海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誇らしい出来事があった日に、人に話したい気持ちと、控えておきたい気持ちの間で迷ったことは、誰にでも一度はあるはずです。
そんな場面で役立つ「brag about」を、『モダンファミリー』シーズン10第21話の前半、クレアが自慢話をしたがるフィルを止めるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「brag about」の意味とニュアンス
brag about
意味:〜を自慢する
brag aboutは、自分や身内の成功、持ち物、成績などを、得意げに話すことを表す動詞表現です。bragが「自慢する」、aboutが「〜について」を示し、aboutの後ろに自慢の中身が置かれます。「自慢して周りによく見せたい」という少し否定的な響きが乗りやすく、聞かされる側が引いてしまうような話し方を指すことが多い言い方です。
形は、brag about + 名詞、またはbrag about + 動名詞が基本です。今回のクレアの一言ではby bragging aboutと、byのあとで動名詞の形になり、about our kids(子どもたちについて)が続きます。内容を文で述べたいときは、brag that + 節の形も使えます。
使われる場面は、成績や昇進、収入を得意げに話す人を描くとき、「自慢するつもりはないけれど」と前置きするとき、家族の成功を口にするかどうか迷うとき、などです。何を自慢するのかをaboutの後ろに置けば、同じ形のまま、いろいろな話題に使い回せます。主語を変えれば、自分のことにも、他人の話にも使えます。
【ここがポイント!】
- 「brag about」は、得意げに言葉で自慢して、自分をよく見せようとする響きがある
- brag about + 名詞・動名詞、またはbrag that + 節の形で、自慢の中身を続ける
- 否定的な響きが乗りやすいので、自分たちの方針として「しない」と言う場面にも向く
『モダンファミリー』S10E21のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
クレアが「スキップ・ウーズナム」の名前を挙げてフィルに声をかけ、フィルがその相手に娘の話をしたがる場面です。控えたいクレアと、誇りたいフィルのやり取りに耳を傾けてみてください。
Claire: It’s Skip Woosnam. Have you seen him since he fired you?
(スキップ・ウーズナムよ。彼にクビにされてから、会った?)Phil: Once, at a listing. I tried to pretend I was a 3D cutout of myself to avoid talking to him. But you know what? Today I want to talk to him. I think I’ll let ol’ Skip know I have a daughter graduating from Caltech.
(一度だけ、売り出し中の物件でね。自分の3Dの等身大パネルのふりをして、話さずに済ませようとしたよ。でもさ、今日は話したいんだ。スキップのやつに、うちの娘がカルテックを卒業するって教えてやろうかな。)Claire: No, honey, we are not the kind of parents who make ourselves look good by bragging about our kids.
(だめよ、あなた。私たちは、子どもを自慢して自分たちをよく見せるような親じゃないでしょ。)Phil: Then why did we even have them, Claire? Are we really not gonna crow about it when one of our kids finally does something we can be proud of?
(じゃあ、そもそも何のために子どもを持ったんだ、クレア? うちの子がついに誇れることをやってのけたのに、本当に自慢しないつもりか?)Modern Family Season10 Episode21 (Commencement)
シーン解説と心理考察
クレアは、相手の名前を告げたあとで、「彼にクビにされてから、会った?」とフィルに尋ねます。フィルは一度だけ会ったと答え、自分の等身大パネルのふりをして話を避けた、と振り返ります。そのうえで「でもさ」と話を切り替え、今日は話したいと言い出します。
フィルの狙いは、娘がカルテックを卒業することをスキップに知らせることです。これに対してクレアは、No, honeyと短く制止してから、自分たちは子どもを自慢して自分をよく見せる親ではない、と言い切ります。brag aboutを使った一文は、フィルの提案を断るだけでなく、夫婦としての方針を示す言い方にもなっています。
フィルは納得せず、Then why did we even have them, Claire?と問い返します。子どもを持った意味そのものを持ち出すのは強い言い方で、誇れることがあったのに黙っているのはおかしい、という熱のこもった反論です。crow about itという言い回しも、フィルが自慢をためらわない側に立っていることを伝えています。控えたいクレアと、誇りたいフィルの温度差が、短いやり取りの中にはっきり出ています。ここでのourは、夫婦二人をまとめて指す語で、方針を「私たち」の問題として述べる言い方になっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
brag(自慢する)という動詞は、大きな声で得意げに話す姿とつなげて覚えると頭に残ります。静かに喜ぶのではなく、周りに聞こえるように声を張って話す様子が、braggingという形の底にあります。aboutを添えれば、その声が何の話題に向いているのかを示せます。
クレアの一言は、声を張った自慢を自分たちはしない、という宣言でした。フィルが「教えてやろうかな」と考えた娘の話を、クレアは「自慢して自分をよく見せる」行為に数えたわけです。声を張って話題を持ち上げる姿をまず思い浮かべ、その横にaboutで話題を置きます。この二つを組み合わせて頭に描けば、使う場面もつかみやすくなります。自慢する人の姿を思い浮かべられると、聞く側が少し引いてしまう響きも、あわせて思い出せます。
例文で覚える「brag about」
何かを自慢する場面で使うbrag aboutを、3つの例文で確認していきましょう。
He’s always bragging about his new car.
(彼はいつも新しい車を自慢してばかりだ。)
自慢好きな人を話題にする場面です。alwaysと進行形を組み合わせると、何度も繰り返される癖への、少し呆れた気持ちが出ます。
She never brags about her grades, but her parents are very proud.
(彼女は成績を自慢しないけれど、両親はとても誇りに思っている。)
控えめな人を描く場面です。neverをつけると、「自慢しない」という人柄を言い切る形になります。
A: Did you tell them about your promotion?
B: No, I don’t want to brag about it.
(A:昇進のこと、みんなに話した?)
(B:ううん、自慢したくないから。)
成功を話すのをためらう往復会話です。I don’t want to brag aboutの形で、「自慢に聞こえるのは避けたい」という気持ちを前置きにできます。
あわせて覚えたい関連表現
boast about
(〜を自慢する、〜を鼻にかける)
brag aboutとほぼ同じ意味で、どちらも得意げに話す響きを持ちます。about の後ろに自慢の中身を置く形も共通です。
show off
(見せびらかす、ひけらかす)
show offは持ち物や能力を「見せて」誇示する点に重点があり、brag aboutは「言葉で」自慢する点に重点があります。
crow about
(〜を得意になって言いふらす)
crowは、もともと雄鶏が鳴くという意味の動詞です。大声で得意げに知らせるイメージがあり、フィルが同じ場面で使っています。
Note|同じ「自慢」でも違う、brag・boast・show off・crowの重点
「自慢する」という日本語は、英語ではいくつかの動詞に分かれます。brag、boast、show off、crowは、どれも得意になって示す点で近いものの、重点が少しずつ違います。
bragとboastは、言葉で自慢する点が共通で、about の後ろに自慢の中身を置く形も同じです。show offは、持ち物や能力を相手の目に見せて誇示する動詞で、言葉に限りません。crowは、雄鶏が高らかに鳴くという文字どおりの意味から、大声で得意げに知らせる様子を表します。
今回の場面では、クレアがbrag aboutを使い、フィルがcrow about itを使っています。クレアは「自慢して自分をよく見せる」行為を指して、この語を選んでいます。フィルは、誇れることがあったのなら声に出していいはずだ、という立場でcrowを選びました。同じ場面の中で語が使い分けられていると、二人の立場の違いまで見えてきます。
日本語にするときは、brag aboutなら「自慢する」「鼻にかける」、crowなら「言いふらす」「得意になって触れ回る」が合います。見せる動作が中心ならshow offの「見せびらかす」を選ぶ、と覚えておけば、場面に合った訳が選べます。
まとめ|自慢するか、控えるか
brag aboutは、自分や身内の成功を得意げに話すことを表す表現です。aboutの後ろに自慢の中身を置くので、成績でも昇進でも子どもの話でも、同じ形で使えます。
否定的な響きが乗りやすい分、「自慢するつもりはないけれど」と前置きするI don’t want to bragの形や、自分たちの方針として「しない」と言う使い方にも向いています。boastやshow off、crowと並べると、言葉で自慢するのか、見せて自慢するのか、声を張って知らせるのかという違いも選べます。
自慢するか控えるか迷ったときは、aboutの後ろに何を置くかを先に決めてから、brag about、boast about、crow aboutの中で動詞を選ぶと、言葉が選びやすくなります。


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