海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手が自分をどう思っているのか分からないまま、はっきりした答えを待ち続ける。そんな宙ぶらりんの時間は、誰の日常にも訪れます。
そんな場面で出てくる「know where one stands」を、『モダンファミリー』シーズン10第4話の前半、気持ちがややこしいと話すヘイリーに、父のフィルが助言する場面から、一緒に見ていきましょう。
「know where one stands」の意味とニュアンス
know where one stands
意味:(相手にとって自分がどういう立場・位置づけなのかを)知っている、自分の立ち位置をつかんでいる
know where one standsは、相手との関係や組織の中で、自分がいまどういう位置にいるのかを把握している状態を表します。standは「立つ」、whereは「どこに」なので、文字どおりには「自分がどこに立っているかを知っている」という意味になり、そこから「自分の立場や扱いを分かっている」へと広がります。
見出しのoneは、主語に合わせて入れ替わる代名詞です。自分のことならknow where I stand、彼のことならknow where he standsのように、実際の文ではI、he、sheなどに置き換わります。作中のフィルもknow where he standsという形を使っていて、ディランが自分の立場を知るべきだと話す場面になっています。
何かを知りたいというときは、want to know where I standの形になり、知る権利や必要を言うときは、作中のようにdeserve to know where he standsの形になります。曖昧な関係の相手に答えを求める場面でも、昇進や契約の見通しを確かめたい場面でも、同じ形が使えます。
反対に、自分の立場が見えない状態はdon’t know where I standと言えます。否定形にすると、はっきりしないまま宙に浮いている感覚がそのまま表れます。
【ここがポイント!】
- 「know where one stands」は、自分がいまどこに立っているのかを知るという位置のイメージ
- oneの部分は主語に合わせてI、he、sheなどに入れ替えて使う
- deserve toやwant toと組み合わせると、知る権利や知りたい気持ちを言える
『モダンファミリー』S10E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ヘイリーが、自分の気持ちが「すごくややこしい」状態にあるとフィルに話す場面です。話を聞いたフィルは、ディランの人柄に触れたうえで、これまでのいきさつを踏まえた対応が必要だと伝えます。ヘイリーが了承したあと、フィルがもう一言助言を足すまでの短い流れに注目です。
Haley: I know. It’s just so hard. I mean, I’m with Arvin, who hasn’t talked to me since I told him I kissed Dylan, and every time I talk to Dylan, I end up kissing him. It’s very confusing.
(わかってる。ただ、すごく難しいんだよね。だって、私はアーヴィンと一緒にいるのに、ディランにキスしたって私が話してから、彼は口をきいてくれなくて、しかもディランと話すたびに結局キスしちゃうんだもん。すごくややこしいんだよ。)Phil: Well, Dylan’s a sensitive guy. After all your history together, he deserves to know where he stands. You should talk to him.
(まあ、ディランは繊細な奴だからな。これまでのいきさつを考えれば、自分がどういう立場なのかを知る権利は、あいつにある。君から話すべきだ。)Haley: Fine. I’ll tell him to come over.
(わかった。こっちに来るように彼に言っておく。)Phil: Use the blowfish emoji.
(フグの絵文字を使うといい。)Modern Family Season10 Episode4 (Torn Between Two Lovers)
シーン解説と心理考察
ヘイリーの「すごくややこしいんだよ」という一言には、気持ちの整理がつかないまま話をしている様子が表れています。迷いをそのまま口にしたヘイリーに対して、フィルはまず「ディランは繊細な奴だ」と、相手の人柄を前置きにします。
その前置きのあとに出てくるのがhe deserves to know where he standsです。ディランにとって、ヘイリーとの関係の中で自分がどの位置にいるのかは、知っておくべきことだ、とフィルは言っています。しかも、「これまでのいきさつを考えれば」とafter all your history togetherを添えて、二人の積み重ねを理由に据えているため、ただの一般論ではなく、この二人についての助言として響きます。
フィルは続けて「君から話すべきだ」とYou should talk to himを置き、知る権利の話を、ヘイリー自身が取る行動へとつなげています。対するヘイリーはFineと短く応じ、I’ll tell him to come overと、ディランを呼ぶ具体的な行動を口にします。知る権利の話から、ディランを呼ぶという一歩へ進む流れが、短いやり取りの中に収まっています。最後にフィルが絵文字の使い方を勧める一言を足していて、重い話題のあとに軽い一言が添えられる空気があります。
ディランを気づかうフィルの視点が、deserveという語の選び方に重なっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
駅の路線図で、赤い丸に「現在地」と書かれた印を探す場面を思い出してください。行き先がどこであれ、まず現在地が分からなければ進む方向は決められません。相手との関係の中で、自分がいま地図のどこに立っているのかを確かめる、というのがknow where one standsの絵です。
ディランの場合、地図の上の自分の位置を知らないまま待たされている状態にあたります。フィルが「知る権利がある」と言った場面は、その現在地の印をヘイリーがディランに示す、という助言と重なります。現在地の印を思い浮かべると、standという語が「立ち位置」を指していることもすっと入ってきます。
例文で覚える「know where one stands」
know where one standsは、oneの部分を入れ替えながら使います。恋愛、職場、契約と異なる場面での言い方を、3つの例文で見てみます。
After three months of mixed signals, I just want to know where I stand with her.
(3か月も曖昧な態度が続いたから、彼女にとって自分がどういう立場なのか知りたいだけなんだ。)
気持ちがはっきりしない相手との関係に悩む場面です。with herを添えると、誰との関係での立場なのかが明確になります。
She deserves to know where she stands before the contract is signed.
(契約を結ぶ前に、彼女には自分の立場を知っておいてもらうべきです。)
契約前の説明のあり方について意見を述べる場面です。作中と同じくdeserve toで知る権利を表す形で、主語だけがsheに変わっています。
A: Did your boss say whether you’ll get the promotion?
B: Not yet. I wish I knew where I stood.
(A:上司は昇進するかどうか言ってくれた?)
(B:まだなんだ。自分がどういう立場なのか知りたいよ。)
昇進の見通しを同僚と話す会話です。I wish I knewとすると、まだ知らないことへのもどかしさが出ます。
あわせて覚えたい関連表現
know the score
(実情や状況をよく分かっている)
know the scoreは、事情や現実を把握していることを指します。know where one standsは、その中でも自分の立場や扱いに焦点が絞られます。
be on the same page
(認識が一致している)
be on the same pageは、複数の人の理解が合っている状態を指します。know where one standsは、一人が相手との関係の中での自分の位置を知っている状態です。
leave someone hanging
(相手を宙ぶらりんのまま待たせる)
leave someone hangingは、答えを出さずに相手を待たせる行為を表します。待たされた側はknow where one standsできない状態に置かれる、という関係にあります。
Note|withで関係、onで意見、know where one standsの2つの向き
作中のフィルはknow where he standsと言いましたが、where one standsには、続く前置詞によって指す内容が変わるという特徴があります。
相手との関係の中での立場を言うときは、with someoneが続きます。I want to know where I stand with her.なら、「彼女にとって自分がどういう位置づけなのか」を知りたいという意味です。一方、あるテーマについての意見や方針を問うときは、on a topicが続きます。Where do you stand on remote work?は、リモートワークについてどういう考えなのかを尋ねる文です。同じstandでも、withは人との関係、onは話題への態度、と向きが分かれます。会社が主語になる文でも同じで、The new policy makes it clear where the company stands on remote work.のように、onの後ろに話題が来ると方針を表します。
作中のフィルの文にはwithもonも付いていません。それでもhe deserves to know where he standsが、ディランの立場を指していると分かるのは、直前に二人の関係のいきさつが語られているからです。前置詞を足すなら、with Haleyが自然に入ります。
関係の話ならwith、意見の話ならon。前置詞が向きを決めるので、聞く場面でも答える場面でも、どちらの話なのかを前置詞で確かめられます。
まとめ|相手との関係での自分の位置を言う
know where one standsは、相手との関係や組織の中で、自分がどういう位置にいるのかを知っていることを表す表現です。
oneの部分をI、he、sheと入れ替えて、知りたい気持ちにも、知る権利の話にも使えます。with someoneを添えれば関係の中での立場に、on a topicを添えれば意見や方針に向きが変わるため、恋愛でも職場でも同じ形で通用します。
否定形のdon’t know where I standなら、自分の位置が見えない不安を伝える言い方にもなります。曖昧な待ち時間を整理する言い方として、会話のレパートリーに加えてみてください。


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