「not so much A as B」の意味と使い方|『モダンファミリー』S06E12で学ぶ英会話

「not so much A as B」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

昔から言われてきた話を確かめてみたら、思っていたのとだいぶ違っていた、という経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「not so much A as B」を、『モダンファミリー』シーズン6第12話の中盤、ジョーのトイレトレーニングをめぐる話から、マニーが幼いころのことをグロリアに確かめる場面で、一緒に見ていきましょう。

目次

「not so much A as B」の意味とニュアンス

not so much A as B
意味:AというよりB、AではなくてむしろB

not so much A as Bは、「Aというよりも、むしろ(ほとんど)B」と言い直すための構文です。not so muchは「それほど〜ではない」、as Bは「Bほどには」という組み立てで、Aの度合いは小さく、Bのほうがより当てはまる、という意味になります。

Aを完全に打ち消すわけではない点が、この構文の特徴です。Aの要素も少しは認めつつ、もっとぴったりの言い方としてBを差し出す、という言い直しの働きをします。最初に出た言い方を、より正確な表現に直したいときに便利な形です。

AとBには、名詞のほか、形容詞や句も入ります。たとえばnot so much lazy as tired(怠けているというより疲れている)のように、対になる語を並べて使います。文字どおりの直訳は「AほどではなくてむしろB」で、そのまま訳すと硬くなるので、日本語では「AというよりB」と言い換えるのが自然です。

なお、「AというよりB」と訳せる文でも、動詞が省かれていることがあります。シーンの台詞では、「好きだった」にあたる動詞が省かれていて、日本語にするときにその部分を補って読みます。省かれた部分は、前の質問の動詞を引き継いでいる、と考えると意味を取り違えません。

【ここがポイント!】

  • not so much A as Bの核は、「Aだと言うより、Bのほうがぴったり」と言い直す働き
  • Aを全否定せず、程度の差としてBに軽く傾け直す表現
  • AとBには名詞のほか、形容詞や句も入り、形をそろえて並べるのがコツ

『モダンファミリー』S06E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

グロリアが「ジョーはジョーのペースに任せてあげて」と頼み、マニーは2歳半でトイレトレーニングを覚えたと例を出した直後の場面です。マニーは、以前に聞いていた話との食い違いを指摘し、ほかにも大げさに言われたことがあるのかと確かめていきます。グロリアが同じ形で二度答える流れに注目です。

Manny: You told me it was 13 months.
(13か月のときだって言ってたよね。)

Gloria: I might have exaggerated a little bit.
(ちょっとだけ大げさに言ったかもしれないわね。)

Manny: Two and a half isn’t advanced at all. What else did you exaggerate? Did I really like Shakespeare when I was three?
(2歳半なんて全然早くないじゃないか。ほかに何を大げさに言ったの? 3歳のとき、僕は本当にシェイクスピアが好きだった?)

Gloria: Not so much Shakespeare as Jell-O.
(シェイクスピアというより、ジェロ(ゼリー菓子)ね。)

Manny: Was my first word really “latte”?
(僕の最初の言葉って、本当に「ラテ」だったの?)

Gloria: Not so much “latte” as “Jell-O.”
(「ラテ」というより「ジェロ」ね。)

Modern Family Season6 Episode12 (The Big Guns)

シーン解説と心理考察

グロリアは、ジョーには自分のペースがあると頼み、その例としてマニーが2歳半でトイレトレーニングを覚えたことを挙げます。ところが、マニーが以前に聞いていたのは13か月でした。グロリアが「ちょっとだけ大げさに言ったかもしれない」と認めると、話の向きが変わっていきます。

マニーは、2歳半では全然早くないと指摘したうえで、ほかに何を大げさに言ったのかと尋ねます。ここでマニーが持ち出したのが、3歳のころシェイクスピアが好きだったという話です。これが本当だったかどうかを、グロリアに直接確かめています。

答えは「Not so much Shakespeare as Jell-O」でした。シェイクスピアが好きだったというより、好きだったのはジェロだった、という言い直しです。Aを大きく否定するのではなく、Bのほうがぴったりだと伝えるこの形が、言葉の温度を軽くやわらげています。

マニーが最初の言葉は「ラテ」だったのかと重ねて聞くと、グロリアは同じ形で「ラテというよりジェロ」と答えます。同じ構文が続くことで、幼いころの話が実際とはかなり違っていたことが、やり取りのリズムの中で明らかになっていきます。マニーの問いが短くなる一方で、グロリアは二度とも同じ型の一言で答えています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

天秤の皿にAとBを載せた様子を思い浮かべてみましょう。「Aだ」と言われた皿には、ほんの少しだけ重りが載っています。けれど、もっと重い重りは反対側のBの皿に載っていて、天秤はBのほうへ大きく傾いています。not so much A as Bは、この傾きを言葉にした表現です。

グロリアの「シェイクスピアというよりジェロ」も、この天秤の絵で見ると分かりやすくなります。マニーが差し出した「シェイクスピア」の皿は軽く、実際に重かったのは「ジェロ」の皿でした。ラテの話も同じで、皿の位置は変わりません。言い直したい場面に出会ったら、傾きを直す天秤を思い浮かべて、AからBへ重心を移す感覚で使ってみましょう。

例文で覚える「not so much A as B」

not so much A as Bは、最初の言い方をより正確な言い方に直したいときに使う構文です。日常会話とビジネスの3つの例文で、AとBの入れ方を確認していきましょう。

It was not so much a meeting as a party.
(会議というより、パーティーのようなものでした。)
集まりの雰囲気を説明する日常の場面です。名詞のa meetingとa partyを並べて、実際の様子を言い直しています。

The problem is not so much the price as the quality.
(問題は、価格というより品質です。)
課題の本質を指摘するビジネスの場面です。the priceとthe qualityの形をそろえると、どこに重心があるかが一目で伝わります。

A: Was the trip a failure?
B: Not so much a failure as a lesson.
(A:旅行は失敗だった?)
(B:失敗というより、勉強になったよ。)
出来事を前向きに言い直す友人同士の会話です。Aの質問を受けて、a failureを部分的に認めながらa lessonに言い換えています。

あわせて覚えたい関連表現

more B than A
(AよりもB)
BのほうがAより強いという比較を、Bを先に置いて言う形です。not so much A as Bは、Aを先に出したうえで言い直す形です。

B rather than A
(AではなくてB)
AではなくBという対比を、Bを先に置いてはっきり言う形です。not so much A as Bは、Aの度合いも少しは認める含みがあります。

not A but B
(AではなくB)
Aをきっぱり打ち消してBを示します。not so much A as Bは、Aを全否定せず、Bのほうがより当てはまると、やわらげて言います。

Note|AとBに入る語をそろえる、not so much A as Bの形

not so much A as Bを使うときにいちばん気をつけたいのは、AとBに入る語の形をそろえることです。対になる部分の形が合っていると、読む側も言い直しの意図をすぐに受け取れます。

シーンのグロリアは、Not so much Shakespeare as Jell-Oと言いました。AにもBにも名詞が入っています。形をそろえた例で、意味のつながりも確認できます。名詞と名詞なら、not so much a meeting as a partyのようになります。形容詞と形容詞なら、not so much lazy as tiredのように、状態を言い直す形になります。

一方で、形をそろえないと、文が不自然になる場合があります。たとえばAを名詞にして、Bを動詞のかたまりにしてしまうと、対比の相手が見えにくくなります。迷ったときは、Aを先に決めて、それと同じ品詞、同じ長さのかたまりでBを選ぶと、文が安定します。

シーンで二度使われたNot so much “latte” as “Jell-O”も、名詞と名詞の組み合わせです。同じ形を続けて使うことで、言い直しのリズムが伝わってきました。AとBを対にして考える習慣が、この構文を使いこなす近道になります。言い直したい内容をまず頭の中でAとBに分けてから英文に組み立てると、語順で迷いにくくなります。

まとめ|シェイクスピアよりジェロ、言い直しの一言

not so much A as Bは、Aを全否定せずに、Bのほうがぴったりだと言い直す構文です。名詞や形容詞など、形をそろえたAとBを並べるのが基本になります。

最初の言い方を正確に直したいとき、雰囲気や問題の中心を伝えたいとき、出来事を前向きに言い換えたいときなど、さまざまな場面で使えます。not A but Bやmore B than Aと並べておくと、Aをどの程度残したいかで言い分けられます。

マニーの質問に対してグロリアが二度使ったこの形は、幼いころの話を軽い調子で言い直す、テンポのよい一言でした。言い直したい場面が来たら、傾く天秤を思い浮かべてみてください。

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