「walk all over someone」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E21で学ぶ英会話

「walk all over someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手の言い分を断りきれないまま、気がつけば自分ばかりが振り回されていた、という経験はありませんか。

そうした状況をひとことで言い表せる「walk all over someone」を、『モダンファミリー』シーズン10第21話の前半、ミッチェルがトランペットのレッスンの本当のところを打ち明ける最後の一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「walk all over someone」の意味とニュアンス

walk all over someone
意味:(人を)いいように扱う、踏みつけにする

walk all over someoneは、相手の気持ちや立場を気にかけずに、好き勝手に扱うことを表す口語表現です。文字どおりに読めば、walkが「歩く」、all overが「いたるところ」なので、「人の上をあちこち歩き回る」となります。踏まれる側が抵抗できずにされるがままになっている絵が、そのまま「いいように扱う」という意味につながっています。

形は、walk all over + 人が基本で、人の部分にはme、you、usのような代名詞や、my bossのような名詞が入ります。今回のミッチェルの一言ではwalkedと過去形になり、目的語はusです。受け身にしてbe walked all overの形にすれば、「踏みつけにされる、いいように扱われる」という意味になります。

使われる場面は、職場で上司に好き勝手にされた、交渉で相手の言いなりになった、優しい人が周りから遠慮なく扱われている、といった人間関係の話です。一方で、カーペットや芝生の上をそのまま歩く場面にも、文字どおりの意味で使えます。文字どおりの読みと比喩の読みの両方が成り立つ点が、この表現の大きな特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「walk all over someone」の核は、相手の上を遠慮なく歩き回るように、好き勝手に扱うイメージ
  • walk all over + 人の形で、過去形・進行形・受け身に変えて使える
  • 文字どおりの「踏む」と、比喩の「いいように扱う」のどちらの読みも成り立つ

『モダンファミリー』S10E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ミッチェルが、トランペットのレッスンについて「嘘じゃない」と前置きしたうえで、事の真相を一言ずつ明かしていく場面です。最後の一文に出てくるwalk all over someoneが、この打ち明け話のオチになっています。

Mitchell: Technically, uh, not a lie.
(厳密に言えば、えーと、嘘じゃないんだ。)

Mitchell: Uh, I started taking trumpet lessons two years ago.
(えーと、トランペットのレッスンを習い始めたのは2年前なんだ。)

Mitchell: But then I noticed the place next door was offering massages for the same price, so you know.
(でも、そのうち隣の店が同じ料金でマッサージをやってるのに気づいてさ、ほら、そういうことなんだ。)

Mitchell: And I felt bad relaxing while Cam was solo-parenting Lily.
(それに、キャムがリリーをひとりで見てる間に僕だけくつろぐのは、気が引けてね。)

Mitchell: But But we were both spending time with an Asian woman who walked all over us.
(でも、でも、僕たちはどっちも、アジア系の女性に好き放題されてたんだよ。)

Modern Family Season10 Episode21 (Commencement)

シーン解説と心理考察

「厳密に言えば、嘘じゃないんだ」という前置きから、ミッチェルの話は始まります。トランペットを習い始めたのは2年前で、これは事実です。ところがその後、隣の店が同じ料金でマッサージを出していることに気づいた、と話は別の方向へ進みます。文末のso you knowは、その先を細かく語らず、察してもらおうとする言いさしです。

続くAnd I felt bad relaxing while Cam was solo-parenting Lily.では、キャメロンがリリーをひとりで見ている間に、自分だけがくつろいでいたことへの後ろめたさが語られます。Camはミッチェルによるキャメロンの呼び方で、solo-parentingは「ひとりで子どもの世話をする」という意味です。事実を並べながらも、言い訳めいた調子が、言いよどみの多い話しぶりににじんでいます。

そして最後に、walked all over usで終わる一文が来ます。マッサージの話の流れで聞けば、体の上を文字どおり踏まれた、と読めます。同時に、二人とも好き勝手に扱われていた、という比喩の意味にも読めます。どちらの読みも成り立つ言い回しなので、後ろめたさをそのまま見せずに、言葉遊びで包んで終わらせる一言になっています。But Butと言いよどむ出だしを置いてから、オチの一文を言い切っています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

廊下に敷かれたカーペットの上を、靴を履いたまま端から端まで歩いていく様子を思い描いてみましょう。踏まれるカーペットは何も言えず、歩く側は足元のことを気にかけません。walk(歩く)、all over(そこら中)という語の並びは、この「一方的に上を歩かれる」絵そのものです。

ミッチェルの一言も、このカーペットの絵に重ねられます。体の上を歩かれるというマッサージの文字どおりの意味と、思いのままに扱われるという比喩の意味が、同じ一文の中に重なっていました。人に使うときは、踏まれる側がされるがままになっている姿を思い出せば、「いいように扱う」という訳がすぐに浮かびます。

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例文で覚える「walk all over someone」

人をいいように扱う場面で使うwalk all over someoneを、3つの例文で確認していきましょう。

My old boss walked all over me, so I finally quit.
(前の上司にいいように扱われてきたので、とうとう辞めた。)
職場での不満を語る場面です。walkedと過去形にして、すでに終わった扱われ方を振り返っています。so以下で、そのあとにとった行動まで続けています。

Don’t let them walk all over you in the negotiation.
(交渉で相手にいいように押し切られちゃだめだよ。)
交渉の前にかける助言です。let them walkのように、letのあとに原形を続けると、「好き勝手にさせておく」という意味になります。

A: Why did you finally say no?
B: I’m tired of people walking all over me.
(A:どうしてとうとう断ったの?)
(B:みんなにいいように扱われるのに、もううんざりなんだ。)
我慢の限界を打ち明ける往復会話です。be tired of + 動名詞の形に、people walking all over meを組み込んでいます。

あわせて覚えたい関連表現

push someone around
(人をこき使う、威張って命令する)
walk all overが相手の気持ちを無視して好き放題にするのに対し、push aroundは力や立場を使って指図する点に重点があります。

take advantage of someone
(人の好意や弱みにつけ込む)
take advantage ofは「利用してつけ込む」ことに重点があり、walk all overは扱いの粗さに重点があります。

treat someone like a doormat
(人をドアマットのように扱う)
doormatは、踏まれても何も言わない人にたとえる語です。walk all overと近い発想ですが、踏まれる側の様子を指すことが多い表現です。

Note|「踏む」と「いいように扱う」、walk all overの二つの読み

walk all overの中心にあるのは、人や物の「上」を歩くという動作です。walkが「歩く」、all overが「いたるところ」を表すので、文字どおりには「上をあちこち歩き回る」になります。カーペットや芝生のような物にも、人にも、文字どおりの意味でそのまま使えます。

人を目的語にした比喩として使うと、意味は「相手の気持ちを考えずに好き勝手に扱う」へ移ります。踏まれる側がされるがままという絵が残るため、日本語では「いいように扱う」「言いなりにさせる」「踏みつけにする」の中から、場面に合う言葉を選んで訳します。今回のミッチェルの一言は、直前がマッサージの話なので、文字どおりの読みと比喩の読みの両方が頭に浮かびます。どちらかに絞らず、二つの読みが重なる言い回しとして受け取るのが、この場面の自然な読み方です。

訳すときは、文字どおりの読みを残したいか、比喩の読みを前に出したいかで、日本語を使い分けます。比喩を強く出すなら「好き放題にされていた」、体の上を歩かれる感覚を残すなら「踏まれていた」が合います。どちらの訳にするかを決めたうえで、同じ形のwalk all over + 人を、前後の話題に合わせて読み分けると、場面に合った日本語になります。

まとめ|人の上を歩く動作から、好き放題に扱う意味へ

walk all over someoneは、相手の気持ちを顧みずに好き勝手に扱うことを表す表現です。文字どおりには「人の上を歩き回る」という動作で、その絵が「いいように扱う」という意味を支えています。

walk all over + 人の形を軸に、過去形のwalked、進行形のwalking、受け身のbe walked all overへと変えて使えます。職場の不満でも、交渉の助言でも、我慢の限界を打ち明ける場面でも、同じ形のまま主語と目的語を入れ替えるだけで言い表せます。

ミッチェルは、マッサージ通いの打ち明け話を一文ずつ積み上げ、最後にwalked all over usの一言で締めくくりました。

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