海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 エピソード24から、敬称と名前で距離を測る英語です。この回では、シェルドンの母メアリーを車で迎える場面と、アパートに顔ぶれがそろう場面で、挨拶と紹介のやりとりが続きます。
ミセス・クーパーと呼ぶか、メアリーと呼ぶか。呼び方の選択ひとつに、相手との距離の取り方が表れます。初対面の挨拶の定番表現とあわせて、順番に見ていきましょう。
「please call me Mary」名前で呼んでという合図
エイミーの車の場面は、迎えに来てもらったメアリーが礼を述べるところから始まります。シェルドンが返事をするものの、メアリーが話しかけた相手はエイミーのほうでした。
Mary: I was speaking to your young lady.
(話しかけたのは、あなたの彼女さんのほうだよ。)Amy: My pleasure, Mrs. Cooper.
(こちらこそ、ミセス・クーパー。)Mary: Oh, please call me Mary.
(あら、メアリーと呼んでちょうだい。)Amy: Okay, Mary.
(分かったわ、メアリー。)Sheldon: You know, that doesn’t work for me, let’s stay with Mrs. Cooper.
(ねえ、それは僕には合わないな。ミセス・クーパーのままでいこう。)Mary: Sheldon, don’t be silly.
(シェルドン、ばかを言うんじゃないの。)Sheldon: Wu-wu, what? That’s what I called you till I got to know you better.
(え、ええ? よく知り合うまでは、僕もそう呼んでたじゃないか。)TBBT Season9 Episode24
please call me + 名前 は、下の名前で呼んでほしいと申し出る定番の言い方です。敬称つきで呼ばれた側が「そんなにかしこまらなくていい」と距離を縮める合図として使われます。
それを受けたシェルドンの let’s stay with ~ は「〜のままでいこう」という言い回しです。stay with には決めたものを変えずに続けるという働きがあり、ここでは呼び方の変更をやんわり断っています。
さらに till I got to know you better(よく知り合うまでは)という一言からは、呼び方が関係の段階に対応していることが読み取れます。敬称から下の名前への移行がいつでも当然というわけではないものの、この場面では「近づいてもいい」という招き入れの合図として働いているのが分かります。
「How do you do?」初対面の挨拶の格
舞台はアパートへ移ります。ペニーがレナードの父アルフレッドを出迎え、レナードが一人ずつ引き合わせていく場面です。
紹介の口火を切るのは you remember ~(〜のことは覚えてるよね)という再会の型で、面識のある二人をつなぎ直します。ここでシェルドンとアルフレッドが、互いを Dr. + 姓 で呼び合って挨拶を交わすのも印象的です。
Leonard: This is Sheldon’s mother, Mary.
(こちらはシェルドンのお母さんの、メアリーさん。)Alfred: How do you do?
(はじめまして。)Mary: Nice to meet you.
(お会いできてうれしいわ。)Leonard: And his girlfriend, Amy.
(それから、シェルドンの恋人のエイミーだよ。)Alfred: A pleasure.
(光栄です。)Amy: Hi.
(どうも。)TBBT Season9 Episode24
This is ~ は第三者を紹介する基本の型です。続けてもう一人を紹介するときは、And his girlfriend, ~ のように文を繰り返さず省略できます。
挨拶の側にも段階があります。How do you do? はかなり改まった初対面の挨拶とされ、今の日常会話で耳にする機会は多くないとも言われます。Nice to meet you. は場面を選ばない標準形、A pleasure. は It’s a pleasure. を短くした形です。
最後のエイミーの Hi. まで並べてみると、同じ「はじめまして」の一言が、一段ずつ砕けた響きへ変わっていきます。誰がどの挨拶を選ぶかを聞き分けるだけでも、この場面の空気がつかめます。
まとめ|呼び方が映す距離感
今回は、please call me + 名前という申し出から、let’s stay with ~ での断り方、This is ~ の紹介の型、そして How do you do? から Hi. までの挨拶の段階を見てきました。誰を何と呼ぶかは決まりごとではなく、相手との距離の表明でもあります。
次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に、場面の英語を学んでいきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


コメント