海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第4話を起点にした、アメリカのルームメイト探しの文化です。レナードの引っ越しで一人になりそうなシェルドンが、新しいルームメイトの候補者を面接し、信用情報の照会にまで踏み込む様子が描かれています。
面接形式の募集と、クレジットレポートの確認という、日本の部屋探しとは前提の異なる慣行を、エピソードの場面に沿って見ていきます。
ルームメイトは面接で選ぶ、という前提
出発点は、シェルドンがバーナデットの家へ相談に訪れる場面です。レナードがペニーのところへ移ると聞かされ、置いていかれる気分だとこぼすシェルドンに、バーナデットはこう促します。
Bernadette: Well, why don’t you look at this as an opportunity? You had other roommates before Leonard. Maybe this is a chance to find someone new.
(ねえ、これをいい機会だと考えてみたらどう? レナードの前にも他のルームメイトがいたでしょ。新しい人を見つけるチャンスかもしれないわよ。)TBBT Season9 Episode04
ここで前提になっているのが、家族でも恋人でもない相手と住まいを分け合うルームメイト文化です。家賃の負担が大きい都市部を中心に、他人同士のルームシェアは暮らしの選択肢として広く定着しているとされます。
そして募集の場面はしばしば、貸す側が候補者を選ぶ「面接」の形を取ります。アパートで候補者を迎えたシェルドンの切り出し方が、そのまま面接の定型です。
Sheldon: I appreciate your interest in the apartment. I just need to ask you a few standard questions.
(この部屋に関心を持ってくれたことには感謝します。いくつか標準的な質問をさせてもらうだけです。)TBBT Season9 Episode04
a few standard questions(いくつかの標準的な質問)という言い回しは、採用面接や窓口の手続きでも耳にする定番の前置きです。台本ではこの後、複数の候補者との面談が続いていきます。
もっともシェルドンの質問は、周期表のどの元素が生意気かを尋ねるような独特のもので、面接の型と中身のずれが笑いどころになっています。
信用情報を照会する、run someone’s creditの慣行
一連の面談の後、シェルドンはスカイプ越しのエイミーに向かって、審査の途中経過をこう告げます。
Sheldon: You’re healthy. You have a job in the sciences. I’ve got to say, if this credit report comes back good, you’re the frontrunner.
(あなたは健康で、科学分野の職に就いている。言っておくと、この信用調査の結果が良好なら、あなたが最有力候補です。)TBBT Season9 Episode04
credit report は、支払い履歴などの信用情報をまとめた報告書のことです。アメリカでは、部屋の貸し借りの場面でこうした信用情報が参照されることがあると紹介され、作中では個人のルームメイト選びにまで持ち込まれています。
もっとも、照会の仕組みや必要な同意は州や物件、時代によって異なるため、この場面はあくまで放送当時の誇張を含むコメディ描写として見るのが安全です。健康や職業まで評価軸として口にされるところに、シェルドンらしい審査の過剰さが表れています。
frontrunner は「先頭を走る候補者」、つまり選考で最有力の人を指す語です。選挙や競走の報道でもよく見かける語が、ルームメイト選びに持ち込まれているのが面白いところです。
当のエイミーはルームメイトになる気はないと即座に断りますが、後の場面で、審査がすでに実行されていたことが明かされます。
Amy: I can’t believe he ran my credit.
(彼が私の信用情報を照会したなんて、信じられないわ。)TBBT Season9 Episode04
run someone’s credit は「(人)の信用情報を照会にかける」という言い方です。この run には、検査や手続きを実行するという意味があり、ルームメイトになる気のない相手の照会まで済ませていたことが、バーの場面で呆れとともに語られます。
まとめ|審査つきの部屋探しを知るとドラマが近くなる
候補者を面接で選び、credit report の結果を待ち、frontrunner を決める。エピソードに描かれたルームメイト探しの流れには、住まいの貸し借りを審査つきの選考として進める文化の前提が透けて見えます。run someone’s credit のような言い回しも、この前提とセットで覚えると記憶に残りやすくなります。
シェルドンの審査がどこへ行き着くのかは、本編を観ながら見届けるのも楽しみ方の一つです。
エピソードの流れやほかの表現は、同じ回のコラムとまとめ記事からたどれます。


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