「have no idea what he’s talking about」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E18で学ぶ英会話

「have no idea what he's talking about」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かの意見を聞いて、「この人は何も分かっていない」と言い切りたくなることがあります。そんな辛口の評価を、英語で短く言い表す形があります。

その形「has no idea what he’s talking about」(見出しの形はhave no idea what he’s talking about)を、『モダンファミリー』シーズン10第18話の中盤、ビルの一言とフィルの反論のやり取りから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have no idea what he’s talking about」の意味とニュアンス

have no idea what he’s talking about
意味:彼が何を言っているのか全く分かっていない

have no idea what he’s talking aboutは、「その人の話は的外れだ」と切り捨てる口語表現です。no ideaは「考えが一つもない、見当もつかない」、what he’s talking aboutは「彼が話していること」なので、直訳すると「彼は、自分が話していることについて何の見当も持っていない」となります。

見出しの形はhave no ideaですが、劇中では主語が三人称単数のheなので、has no idea what he’s talking aboutの形で登場します。主語が変われば、have・hasとtalking aboutの前のhe’s(he is)の部分も変わります。They have no idea what they’re talking about.なら「彼らは自分たちが何を言っているのか分かっていない」、You have no idea what you’re talking about.なら「あなたは自分が何を言っているのか分かっていない」です。

もう一つ押さえておきたいのは、主語がIのときの意味です。I have no idea what you’re talking about.は、「あなたが何の話をしているのか、さっぱり分からない」と、話し手自身の「分からない」を伝える文になります。同じno idea what ~ is talking aboutでも、主語がIなら自分が分からない、heやyouなら相手が分かっていない、と向きが変わります。

日本語に訳すときは、「分かっていない」「見当違いだ」「何も分かってない」のように、相手の話を否定する調子が出る言葉を選びます。「知らない」とだけ訳すと、単に知識がないだけの意味になってしまい、切り捨てる調子が薄れます。

【ここがポイント!】

  • 相手の話が的外れだと言い切る、辛口の評価の言い方
  • 主語がheやyouなら「相手が分かっていない」、Iなら「自分が分からない」と向きが変わる
  • 主語に合わせて、have・hasとwhatのあとの形(he’s / you’re / they’re)も変わる

『モダンファミリー』S10E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

画面に映る年配の男性について、ビルとフィルが正反対の見方を口にする場面です。ビルがその年配の男性の言うことを切り捨てると、フィルがその呼び方をやめるよう求め、擁護の言葉を重ねます。二人のやり取りの向きに注目です。

— Well, don’t do that.
(それはやめて。)

Bill: See? The old dude has no idea what he’s talking about.
(ほら見ろ。あのじいさん、自分が何を言ってるのか全然分かってないじゃないか。)

Phil: Stop calling him the old dude. He’s my age! And he’s just trying to shape a young mind!
(あのじいさん呼ばわりはやめろ。彼は俺と同い年だぞ! それに彼は若い心を育てようとしてるだけなんだ!)

Modern Family Season10 Episode18 (Stand by Your Man)

シーン解説と心理考察

ビルの発言は、See?という切り出しから始まります。Seeは「ほらね」と相手の注意を引く言い方で、自分の見方が正しかったと言いたいときに使います。そのあとのThe old dude has no idea what he’s talking about.が、ビルの結論です。old dudeは「年配の男」を指すくだけた呼び方で、ここでは画面に映る年配の男性のことです。

has no idea what he’s talking aboutは、その年配の男性が「自分で何を話しているのか分かっていない」と断言する言い方です。ビルは、その男性の言うことを的外れだと判断しているため、「分かっていない」と切り捨てています。冒頭に置かれたWell, don’t do that.という短い一言は、やめるよう求めるもので、このやり取りの流れの中に差し込まれています。

フィルの返事は、Stop calling him the old dude.です。Stop + 動詞のing形は、「〜するのをやめろ」という意味で、ビルが使ったold dudeという呼び方を、そのまま止めさせようとしています。続くHe’s my age!は、「彼は俺と同い年だ」と言い返す一言です。

さらにAnd he’s just trying to shape a young mind!で、フィルはその年配の男性の行動を擁護します。shapeは「形づくる」、a young mindは「若い心」で、若い人の考え方を育てようとしている、という意味です。just tryingの「ただ〜しようとしているだけ」は、ビルが切り捨てた相手に、悪意はないと言い返す形になっています。同じ画面を見ていても、ビルは「分かっていない」と見て、フィルは「育てようとしている」と見ています。二人の見方が正反対になっている点が、この場面の核です。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

「話の中身(what he’s talking about)について、考え(idea)がゼロ(no)」という文を、頭の中で一語ずつ並べてみましょう。話している当人の頭の中に、見当が一つも入っていない様子が浮かびます。そこから、「何も分かっていない」という意味がすぐに結びつきます。

ビルの一言は、まさにこの絵のとおりの切り捨てでした。フィルの反論が続くことで、その切り捨てがどれほど強い言い方だったのかも、場面の中ではっきり見えてきます。

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例文で覚える「have no idea what he’s talking about」

主語を替えると、相手を批判する文にも、自分が分からないという文にもなります。友人の主張を疑う場面、仕事の会話、自分の側の「分からない」を、例文で比べてみましょう。

He has no idea what he’s talking about. He’s never even been there.
(彼は自分が何を言ってるのか全然分かってない。そこに行ったことすらないんだから。)
友人の主張を疑う場面です。あとにHe’s never even been there.と理由を続けると、「的外れだ」と言う根拠が伝わります。

A: The new manager says we should cut the budget in half.
B: He has no idea what he’s talking about. We need that money.
(A:新しい上司は、予算を半分に減らすべきだって言ってるよ。)
(B:彼は自分が何を言ってるのか分かってないね。その予算は必要なのに。)
同僚と上司の方針について話す往復会話です。Bは、劇中と同じhas no idea what he’s talking aboutの形で、相手の方針を的外れだと評しています。

I have no idea what you’re talking about.
(あなたが何の話をしているのか、さっぱり分からないよ。)
身に覚えのない話を振られた場面です。主語がIなので、相手が分かっていないのではなく、話し手自身が話についていけていない、という意味になります。

あわせて覚えたい関連表現

know nothing about
(〜について何も知らない)
know nothing aboutは、知識がないことを事実として述べる言い方です。has no idea what he’s talking aboutは、その人の話が的外れだという批判の調子が加わります。

not have a clue
(全く分からない)
not have a clueは、自分自身が分からないときにも使える軽い言い方です。has no idea what he’s talking aboutは、他人の話の的外れさを指摘する場面で使います。

don’t know what one is talking about
(何を言っているのか分かっていない)
don’t know what one is talking aboutは、意味が近い、やや素直な言い方です。no ideaを使うと、「見当もつかない」という強い否定になります。

Note|主語がIかheかで向きが変わる、no idea what ~ is talking aboutの訳し分け

have no idea what ~ is talking aboutは、主語を替えるだけで、「分からない」の主体が入れ替わります。ここでは、その向きの違いと訳し分けを整理します。

I have no idea what you’re talking about.の主語はIです。「分からない」のは話し手で、相手の話が理解できないという意味になります。これに対して、He has no idea what he’s talking about.やYou have no idea what you’re talking about.では、「分かっていない」のは主語の人物です。話し手は、その人の話が的外れだと判断する側に立っています。形はほとんど同じでも、批判の矛先が自分に向くのか、相手に向くのかが変わります。

日本語に訳すときは、この向きを間違えないことが大切です。主語がIなら「さっぱり分からない」「何の話か分からない」、主語がheやyouなら「何も分かっていない」「見当違いだ」のように、動作の主体がはっきり出る訳を選びます。「分からない」の一語で済ませると、誰が分かっていないのか、あいまいになります。

ビルの発言の主語はThe old dudeで、あとのhe’sも同じ人物を指しています。「分かっていない」のは画面の中の年配の男性であり、ビルは「分かっていない」と判断する側です。このように、主語を確認してから訳を決めるのが、この形を正しく読み取る手順です。

まとめ|主語を見れば、向きが分かる

have no idea what he’s talking aboutは、相手の話を的外れだと切り捨てる口語表現です。主語がheやyouなら相手が、Iなら自分が、「分からない」側になります。

know nothing aboutやnot have a clueが知識の有無や自分の分からなさを述べるのに対し、この形には相手の話への批判の調子が加わります。同じ「分からない」でも、事実を述べるのか、相手の話を否定するのかで、使う形を選び分けます。

ビルは年配の男性を「分かっていない」と切り捨て、フィルはその呼び方をやめるよう求めました。同じ形の文に出会ったら、まず主語を確かめ、「分からない」のが誰なのかを押さえることが、意味の向きを読み違えない近道です。

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