海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第11話では、婚約中のミッチェルとキャメロンが、式を挙げる会場を一緒に下見して回ります。気に入った会場を見つけたものの、申し込むまでの間に別の予約が入り、二人は希望の日を逃してしまいます。
決めかねる側と、早く決めたい側。式場を逃したあとの二人の言い合いには、遠回しな皮肉と、それに気づいて言い返す英語が詰まっています。
「absolutely certain」:決める前のためらいを言葉にする
式場の下見の途中、二人はこんな相談をします。
Cameron: You’re not having last-minute jitters, are you?
(土壇場で怖じ気づいてるわけじゃないよね?)Mitchell: No, no, but it’s a really large deposit, and I want to make sure that we’re absolutely certain about this place.
(違う違う。でも手付金がすごく高いから、この場所で本当に間違いないか確かめたいんだ。)Cameron: Well, I’m certain, and we’ve looked at every possible venue.
(僕は確信してるよ。考えられる会場は全部見てきたじゃないか。)Cameron: And Pepper was by far the least snarky about this one.
(それに、ペッパーがいちばん嫌みを言わなかったのがここだ。)Mitchell: That’s true.
(それはそうだね。)Mitchell: He doesn’t throw the word “adequate” around lightly.
(彼は「まあまあ」なんて言葉を軽々しく使わないから。)Mitchell: Okay, okay, it’s this place.
(わかった、わかった。ここにしよう。)Cameron: Okay.
(よし。)Modern Family Season5 Episode11 (And One to Grow On)
last-minute jitters は「直前になっての緊張」「土壇場での尻込み」を表し、大きな決断や本番の前に使われることが多い表現です。You’re not ~, are you? の付加疑問で「まさか〜じゃないよね」と探りを入れています。
ミッチェルの make sure that we’re absolutely certain about ~ は「〜で本当に間違いないか確かめる」という意味で、慎重な姿勢を説明するときに向いています。迷っている理由として a really large deposit(高額な手付金)を挙げているのもポイントで、ためらいを言葉にするときは、理由を添えると角が立ちにくくなります。
対するキャメロンの I’m certain は「僕は確信している」と、自分の立場を短く言い切る形です。最後にミッチェルが口にする it’s this place は「ここに決めた」という決定のひと言で、Let’s go with this one. なども似た場面で使えます。ただ、このあと別の予約が入ったことが分かり、二人は希望の日にこの式場を押さえられなくなります。
「true to form」:遅さを遠回しに皮肉る
式場が戻ってこないと分かったあと、ミッチェルの一言をきっかけに、キャメロンの皮肉が始まります。
Mitchell: This is so frustrating!
(ほんとにイライラする!)Cameron: Really? Are you sure that’s how you feel, or do you need a little more time to think about it?
(本当に? それが本心だって言い切れる? それとも、考える時間がもう少し必要?)Mitchell: Sounds like you’re trying to make a point there.
(何か言いたいことがあるみたいだね。)Cameron: Wow, I’m surprised you picked up on that so quick.
(へえ、そんなに早く気づくなんて驚きだよ。)Mitchell: Yeah, you’re definitely dancing around something.
(うん、明らかに何か遠回しに言ってるよね。)Mitchell: I feel like it’s speed-related.
(スピードに関係することって気がする。)Cameron: Yeah, we lost the Carriage House because you, true to form, couldn’t make a timely decision.
(ああ、Carriage House を逃したのは、君がいつもどおり、さっさと決められなかったせいだ。)Modern Family Season5 Episode11 (And One to Grow On)
Are you sure that’s how you feel, or do you need a little more time to think about it? は、形だけ見れば相手を気づかう質問ですが、ここでは決めるのが遅いミッチェルへの当てこすりです。Sounds like you’re trying to make a point there. は「何か言いたいことがあるようだね」と、皮肉に気づいたことを伝える返しです。
pick up on ~ は「〜に気づく」、dance around ~ は「〜を遠回しに言う」「核心を避ける」という意味です。キャメロンの I’m surprised you picked up on that so quick も、「すぐ気づくなんて」と速さを持ち出す皮肉になっており、ミッチェルの speed-related と呼応しています。
最後に出る true to form は「いつもどおり」「相変わらず」という意味で、相手の性格や癖を責める場面では非難の響きを帯びます。couldn’t make a timely decision は「適切なタイミングで決められなかった」という言い方で、責める内容をはっきり言葉にした一文です。
「hem and haw」と「I needed the weekend!」:言い返す側の英語
true to form と言われたミッチェルは、すぐに言い返します。
Mitchell: We were out of the room for two second– What is this “True to form” business?
(部屋を出てたのはほんの一瞬だったじゃないか——その「いつもどおり」っていうのは何なんだ?)Mitchell: Oh, my God, are you kidding me?
(ちょっと、冗談だろ?)Cameron: You hemmed and hawed over our dream house, and now somebody else is eating breakfast in our nook!
(夢の家のときだって君はぐずぐず迷って、今じゃほかの誰かがあの家の朝食コーナーで朝ごはんを食べてるんだぞ!)Mitchell: I needed the weekend! I never saw myself in a ranch!
(週末が必要だったんだ! ランチハウスに住む自分が想像できなかったんだよ!)Modern Family Season5 Episode11 (And One to Grow On)
What is this “~” business? は、相手が使った言葉をそのまま取り上げて「その〜っていうのは何だ?」と問いただす言い方です。business はここでは「仕事」ではなく「件」「話」くらいの意味で、相手の言い分に納得していないことが伝わります。
キャメロンの hem and haw は「口ごもってぐずぐず迷う」「なかなか決めない」を表す決まった言い方で、hem and haw over ~ の形で迷っている対象を続けます。以前の家探しを例に出し、今回だけの話ではないと示しているのが、true to form を裏づける流れになっています。
これに対するミッチェルの I needed the weekend! は「週末(の時間)が必要だった」と、迷ったのではなく考える時間が要ったのだと言い返す一言です。責められたときに、遅れた理由を短く言い切る形として使えます。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| make sure that we’re absolutely certain | 決める前に慎重さを説明する |
| need a little more time to think about it? | 遅さを皮肉る |
| make a point / dance around something | 当てこすりに気づいて指摘する |
| true to form / hem and haw | 相変わらずの迷いを責める |
| What is this “~” business? / I needed the weekend! | 言われた言葉を問いただし、言い返す |
まとめ|皮肉に気づき、言い返す英語
last-minute jitters のためらい、true to form や need a little more time to think about it? の皮肉、dance around や What is this “~” business? で返す流れを見てきました。責める側と返す側の両方を知ると、言い合いの英語が聞き取りやすくなります。
『モダンファミリー』の二人の掛け合いには、同じ質問が皮肉に変わる瞬間が詰まっています。
同じ回のフィルとクレアのうそや、ジョーの1歳の誕生日をめぐる英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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