海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
身なりや気配りをめぐって、二人の言い分がすれ違ってしまう瞬間が、ドラマには時々あります。
そんな場面で飛び出した「make an effort」を、『モダンファミリー』シーズン6第1話の中盤、ジェイとグロリアが身なりをめぐって言葉を交わす場面から、一緒に見ていきましょう。
「make an effort」の意味とニュアンス
make an effort
意味:努力する、(〜するために)気を配る・手間をかける
make an effortは、あることのために意識して力や手間を使うことを表す言い方です。makeは「作る・行う」、effortは「努力・骨折り」という意味で、文字どおりには「努力を行う」になります。
形は、make an effort to + 動詞が基本です。toのあとに、何のための努力なのかが入ります。今回のように、to look good for meと続ければ、「私のために素敵に見せようと気を配る」という意味になります。effortの前にはa bigger effortのように形容詞が入ることもあり、努力の大きさを言い分けられます。
日本語の「努力する」だと重く聞こえる場面でも、make an effortは日常の小さな気配りや手間を表せます。身だしなみを整える、連絡を入れる、時間どおりに着くといった、大きな成果を目指さない場面で使えるのが特徴です。
相手のために手間を惜しまない、という前向きな響きを持つ一方で、してもらえなかったときの不満を述べる場面でも使えます。今回のシーンのように、「しているかどうか」を話題にするときに、否定形のdon’t make an effortの形がそのまま使えます。
【ここがポイント!】
- 「make an effort」の核は、あることのために意識して手間や力を使うこと
- make an effort to + 動詞の形で、何のための努力かをtoのあとに入れる
- 「努力」と訳すと重い場面では「気を配る」「手間をかける」と訳し分けるのがコツ
『モダンファミリー』S06E01のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジェイが「俺の服装に何か文句でもあるのか?」と尋ねるところから、身なりをめぐる言葉のやり取りが始まります。愛情の確認と、身なりへの注文が、短い返し合いの中で行き来します。最後にmake an effortが出てくる場面に注目です。
Jay: Do you have a problem with the way I dress?
(俺の服装に何か文句でもあるのか?)Gloria: Jay, I love you very, very much.
(ジェイ、あなたのことは本当に、本当に愛してるわ。)Jay: And I love you very much, but that wasn’t the question.
(俺も大好きだが、聞いたのはそこじゃない。)Gloria: It’s just that sometimes I feel like you could make a bigger effort on your appearance.
(ただ、あなたはもう少し身なりに気を配ってもいいんじゃないかって、時々思うの。)Jay: And there it is.
(ほら来た。)Gloria: Please stop saying that. It’s just that I feel that lately you don’t make an effort to look good for me, and I’m always making an effort to look my best for you.
(それ、言うのやめて。私はただ、最近のあなたは私のために素敵に見せようとしてくれないのに、私はいつもあなたのために精一杯きれいにしてる、と感じてるの。)Jay: For me? Sure.
(俺のために? へえ、そうかい。)Modern Family Season6 Episode1 (The Long Honeymoon)
シーン解説と心理考察
最初の質問に対して、答えは「愛してる」という気持ちの確認から返ってきます。ジェイはそれを受け取りつつも、「聞いたのはそこじゃない」と、服装に問題があるのかどうかという質問に話を戻します。愛情の話と服装の話が、少しずつ噛み合わないまま進んでいく様子が見どころです。
そこからグロリアは、「もう少し身なりに気を配ってもいい」と本音を出します。ジェイの「ほら来た」は、言われるのを予想していたような反応として響きます。すると「それ、言うのやめて」と返したうえで、自分はいつも相手のために精一杯きれいにしているのに、最近は同じようにしてくれないと感じている、と理由を言葉にしていきます。
make an effortが2回出てくる点にも注目です。1回目は相手がしていないこととして、2回目は自分がいつもしていることとして使われ、同じ言葉を対にして、言い分の食い違いを浮かび上がらせています。ジェイが「俺のために?」と聞き返す一言には、その言い分を疑う気持ちがのぞいています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
相手のために、ひとつずつ手間を「作って」差し出している場面を思い浮かべてみましょう。makeは何かを作る動きなので、effort(努力)という形のない手間を、手の中で形にして相手へ手渡すようなイメージです。
グロリアの場合、その手間は「相手のために素敵に見せる」という形をしていました。自分は毎日それを作って差し出しているのに、相手からは同じものが返ってこない、という不満が、make an effortの2回の繰り返しに表れています。
覚えるときの軸は、手間を作って相手に渡す動作です。日常の小さな気配りから、きちんと準備を整える場面まで、意識して手間をかけるときにこの言い方が浮かびます。逆に、手間をかけてもらえていないと感じた場面でも、don’t make an effortと否定にすれば同じ絵のまま使えます。
例文で覚える「make an effort」
意識して手間や力を使うことを表すmake an effortを、3つの例文で確認していきましょう。
You should make an effort to arrive on time.
(時間どおりに着くよう、気を配ったほうがいいですよ。)
遅刻が続く相手に助言する場面です。toのあとにarrive on timeと具体的な行動を入れると、何を気にかけてほしいのかがはっきりします。
She always makes an effort to greet everyone in the office.
(彼女はオフィスの全員に、いつも気を配って挨拶しています。)
同僚の人柄を紹介する場面です。alwaysを添えると、一度きりでなく続けている姿勢が伝わります。
A: Why did you wear a suit today?
B: I wanted to make an effort for the interview.
(A:どうして今日はスーツなの?)
(B:面接のために、ちゃんと身なりを整えたかったんだ。)
身なりに気を配った理由を話す会話です。for the interviewと目的を足すと、誰のため、何のための努力なのかが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
try to + 動詞
(〜しようとする)
try toは試みる気持ちを表す一般的な言い方です。make an effortは、そのために意識して手間や力を使うという意味が前に出て、気遣いに近い響きになる場合があります。
go to the trouble of + 名詞・動名詞
(わざわざ〜する)
go to the trouble ofは、手間をかけてわざわざ行うことを述べます。make an effortは手間の量よりも、意識して力を注ぐこと自体を指します。
put in the effort
(努力を注ぎ込む)
put in the effortは、努力を投じるという言い方で、費やした労力の量に目が向きます。make an effortは、「〜しようと努める」という姿勢に焦点があります。
Note|make an effortのeffortの前に置く語で変わる量と程度
make an effortという形は、effortの前に置く語を替えることで、努力の量や程度を細かく言い分けられます。ここでは、シーンに出てきた2つの形を手がかりに整理します。
まず、シーンにはa bigger effortとan effortの2つの形が出てきます。a bigger effortは、「もっと大きな努力」と量を比べる形です。ジェイの身なりについて、今より大きな努力をしてもよいのでは、と述べるときに使われています。一方のan effortは、量を問わずに「努力をする」という事実を述べる形です。「最近はしてくれない」「いつもしている」と、しているかどうかを言うときに向いています。
effortの前に置く語には、ほかにany effort、no effortのような形もあります。He didn’t make any effort to hide it.のように否定文でany effortを使えば「まったく努力しなかった」、no effortなら「努力がゼロ」という強めの否定を表せます。
effortの前に何も置かずに、ただmake an effortと言うだけでも、努力するという意志は伝わります。形を替えるだけで、努力の量から有無まで言い分けられるのがmake an effortの便利なところです。シーンのグロリアも、a bigger effortとan effortという形の違いによって、比べたいことと述べたいことを使い分けています。
まとめ|同じ言葉を対にして映る、二人の言い分
make an effortは、あることのために意識して手間や力を使うことを表す言い方です。make an effort to + 動詞の形で、何のための努力かをtoのあとに入れます。
日常の小さな気配りや、身だしなみを整える場面で、「努力する」よりも軽く「気を配る・手間をかける」という気持ちを伝えられる一言です。effortの前の語を替えると、努力の量や有無まで言い分けられます。
グロリアが相手にしていないことと自分がいつもしていることを、同じmake an effortで並べた場面では、二人の言い分の食い違いがくっきり浮かび上がっていました。気配りを伝えたいときや求めたいときに、この言い方が役立ちます。


コメント