海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第20話から、「Are you getting sick?」と体調を心配されたときの返し方を取り上げます。ペニーとエイミーにそれぞれ具合を気づかわれたシェルドンが、どちらの場面でも大丈夫だと言い張るやり取りがあります。
強がる側と、休ませたい側。両方の英語を並べてみると、体調をめぐる会話にはいくつかの返し方の型があることが見えてきます。
「I’m too busy to be sick」は強がりの返事
最初の舞台は、アパートのランドリールームです。ペニーが、レナードから忙しい一日だったと聞いたと話しかけ、シェルドンは今も忙しさが続いていると答えます。そこでペニーが体調を尋ねます。
Penny: Are you getting sick?
(具合が悪くなってきてるんじゃない?)Sheldon: Of course not. I’m too busy to be sick.
(もちろん違う。病気になっている暇などない。)Penny: Well, you’re pretty delicate. Maybe you shouldn’t be pushing yourself so hard.
(だって、けっこう体が弱いでしょ。そんなに無理しないほうがいいかもよ。)Sheldon: I’m fine.
(大丈夫だ。)TBBT Season10 Episode20
Are you getting sick? の get は「〜になりつつある」という変化を表し、「具合が悪くなりかけていない?」と兆しを尋ねる聞き方です。すでに具合が悪そうな相手には、Are you sick? や Are you feeling okay? と尋ねるのが自然です。
シェルドンの I’m too busy to be sick は、too ~ to … の形で「病気になっていられないほど忙しい」と言う返事です。体調そのものには答えず、忙しさを理由に話を打ち切る強がりの一言と言えます。too busy to ~ は I’m too busy to talk right now.(今は忙しくて話せない)のように、日常の場面でも使えます。
これを受けたペニーの Maybe you shouldn’t be pushing yourself so hard は、push oneself(自分を追い込む)を使った「そんなに無理しないほうがいいかも」という勧め方です。前半の you’re pretty delicate は「けっこう体が弱い」という軽いからかいで、続く勧めの前置きにあたります。Maybe を頭に置くことで、命令ではなく提案として伝わります。
それでもシェルドンは I’m fine の一言で返しています。短い I’m fine は、言い方によっては「それ以上は聞かないで」という響きにもなる返事です。
「What I need is ~」で言い返す
別の場面で、今度はシェルドンとエイミーの部屋が舞台です。エイミーは言い方をぐっと強めます。
Amy: Sheldon, you’re sick, go back to bed.
(シェルドン、あなたは病気よ。ベッドに戻って。)Sheldon: I am fine. Here, eat your toast.
(僕は大丈夫だ。ほら、トーストを食べたまえ。)TBBT Season10 Episode20
エイミーの you’re sick, go back to bed は、まず「病気だ」と言い切り、命令形で休ませる一言です。back が入ることで、起きてきた相手を寝床へ戻す表現になります。シェルドンは I am fine と I’m を縮めずに返しており、am をはっきり言うことで「大丈夫だってば」と否定を強める響きが出ます。会話では I’m と縮めるのが普通なので、縮めない形はそれだけで目立ちます。
このあとも二人のやり取りは続きます。
Amy: You need sleep.
(あなたには睡眠が必要よ。)Sheldon: What I need is to get to work.
(僕に必要なのは仕事に行くことだ。)Amy: Well, I don’t want your germs around me.
(でも、私のそばにばい菌を持ち込んでほしくないの。)TBBT Season10 Episode20
What I need is ~ は、相手の You need ~ を受けて「必要なのは〜のほうだ」と言い返す形です。What で始まる節を主語にすると、後ろに来る内容が強調されます。エイミーの最後の一言は、うつされたくないという自分の側の理由を添えたものです。
| 返し方 | 働き | 例 |
|---|---|---|
| 否定する | 心配を打ち消す | I’m fine. / I am fine. |
| 理由をつけて強がる | 話を打ち切る | I’m too busy to be sick. |
| 言い返す | 相手の提案をはね返す | What I need is to get to work. |
| 素直に認める | 体調を正直に伝える | I think I’m coming down with something. |
最後の行は台本外の一般的な例で、come down with something は「何かにかかりかけている」を表します。
まとめ|強がりの返事と、休ませる一言
今回は、兆しを尋ねるAre you getting sick?、強がるI’m too busy to be sickとI am fine、言い返すWhat I need is ~、休ませる側のshouldn’t be pushing yourselfやgo back to bedを見てきました。返し方を知ると、会話の温度差まで読み取れます。
心配する側とされる側の言葉のずれは、『ビッグバン★セオリー』らしい見どころの一つです。
体調以外の話題も、この回のほかのコラムやフレーズ記事で取り上げています。


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