「an actual I’ll think about it」に見る、「考えておく」が社交辞令か本気かを確かめる英語|『ビッグバン★セオリー』S09E07で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「an actual I'll think about it」に見る、「考えておく」が社交辞令か本気かを確かめる英語|『ビッグバン★セオリー』S09E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第7話に登場する、「考えておく」が社交辞令か本気かを確かめる英語です。子どもを持つかどうかという大きな話題を前に、ハワードとバーナデットが本音をすり合わせていきます。

日本語の「考えておきます」と同じで、英語のI’ll think about it.も、その場しのぎにも前向きな保留にもなります。ドラマはこの二面性を、actualという一語で切り分けてみせます。

目次

「fib」と「throw someone under the bus」:軽い嘘と責任転嫁

キッチンで、バーナデットが自分から話を切り出します。父に対してついた嘘の種明かしです。

Bernadette: So I should probably explain why I kind of fibbed.
(それじゃ、私がどうしてちょっと嘘をついたのか、説明したほうがよさそうね。)

Howard: That would be nice.
(そうしてくれると助かるよ。)

Bernadette: I told my dad that you were the one who didn’t want kids because I didn’t want to disappoint him.
(父さんをがっかりさせたくなくて、子どもを欲しがってないのはあなたのほうだって言ったの。)

Howard: But you were okay throwing me under the bus?
(でも、俺に責任をかぶせるのは平気だったわけ?)

Bernadette: Turns out yeah, I didn’t think twice about it.
(結局そうなのよね、ためらいもしなかったわ。)

TBBT Season9 Episode07

fib は「たわいない嘘・軽い嘘」を指す名詞・動詞で、lieより罪の軽い響きを持つくだけた語です。kind of fibbed(ちょっと嘘をついた)とさらに和らげているところに、話の切り出しにくさがにじみます。

受けたハワードの throw someone under the bus は「自分を守るために〜に責任を押しつける」という口語の言い回しです。同じ出来事の呼び方が、fibからこの表現へ一気に重くなる対比が効いています。

バーナデットの I didn’t think twice about it. は「ためらいもしなかった」。think twice(二度考える=ためらう)を否定して、迷いのなさをあっさり認める返しになっています。

「an actual I’ll think about it」:返事の本気度を確かめる

続くやり取りで、ハワードは自分の側の課題を認めるところから話を立て直します。

Howard: All right, I admit that I don’t help out a lot. And I need to work on that. But if we had a kid, it would be different.
(わかった、俺が家のことをあまり手伝ってないのは認めるよ。そこは直さないと。でも、もし子どもがいたら、違ってくると思うんだ。)

TBBT Season9 Episode07

I admit that ~ で非を認め、I need to work on that. で改善を約束する。反論よりも先にまず認める、という順番が話し合いを前に進めています。

このやり取りのあと、バーナデットが短い返事を返します。ここからが今回のタイトルの場面です。

Bernadette: Okay, I’ll think about it.
(わかった、考えておくわ。)

Howard: And this an actual I’ll think about it, not like the can we get a motorcycle with a sidecar I’ll think about it”?
(で、それは本物の「考えておく」なんだよな? 「サイドカー付きのバイクを買わない?」のときの「考えておく」じゃなくて。)

Bernadette: It’s an actual I’ll think about it.
(本物の「考えておく」よ。)

TBBT Season9 Episode07

I’ll think about it. は、即答を避けて判断を保留する定番の返事です。前向きな保留にも、角を立てずに流すための社交辞令にもなるため、言われた側には温度が分かりません。

そこでハワードが使うのが an actual ~ です。actualは「実際の・本物の」という形容詞で、ここではI’ll think about itという返事そのものを名詞のように扱い、言葉どおりの「考えておく」なのかを確かめています。過去の頼み事のときの返事をthe ~ I’ll think about itと特定して並べる言い方も、冠詞の働きが見える面白い箇所です。

このあとハワードは自分ならよい父親になれると信じていると語り、バーナデットもそれに同意して、場面は静かに締まります。

まとめ|「考えておく」を言葉どおりに

今回は、fibとthrow someone under the busの重さの対比から、I’ll think about it.の本気度をan actualで確かめるやり取りまでを見てきました。あいまいな返事の温度を確かめる言い方は、日々の会話でもそのまま役立ちます。

キッチンでの静かなやり取りを観返すと、二人の「考えておく」の重みがまた違って聞こえてきます。

同じエピソードの別のやり取りは、他のコラムやエピソードまとめの記事からたどれます。

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