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借りたままになっていたお金を、きちんと全額返して、気持ちの区切りをつけたいと思ったことはありませんか。
そんな場面で使える「pay back in full」を、『モダンファミリー』シーズン6第19話の後半、フィルがジェイに向かって借りたお金の返済を告げるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「pay back in full」の意味とニュアンス
pay back in full
意味:全額を返す、借りた分を残らず返済する
pay back in full は、借りたお金を全額返すときの表現です。pay back は「借りたお金を返す」という意味の句動詞で、in full は「全額で」「省略せずに」という意味の副詞句です。二つを組み合わせると、一部だけでなく借りた分をすべて返す、という意味がはっきりと表れます。
pay back だけでも「返す」ことは伝わりますが、in full を添えると「全額」であることが明確になります。分割で少しずつ返している最中なのか、全額を返し終えたのかを、一言で区別できるのが in full の働きです。
今回のシーンで使われる Paid back in full は、この表現の過去分詞の形です。主語と be 動詞が省かれていて、「全額返済済み」と宣言するような、短く言い切る形になっています。文として完成していない短い形ですが、返済が済んだという事実を伝えるには十分です。結果だけを簡潔に示す、切り詰めた言い方です。
【ここがポイント!】
- 「pay back in full」の核は、借りた分を残らず返すという全額の意味
- in full が全額を示し、一部だけの返済との違いをはっきりさせる
- 過去分詞の Paid back in full は「返済済み」を告げる短い宣言になる
『モダンファミリー』S06E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィルが、ジェイに向かって「これは実はもっと恥ずかしい話なんだ」と切り出します。頭金にお金を貸してくれていたと知ったことを話し、全額の返済を告げます。ジェイが問いかけると、フィルはこれは自分たちのためだと説明し、感謝の言葉で結びます。フィルの最初のセリフの中に、Paid back in full が登場します。
Phil: This is actually much more embarrassing. I just found out you lent us money for our down payment. So here. Paid back in full.
(これは実はもっと恥ずかしい話なんだ。頭金にお金を貸してくれてたと、さっき知ってね。だから、これを。全額返済だ。)Jay: Phil, is this because Mitchell
(フィル、これはミッチェルが——)Phil: No. This is for me for us. And though it may be long overdue, thank you.
(いや。これは俺のため、俺たちのためだ。それに、ずいぶん遅くなったけど、ありがとう。)Jay: You’re welcome.
(どういたしまして。)Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)
シーン解説と心理考察
フィルの切り出しは「これは実はもっと恥ずかしい話なんだ」で始まります。頭金にお金を貸してくれていたと知った、と事情を話し、そのうえで「So here」と何かを差し出すような言い方に続けて、Paid back in full と短く言い切ります。返済済みという事実を、簡潔な形で告げているところが目を引きます。長い説明を重ねずに、一言で完了を示す言い切りが、聞き手に届く形になっています。
ジェイは「フィル、これはミッチェルが——」と切り出します。ミッチェルの名前が出てくる理由は、この会話の中では説明されません。フィルは「いや」と応じ、これは自分のため、自分たちのためだと説明します。返済の理由を自分たち自身のためだと、フィルがはっきりさせています。
そこへ続く「ずいぶん遅くなったけど、ありがとう」という言葉が、この場面の温度を決めています。お金を返す行為のあとに、感謝の言葉が置かれています。ジェイは「どういたしまして」と受け止めます。お金の貸し借りを、金額の話だけで終わらせず、感謝の言葉で結んでいる点が、この場面のポイントです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
back は「元の場所へ戻る」、in full は「満ちた状態で」という意味です。借りたお金が持ち主のもとへ、欠けることなくまるごと戻っていく場面を思い浮かべてみましょう。器の中身が半分ではなく、なみなみと満ちた状態で返される絵です。
フィルのセリフでは、その「まるごと戻す」動きが、Paid back in full の短い一言に詰まっていました。戻る動きが pay back、満ちた状態が in full と、二つに分けてイメージしておくと、意味が頭に残りやすくなります。返済の話題に出会ったときに、頭の中で器がいっぱいになっている絵を思い出してみてください。
例文で覚える「pay back in full」
お金を返す約束から、返し終えたあとの確認まで、3つの例文で使い方を確認していきましょう。
I’ll pay you back in full by the end of the month.
(月末までに全額を返すよ。)
友人から借りたお金の返済を約束する場面です。pay you back と人を目的語にして、in full を最後に置く形が使われています。by the end of the month と期限を添えると、約束としての具体性が増します。
The loan was paid back in full two years ahead of schedule.
(そのローンは、予定より2年早く全額返済されたんだ。)
返済の完了を報告するニュースのような場面です。was paid back と受け身にすると、返済が終わったという事実を落ち着いて伝えられます。two years ahead of schedule と続けて、予定より早かったことまで一文に収めています。
A: Do I still owe you anything?
B: No, you paid me back in full last week.
(A:まだ何か借りてるっけ?)
(B:いや、先週全額返してもらったよ。)
貸し借りの残高を確かめ合う会話です。paid me back と貸した側からの視点で言うと、返してもらったという事実を伝える文になります。last week と時期を添えると、いつ完済したのかも確認できます。
あわせて覚えたい関連表現
pay off
(完済する、払い切る)
pay off は、借金やローンを払い切って終わらせることに重点があります。pay back in full は、借りた相手へ全額を返す動きに重点がある点が違いです。
repay
(返済する)
repay は一語で返済を表す動詞で、やや硬い響きがあります。pay back は二語の句動詞で、くだけた響きになります。
settle up
(清算する、精算する)
settle up は、貸し借りをまとめて精算するときの言い方です。金額が全額か一部かは特に示さない点が、in full との違いです。友人同士の割り勘のあとにも使えるくだけた言い方で、お金のやり取りをまとめて終わらせる場面に合います。
Note|pay back の目的語の取り方、人とお金で変わる語順と in full の位置
pay back は、返す相手を目的語にするか、返すお金を目的語にするかで、語順が変わる表現です。
返す相手を目的語にするときは、pay him back、pay you back のように、人を pay と back の間に入れます。ここで pay back him とは言いません。返すお金を目的語にするときは、pay back the money、pay the money back のように、お金を back の前後どちらにも置けます。ただし、お金が it のような代名詞になると、pay it back の語順に固定されます。
in full を置く位置は、文の終わりが基本です。I’ll pay you back in full、She paid the money back in full のように、動詞と目的語のまとまりの後ろに置くと、全額という意味が自然に加わります。今回のフィルのセリフは Paid back in full と、主語と be 動詞が省かれた形になっていますが、back と in full の並びは同じです。
語順を押さえておくと、返済の話題を英語で聞き取るときにも、誰がお金を返し、誰が受け取ったのかを整理しやすくなります。
返す相手とお金、どちらを目的語にするかを意識しながら、例文を口に出してみましょう。人を入れるときは pay と back の間、お金を入れるときは back の前後、と手順を決めておくと、話の流れの中でも迷いません。
まとめ|全額を返して、感謝で結ぶ
pay back in full は、借りたお金を残らず全額返すときの表現です。in full が全額であることをはっきりさせ、一部だけの返済との違いを一言で示します。
友人や家族から借りたお金を返す場面、ローンの完済を伝える場面、貸し借りの残高を確認する場面など、お金が絡む会話の幅広い場面で活躍します。相手を目的語にするか、お金を目的語にするかで語順が変わる点も、あわせて押さえておきたいところです。
フィルがジェイに向けて告げた返済は、金額だけでなく、遅くなったという事実と感謝の言葉まで添えられていました。全額を返すという行為に気持ちを乗せる、そんな場面でした。


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