「pick up the pace」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E22で学ぶ英会話

「pick up the pace」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

予定より少し遅れてしまったとき、まわりに「ここから巻き返そう」と声をかけたくなる場面があります。ただ急かすのではなく、全体の進み方を一段上げたい、という気持ちを伝えたい場面です。

そんな場面にぴったりの「pick up the pace」を、『モダンファミリー』シーズン7第22話の中盤、フィルが投げかける呼びかけの一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「pick up the pace」の意味とニュアンス

pick up the pace
意味:ペースを上げる、速度を上げる

pick up the pace は、歩く速さや作業の進み具合など、全体の進む速さを上げることを表す表現です。pace は「歩調」「進む速さ」、pick up は、ここでは「持ち上げる」から転じて「上がる」「勢いを増す」という意味で使われています。「地面に近いところにあった速さを、ひとつ上の段に持ち上げる」というイメージを重ねると、意味がつかみやすくなります。

使い方には幅があります。ドラマの台詞のように、命令形で「ペースを上げろ」と呼びかける使い方があります。そのほかに、We need to pick up the pace.(ペースを上げる必要がある)のように、予定の遅れを説明する使い方もあります。主語が人でなくても使え、The story picks up the pace in the second half.(その物語は後半でテンポが上がる)のように、物語や会議の進み方にも当てはまります。

日本語にするときは、「ペースを上げる」「テンポを上げる」「速度を上げる」が合います。pick up を「拾う」と訳してしまうと意味が通らなくなるので、「上げる」の意味で読むのがポイントです。

the pace の the は、その場で進んでいる速さを指しています。pace を冠詞なしで置かず、the を付けて「いまのペース」をひとつ持ち上げる、という形で覚えておくと、文を作るときに迷いません。pick up のあとに speed を置いた pick up speed という形もあり、こちらは「速度が上がる」ことを広く表します。

【ここがポイント!】

  • 「pick up the pace」の核は、全体の進み具合や歩調を一段上げること
  • 命令形の呼びかけにも、遅れの説明にも、物語のテンポを語る文にも使える
  • pick up は「拾う」ではなく「上がる」「勢いを増す」の意味で読む

『モダンファミリー』S07E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィルがルークと組んだゲームで、ペースを上げるよう声をかける場面です。短い命令のあとに、ママにまつわる言葉が続けて入っています。

呼びかけの一言と、その理由にあたる文が続くので、pick up the pace が「取り返す」ための動きとして語られていることに注目です。

Phil: Pick up the pace! This is where we make up for your mom being so bad at Hula-Hooping.
(ペースを上げろ! ここで取り返すんだ、ママのフラフープがひどく下手だった分をな。)

Modern Family Season7 Episode22 (Double Click)

シーン解説と心理考察

Pick up the pace! は、動詞の原形で始まる命令形の文で、末尾に感嘆符が付いています。主語の you を置かない形なので、短く強い呼びかけになります。pick up the pace が「ペースを上げろ」という号令そのものとして働いています。

続く This is where we make up for … は、where を使った文です。This is where 〜 は「ここが〜するところだ」「ここで〜する」という意味で、場所や局面を指して使います。make up for は「〜を埋め合わせる」「〜を取り返す」にあたる句で、足りない分を別のところで補う、という動きを表します。we は、フィルと話しかけられている相手の両方を含む「俺たち」です。

make up for の目的語にあたるのが、your mom being so bad at Hula-Hooping です。being を使った形で、your mom がその意味上の主語になっています。「ママのフラフープがひどく下手だったこと」というひとまとまりの出来事を、埋め合わせる対象として示しています。be bad at 〜 は「〜が下手だ」、so は「とても」「ひどく」を足す語です。so が入ることで、下手さの程度が大きいことを強調しています。your mom は、話しかけられている相手から見た母親のことです。

つなげて読むと、「ペースを上げろ。ここで取り返すんだ。ママのフラフープがひどく下手だった分を」という流れになります。ペースを上げることが、埋め合わせの手段として語られているわけです。この一言は、前半で pick up the pace を使い、後半でその目的を言い足す構成になっていて、フレーズの使い方を知るうえでも手がかりになります。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

手がかりにしたいのは、pace を「歩く速さのつまみ」、pick up を「そのつまみをひとつ持ち上げる動作」と見立てる考え方です。速さのつまみが動くと、歩く人も作業する人も、全体の進み方が変わります。

フィルの Pick up the pace! も、まず「ペースを上げろ」と合図を出し、そのあとに理由を言い足す形でした。号令のあとに「ここで取り返すんだ」と続けると、ペースを上げる目的がはっきりします。

反対にペースを落とすときは slow down を使います。pick up と slow down を対にして覚えておけば、速さを上げ下げする表現がまとめて頭に入ります。

例文で覚える「pick up the pace」

pick up the pace を、3つの例文で確認していきましょう。

We’re behind schedule, so we need to pick up the pace.
(予定より遅れているので、ペースを上げる必要があります。)
進行の遅れを伝える仕事の場面です。so の前に遅れの事実を置き、あとに need to + 原形で必要性を述べています。

The runners picked up the pace in the final lap.
(ランナーたちは最後の周回でペースを上げた。)
レースの様子を伝える文です。過去形は picked up the pace で、pick だけが形を変えます。

A: We only have ten minutes left.
B: Then let’s pick up the pace.
(A:残りは10分しかないよ。)
(B:じゃあ、ペースを上げよう。)
時間が足りない場面の会話です。let’s のあとに原形が続く形で、「一緒に」ペースを上げようと誘う言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

speed up
(速度を上げる、早める)
speed up は、速度そのものを上げることを広く指します。pick up the pace は、全体の進み具合に焦点があります。

step it up
(もっと本気を出す、レベルを上げる)
step it up は、速さだけでなく、努力や質も一段上げる言い方です。pick up the pace は、速さやテンポに限った表現です。

hurry up
(急ぐ、急いで)
hurry up は、個人に急ぐよう促す直接的な言い方です。pick up the pace は、集団や作業全体の進み具合にも使えます。

Note|pick up the pace・speed up・hurry up・step it up の使い分け

ペースを上げることを表す表現は、似ていても焦点が違います。4つの表現を、何を上げるのかという視点で並べてみましょう。

pick up the pace が上げるのは、全体の進み具合や歩調です。歩く速さ、作業の流れ、会議や物語のテンポなど、ひとまとまりの動きが対象になります。speed up が上げるのは、速度そのものです。車や機械、処理の速さにも使え、人の動きにも当てはまります。

hurry up は、目の前の相手に「急いで」と促す言い方です。命令形の Hurry up! のように、相手の動きを直接せかす響きがあります。pick up the pace は、同じ命令形でも、全体のテンポを引き上げる呼びかけになります。step it up は、速さだけでなく、努力や質を一段上げることを求める言い方で、仕事ぶりやプレーの内容に目が向きます。

台詞のように「ここで取り返すんだ」と全体の動きを引き上げたいなら pick up the pace が、作業の速度だけを問題にするなら speed up が合います。相手を直接せかすなら hurry up、質も含めて底上げしたいなら step it up、というふうに選び分けられます。

まとめ|全体のテンポを一段上げる号令

pick up the pace は、歩調や作業の進み具合など、全体の速さを上げることを表す表現です。命令形で呼びかけることも、遅れを説明することもできます。

フィルの Pick up the pace! は、号令のあとに「ここで取り返すんだ」と目的を足す形でした。ペースを上げる理由が、すぐ後ろに言い足されています。呼びかけだけで終わらせず、目的を添えるところまでが、この場面の一言のまとまりです。

速度そのものを上げる speed up や、相手を直接せかす hurry up との違いは、全体のテンポを問題にするかどうかです。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「pick up the pace」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

pick up the pace

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次