ask her outの語順になる
- 誘う行為に絞った表現で、付き合っている状態はgo out withで言い分ける
『モダンファミリー』S05E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ヘイリーが、フィルの大学時代の、クレアとの思い出を語っています。父のフィルが、母のクレアを何度もデートに誘っては断られたことから話が始まり、最後の条件がダンスでした。途中でフィルも口をはさみ、語りの一部をなぞります。誘う言葉とダンスの流れに注目です。
Haley: Dad was a huge nerd in college. He asked mom out like 10 times, and she always said no. Finally, he said, “I’ll never bug you again – if you do one thing.
(パパは大学のころ、すごいオタクだったの。ママを10回くらいデートに誘ったけど、ママはいつも断ったのよ。ついにパパが言ったの。「一つだけやってくれたら、もう二度としつこくしない」って。)Phil: Just one.
(一つだけだ。)Haley: Dance with me.
(「俺と踊ってくれ」って。)Phil: Just dance.
(ただ踊るだけだ。)Haley: He spun her around on the floor and expressed himself with his body in a way he never could with words.
(パパはフロアでママをくるくる回して、言葉ではどうしても言えなかったことを体で表現したの。)Phil: That’s beautiful.
(いい話だなあ。)Haley: Mom finally saw the dad that we all know and love.
(ママはついに、私たちみんなが知ってて大好きなパパの姿を見たのよ。)Modern Family Season5 Episode11 (And One to Grow On)
シーン解説と心理考察
ヘイリーの語りは、フィルが大学時代にクレアを10回ほど誘い、そのたびに断られたという事実から始まります。ここでask someone outは、誘うという最初の一歩を表しています。断られ続けた末に、フィルが「一つだけやってくれたら、もう二度としつこくしない」と切り出す流れが続きます。always said noという言い方からは、断られる場面が一度や二度ではなかったことが読み取れます。
フィルは語りの合間に「一つだけ」「ただ踊るだけ」と口をはさみ、ヘイリーが再現する言葉を後ろから補っています。ヘイリーの語りにフィル本人が相づちを打つ形になり、思い出話が二人の掛け合いとして進みます。ヘイリーが「俺と踊ってくれ」と父の言葉を再現する部分は、ヘイリー自身が誰かを誘っているのではなく、フィルが当時クレアに言った言葉をなぞっている点も押さえておきたいところです。
締めくくりは、フィルが言葉では言えなかったことを踊りで表現し、クレアが初めて「私たちみんなが知っていて大好きなパパ」の姿を見たという一言です。誘う言葉では届かなかった気持ちが、ダンスでようやく伝わったという流れがここに表れています。フィルの「いい話だなあ」という一言は、自分の思い出でありながら、しみじみと受け止める口ぶりです。ask someone outで始まった話が、最後にはフィルの人柄をめぐる思い出話にまとまっていく場面です。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
家の中に閉じこもっていた相手の手を取って、玄関のドアの外へ連れ出す様子を思い浮かべてみましょう。ドアの外、つまりoutへ誘い出すのがask someone outです。相手を外の世界へ引っ張り出す動作が、デートに誘う意味と結びつきます。
フィルはクレアを、10回ほど誘い出そうとして断られました。外へ連れ出す動作を繰り返した、と考えると、asked mom outという形も記憶に残りやすくなります。
断られても繰り返し誘うという流れも、この動作のイメージにぴったり重なります。語順は、誘う相手をaskとoutでサンドイッチする形で覚えます。ask her out、ask him out、ask Sarah outのように、間に相手を挟んで口に出してみてください。
例文で覚える「ask someone out」
人を誘う場面のask someone outを、3つの例文で確かめてみましょう。
He finally asked her out after thinking about it for months.
(彼は何か月も迷った末に、ついに彼女をデートに誘った)
友人の恋の進展を話す、日常の場面です。after thinking about it for monthsを添えると、誘うまでの迷いの長さが伝わります。
She asked him out to dinner on Friday.
(彼女は金曜の夕食に彼を誘った)
誘いの内容まで伝える、ビジネスでも使える報告の言い方です。to dinnerのようにoutの後ろへ行き先を添えると、誘いの中身が具体的になります。
A: Did you ask Sarah out?
B: Not yet. I’m waiting for the right moment.
(A:サラをデートに誘った?)
(B:まだ。いいタイミングを待ってるんだ。)
友人同士の恋バナで、誘ったかどうかを尋ねる会話です。Sarahのような名前も、askとoutの間に入ります。
あわせて覚えたい関連表現
ask someone on a date
(人をデートに誘う)
ask someone on a dateは、dateという言葉を直接使う言い方で、意味がはっきりする反面、やや改まった響きになります。ask someone outは、行き先を決めずに誘う口語的な言い方です。
go out with someone
(人と付き合っている、人と出かける)
go out withは、付き合っている状態や、一緒に出かけることを指します。ask someone outは、誘う行為という最初の一歩に絞った言い方です。
hit on someone
(人を口説く、言い寄る)
hit onは、下心のある声のかけ方を含む口語表現です。ask someone outは、誘い自体を淡々と述べる中立的な言い方で、相手を選ぶ場面を問いません。
Note|ask someone outの語順と、誘い先を添える形
ask someone outは、語順を間違えやすい表現です。英語では動詞と副詞が組み合わさった句動詞のうち、目的語の位置に決まりがあるものがあります。
ask someone outでは、目的語がaskとoutの間に入ります。He asked her out.は正しい形で、He asked out her.とは言いません。相手が代名詞のときはとくに、間に入れる形を守ります。名前が入るときはAsk Sarah out.のように、間に置く形です。誘う先を言いたいときは、outの後ろにto dinner、for coffee、to a movieのように、toやforで続けます。She asked him out to a movie.なら、映画に誘ったという意味になります。Did you ask her out?と疑問文にしても、askとoutの間に相手が入る形は変わりません。
ヘイリーのHe asked mom out like 10 times.も、mom(ママ)がaskとoutの間に入る形でした。誘った回数を表すlike 10 timesは、文の最後に添えられています。
語順と誘い先の言い方を一緒に覚えておくと、誘った相手や行き先を自然に足せるようになります。誘う回数を言いたいときは、asked her out twiceのように、文の最後へ添える形も使えます。10回ほどという概数なら、like 10 timesのように添えると口語らしい響きになります。
まとめ|断られても続いた誘いの、その先に
ask someone outは、好意を持った相手を、日常の外へ誘い出す表現です。デートという言葉を使わずに、口語的に誘う行為を言い表せます。
友人の恋の進展を話す場面、誘ったかどうかを尋ねる場面、断られた経験を振り返る場面など、誘いにまつわる話題で使えます。目的語をaskとoutの間に入れる語順と、to dinnerのように行き先を後ろへ添える形を、セットで覚えておくと便利です。
フィルがクレアを10回ほど誘い、最後にはダンスが条件になったという思い出話は、誘う言葉の先にダンスが待っていた場面でした。次に誰かの恋の話を聞くときは、asked her outという形を会話のレパートリーに加えてみてください。


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