海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
子どもが友だちに思いやりをもって接している様子を見ると、親として少し誇らしくなる瞬間があります。その気持ちを、つい自分たちの手柄のように話したくなることもあります。
そんなときに出てくる「have an open mind」を、『モダンファミリー』シーズン8第2話の前半、リリーを褒めるミッチェルとキャメロンが、自分たちの子育ての成果を持ち上げ合う会話から、一緒に見ていきましょう。
「have an open mind」の意味とニュアンス
have an open mind
意味:先入観を持たずに受け入れる、広い心を持つ
have an open mind は、自分と違う考えや人、新しい物事を、決めつけずに受け入れる姿勢を表す表現です。open は「開いている」、mind は「心」で、「心が開かれたままになっている」という組み立てが、そのまま意味につながっています。反対に、先に結論を決めて心を閉じている状態が、a closed mind です。
この表現は、人の性格や育ちを説明するときにも、これから何かを試す人に「決めつけないでね」と促すときにも使えます。後ろには about や to を置いて、何に対して心を開いているのかを示す形が多く、have an open mind about the new plan なら、新しい計画について先入観を持たない、という意味になります。
意味の中心は「判断を先延ばしにして、まず受け止める」ことです。相手の意見に賛成するという意味ではなく、聞く前から否定しないという姿勢を指します。そのため、意見が割れそうな話し合いの前や、初めての経験の前に添える言葉としてよく合います。
訳語としては、「先入観を持たずに受け入れる」「広い心を持つ」「偏見のない」がなじみます。「開いた心を持つ」と直訳すると意味がぼやけるため、受け入れる姿勢の側へ言葉を寄せます。
【ここがポイント!】
- 「have an open mind」の核は、心の扉を開けたまま、まず受け止める姿勢
- 賛成の意味ではなく、聞く前から否定しないという態度を表す言い方
- 心を開く対象は about や to のあとに置く形
『モダンファミリー』S08E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
リリーが友だちに敬意をもって接しているという話題を受けて、キャメロンとミッチェルが言葉を交わします。二人はリリーを褒めながら、少しずつ話の中心を自分たちの子育てへ寄せていきます。フレーズは、キャメロンの「僕たちは、あの子が広い心を持てるように育てた」という一言に出てきます。
Cameron: Oh, she is so sweet.
(ああ、あの子は本当にいい子だね。)Mitchell: She really is. She gets all the credit on this one.
(本当にそうだよね。今回は、あの子の手柄だ。)Cameron: Uh-huh.
(うん。)Mitchell: This so doesn’t matter.
(こんなこと、全然どうでもいいんだけどね。)Cameron: We raised her to have an open mind.
(僕たちは、あの子が広い心を持てるように育てたんだ。)Mitchell: Totally. We deserve some kudos here, too.
(その通り。僕たちも、少しは称賛されていいはずだよ。)Cameron: There’s enough kudos for everyone.
(称賛は、みんなの分が十分あるよ。)Modern Family Season8 Episode2 (A Stereotypical Day)
シーン解説と心理考察
リリーを褒める言葉から始まった会話が、数発言のうちに「自分たちの手柄」の話へ移っていく流れが、この場面の骨組みです。キャメロンの Oh, she is so sweet. にミッチェルが She really is. と応じ、続けて She gets all the credit on this one. と、今回の件はリリーの手柄だと言います。
そのすぐあとに、ミッチェルは This so doesn’t matter. と添えます。文字どおりに受け取れば「どうでもいい」ですが、続く発言で二人とも称賛を求めているので、手柄の話を切り出す前置きの冗談として響きます。ここでキャメロンが We raised her to have an open mind. と言い、フレーズが登場します。
リリーが友だちに敬意をもって接していることを、キャメロンは「広い心を持てるように育てた」と、自分たちの育て方の成果として語ります。リリーの手柄だと言いながら、結局は二人とも自分たちの子育てを誇りたい。そのささやかな自慢が、We deserve some kudos here, too. というミッチェルの一言で、はっきり形になります。
最後にキャメロンが There’s enough kudos for everyone. と受けるところに、二人の仲の良さがにじみます。称賛を独り占めせず、全員に十分あると分け合う言い方が、会話の温度をやわらかく保っています。自画自賛をたしなめるのではなく、そのまま受け止めて笑いに変える返しが、見どころです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
have an open mind は、扉がいつも開いている家にたとえると覚えやすくなります。扉が開いていれば、新しい考えも、違う意見も、すっと中に入ってきます。扉が閉まっていれば、何も入りません。「開いた心(open mind)を持つ(have)」が、「先入観なく受け入れる」という意味につながります。
キャメロンの一言は、リリーの心の扉が開いていることを、育て方の結果として語るものでした。扉が開いたまま「ある」状態を表すので、動詞が have になっている点も、一緒に頭に残しておくと覚えやすくなります。
例文で覚える「have an open mind」
職場の変更、旅先の心構え、友人への後押しの3つの場面で、have an open mind の使い方を見ていきます。
I’m trying to have an open mind about the new schedule.
(新しいスケジュールについて、先入観を持たないようにしている。)
職場の変更を受け止めようとする場面です。trying to を添えると、決めつけないように努めている最中だと伝わります。
When you travel, it helps to have an open mind about the local food.
(旅行中は、現地の食べ物に先入観を持たないほうがいい。)
旅先での心構えを話す日常の場面です。about のあとに対象を置くと、何に対して心を開くのかがはっきりします。
A: I don’t think I’ll like jazz.
B: Just have an open mind and give it a try.
(A:ジャズは好きになれない気がする。)
(B:決めつけずに、とりあえず聴いてみてよ。)
友人に新しいものを勧める会話です。give it a try と並べると、先入観をいったん置いて試してみる、という流れが自然に伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
keep an open mind
(先入観を持たずにいる、決めつけないでおく)
keep an open mind は、これから判断する場面で「決めつけないでいて」と促す形でよく使います。have an open mind が持っている姿勢を述べるのに対し、こちらは保ち続けることを求める響きがあります。
be open-minded
(心が広い、偏見がない)
be open-minded は、人を形容する言い方です。have an open mind が名詞で「心を持つ」と表し、特定の件への姿勢にも使えるのに対し、こちらは人の性格に焦点が当たります。
be open to
(〜を受け入れる余地がある)
be open to は、後ろに受け入れる対象を置く形です。be open to suggestions なら、提案を受け入れる余地がある、という意味になります。have an open mind が心の状態そのものを表すのに対し、こちらは対象との関係を示します。
Note|姿勢か、促しか、人の形容か。have an open mind と keep an open mind と be open-minded の使い分け
open mind を使った三つの言い方は、似ているようで、何を言いたいのかが少しずつ違います。台詞の使い方を手がかりに、姿勢を述べるのか、促すのか、人を形容するのか、という三つの方向から整理します。
have an open mind は、その人が持っている姿勢を述べる形です。今回のキャメロンのように、We raised her to have an open mind. と「そういう心を持つように育てた」と語る場面や、I’m trying to have an open mind. と自分の姿勢を述べる場面に合います。have は「持っている」という状態を表すので、すでにある姿勢の説明に向いています。
keep an open mind は、決めつけない状態を保ってほしいと促すときに使われます。Please keep an open mind. のように、これから聞く話や試すことの前に添えると、先入観を置いて聞いてほしい、という依頼になります。keep は「保つ」なので、途中で閉じてしまわないことを求める響きがあります。
be open-minded は、人を形容する形容詞です。She is open-minded. なら、彼女は偏見のない人だ、という性格の説明になります。特定の件ではなく、その人の傾向全体を言いたいときに選びます。
今回の場面で have が選ばれているのは、リリーの心がどう育ったか、という「持っている状態」を語っているからです。促すなら keep、人の傾向を言うなら be open-minded、と選び分けると、意味の焦点が定まります。
姿勢の説明には have、依頼には keep、と覚えておくと迷いません。
まとめ|育て方の自慢に添えられた、開いた心
have an open mind は、先入観を持たずに、まず受け止める姿勢を表す表現です。心を開く対象は、about や to で示します。賛成の意味ではなく、聞く前から否定しない態度を言い表す点が、核になります。
新しい提案を聞く前の心構え、初めての食べ物や経験への構え、人の育ちや性格の説明などで使えます。姿勢を述べるなら have、促すなら keep、人を形容するなら be open-minded、という選び分けも、あわせて持っておくと便利です。
リリーを褒めながら、いつのまにか自分たちの子育てを称賛していたミッチェルとキャメロンの会話は、誇らしさがこぼれ出る家族の空気を映していました。表現の引き出しに加えてみてください。


コメント