「Surprising my “hugsband”!」——2つの語を混ぜた造語と、取り違えを正すやりとりの英語|『モダンファミリー』S06E01で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Surprising my "hugsband"!」——2つの語を混ぜた造語と、取り違えを正すやりとりの英語|『モダンファミリー』S06E01で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第1話には、家族それぞれの会話の中で、辞書には載っていない言葉がいくつも飛び出します。2つの単語をくっつけた造語や、うっかり取り違えた用語と、その訂正です。

こうした言葉遊びは、元になった単語が分かると一気に面白くなります。キャメロン、フィル、ミッチェルの3つの場面を順に取り上げ、英語の造語の仕組みと、取り違えた言葉を短く正す言い方を見ていきます。

目次

「hugsband」はどうやってできた言葉か

ミッチェルは、職場の集まりがあると前もってキャメロンに伝えていました。その集まりの場に、キャメロンが姿を見せます。

Mitchell: Cam, what are you doing here?
(キャム、ここで何してるの?)

Cameron: Surprising my “hugsband”!
(僕の「ハグズバンド」をびっくりさせに来たんだよ!)

Mitchell: I’m hearing that term for the first time.
(その言葉、初めて聞いたよ。)

Modern Family Season6 Episode1 (The Long Honeymoon)

hugsband は、hug(抱きしめる)と husband(夫)を組み合わせた造語です。husband の頭の音を hug に差し替えた形で、「ハグしたくなる夫」といった甘い響きを持たせています。このように2つの語の一部を重ねて1語にしたものは、英語で blend や portmanteau と呼ばれます。

身近な例では、brunch(breakfast + lunch)や smog(smoke + fog)がよく知られています。元の2語がどちらも想像できるように作るのが、混成語の基本と言えます。

キャメロンの答えにある Surprising ~ は、I’m here などが省かれた形で、「〜を驚かせに来た」という目的を一言で伝えています。What are you doing here? に対して、動詞の ing 形だけで答えるのは、会話ではよく見られる省略です。

一方、ミッチェルの I’m hearing that term for the first time. は「その言葉は初耳だ」という返しです。term は「用語」「呼び名」を指す語で、相手が勝手に作った呼び方に対して、ひとこと距離を置く反応になっています。造語は、作った側と聞いた側で受け止め方がずれやすい言葉だということが伝わってきます。

呪文と「ouch」を混ぜた「Abracad-ouch」

ダンフィー家のフィルは、この夏、鏡を使って人を消す手品の練習をしていて、クレアがその助手を務めています。ルークとヘイリーの言い合いが続いたところで、フィルが2人に声をかけます。

Phil: Luke, why don’t you go water our garden.
(ルーク、庭に水をやってきてくれないか。)

Phil: Haley, just disappear for a minute.
(ヘイリー、ちょっとの間だけ消えててくれ。)

Haley: Well, it’s not like you could help with that.
(まあ、パパに手伝えることじゃないけどね。)

Phil: Abracad-ouch.
(アブラカダ…いてっ。)

Modern Family Season6 Episode1 (The Long Honeymoon)

フィルの disappear for a minute は「少しの間いなくなって」という意味ですが、ヘイリーはそれを、フィルが練習している「消える」手品に結びつけて返したと読み取れます。it’s not like ~ は「〜というわけではない」で、ここでは「パパに人を消せるわけでもないし」という皮肉になっています。

これを受けたフィルの Abracad-ouch は、手品の呪文 abracadabra の途中で、痛みを表す ouch に切り替えた造語です。呪文を唱えかけたところで言葉が刺さった、という流れを1語で表しています。

hugsband が2語を滑らかに混ぜた形なのに対し、こちらは途中で別の語に乗り換える形です。同じ造語でも、言葉のつなぎ方が違う点が面白いところです。言われた皮肉に言葉遊びで返すところに、フィルらしさが見えてきます。

「give-off」から「hand-off」へ、短く正す言い方

言い合いのあと、ミッチェルがキャメロンに歩み寄る場面では、スポーツの用語をめぐる小さな取り違えが起こります。キャメロンが自分の落ち度を口にしたのを受けて、ミッチェルはこう提案します。

Mitchell: Well, m-maybe you you shouldn’t be the only one carrying the ball.
(だったら、ほら、君ひとりがボールを運ぶ必要はないんじゃないかな。)

Mitchell: What if you did a give-off to me?
(僕に、ギブオフしてみたら?)

Cameron: A hand-off.
(ハンドオフね。)

Modern Family Season6 Episode1 (The Long Honeymoon)

carry the ball は、ボールを持って進む役から転じて「中心になって物事を引き受ける」という意味で使われることがある言い方です。直前のキャメロンの言葉(フレーズ記事で扱っている drop the ball)を受けて、同じボールのたとえで返しています。

What if you ~? は「〜してみたらどう?」と、提案をやわらかく切り出す形です。ミッチェルはここで、ボールを人に渡すプレーを give-off と言いますが、アメリカンフットボールなどで使われる一般的な言い方は hand-off(手渡し)です。キャメロンは説明を加えず、A hand-off. と正しい語だけを返します。

相手の取り違えを正すとき、英語では You mean ~.(〜のことね)のように前置きを付けることもあります。この場面のように正しい語だけを短く返すと、話の流れを止めずに訂正できます。気持ちのこもった提案の最中に用語だけがずれる、そのおかしさが印象的な場面です。

まとめ|言葉を混ぜる・言い直す英語

hugsband のように2語を混ぜる形、Abracad-ouch のように途中で乗り換える形、そして give-off を A hand-off. と短く正すやりとり。元の語が分かると、造語や訂正に込められた遊び心まで読み取れるようになります。

『モダンファミリー』を観ながら言葉遊びに耳を澄ませると、会話の楽しみがひとつ増えます。

同じ回のコラムでは「やりすぎ」を伝える英語や家族の夏の流れも、フレーズ記事では一つひとつの表現の使い方も扱っています。

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