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『モダンファミリー』シーズン6第19話では、アレックスが大学の合格を家族に伝えます。もっと盛大に祝いたい母と、「大したことじゃない」と繰り返す娘の間には、ちょっとした温度差が生まれます。
この温度差を言い表すのが、big deal と big fuss です。どちらも「大騒ぎ」に関わる言い方ですが、指している中身は少し違います。合格の知らせをめぐる2つの場面を順に追いながら、それぞれの使い分けを見ていきます。
「make a big deal」と「make a big fuss」
アレックスは家族に、合格をこう伝えます。
Alex: I just got accepted into Caltech.
(カルテックに合格したの。)Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)
この後、クレアはフィルに向かって、自分の反応を振り返ります。
Claire: I do this all the time.
(私っていつもこうなのよ。)Claire: She does these amazing things, and I’m so used to it I don’t even make a big deal over Caltech.
(あの子がすごいことばかりするから、すっかり慣れちゃって、カルテックのことさえ大ごとにしてあげなかった。)Phil: I got excited.
(俺は盛り上がったよ。)Phil: Doesn’t that count?
(それじゃだめなのか?)Claire: Oh, honey, you get excited over everything.
(もう、あなたは何にでも盛り上がるじゃない。)Claire: You’re a born cheerleader.
(生まれつきのチアリーダーなんだから。)Claire: I I just need to make a really big fuss over Alex today.
(私、今日はとにかくアレックスのことをうんと盛大に祝ってあげたいの。)Claire: That’s all.
(それだけ。)Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)
make a big deal over ~ は「〜を大ごととして扱う」という意味です。big deal は「重大なこと」という評価を表す名詞で、クレアは合格を重大な出来事として受け止めてあげなかった、と自分を責めています。
一方の make a big fuss over ~ は「〜のことで大騒ぎする」「〜をちやほやする」という意味です。fuss は騒ぎ立てたり、あれこれ世話を焼いたりする振る舞いを指す語で、評価よりも行動に重心があります。文脈によっては「文句を言って騒ぐ」という否定的な響きになることもあります。
つまり big deal は「どれだけ重要だと見るか」、big fuss は「どれだけにぎやかに祝うか」を言う表現だと整理できます。クレアが前半で big deal、後半で big fuss と言い分けているのは、反省から行動へと話が移っていく流れと読み取れます。
フィルの get excited over ~ も「〜で盛り上がる」という身近な表現です。クレアはそれを everything と組み合わせ、「何にでも」と軽く切り返しています。
フィルが続ける Doesn’t that count? は「それは数に入らないの?」と、自分の反応も認めてほしいときの問い返しです。count はここで「数に入る、有効である」という意味の動詞として働いています。クレアが最後に添える That’s all. は「それだけのこと」と、話を短く締めくくる一言です。
自分の会話に置き換えるなら、Please don’t make a big deal over my promotion.(私の昇進を大ごとにしないでね。)は扱いの重さを、Everyone made a big fuss over the new baby.(みんな生まれたばかりの赤ちゃんをちやほやした。)は周りがにぎやかに構う様子を表す、という具合に分けて使えます。
「It’s not that big of a deal.」と「It’s a huge deal!」
家族が集まった場で、クレアはミッチェルにこう話しかけます。
Claire: There she is our little genius.
(来たわ、うちの小さな天才よ。)Claire: She just got accepted to Caltech.
(カルテックに合格したの。)Mitchell: Oh, that’s amazing.
(へえ、すごいじゃないか。)Alex: It’s not that big of a deal.
(そんなに大したことじゃないよ。)Claire: It’s a huge deal!
(大したことよ!)Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)
クレアの There she is は「ほら、来た」と、話題の人物が姿を見せたことを知らせる決まった形です。our little genius と添えることで、紹介と自慢を一度に済ませています。ミッチェルの Oh, that’s amazing. は、知らせを聞いたときの素直な驚きを表す短い返事です。
アレックスの It’s not that big of a deal. は「そんなに大ごとではない」と受け流す返しです。big of a deal は口語でよく聞かれる形で、改まった文では not that big a deal と書かれることもあります。クレアは deal の前の語を huge に替えて、相手の言葉をそのまま打ち消しています。
後の場面では、クレアが乾杯の言葉を述べ始めます。
Claire: To my brilliant daughter
(私の優秀な娘に——)Lily: So, not you.
(つまり、ヘイリーのことじゃないね。)Claire: Who worked for 12 years to get into Caltech the most prestigious college
(12年間努力して、カルテックという最高峰の大学に——)Alex: Mom, it’s really not a big deal.
(ママ、本当に大したことじゃないってば。)Claire: Oh, honey, wait, wait, wait.
(ちょっと、待って待って待って。)Claire: You said yourself it’s the best scientist school in the country.
(自分で言ってたじゃない、国でいちばんの科学者の学校だって。)Alex: Well, I most definitely did not use those words.
(そんな言葉、絶対に使ってないから。)Gloria: Congratulations, Alex.
(おめでとう、アレックス。)Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)
アレックスは really を足して、同じ言い方をもう一度繰り返します。クレアの wait, wait, wait は、相手の言葉をさえぎって引き止める重ね言葉です。続く I most definitely did not use those words. は、自分の言葉を盛られたときに「そうは言っていない」と訂正する一文で、most definitely が否定を強く押し出しています。乾杯の席でも、母と娘の温度差は縮まっていないことが分かります。
Gloria: We expect great things from you unlike some of the other children in this family.
(あなたには大いに期待してるわ、この家のほかの子たちと違ってね。)Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)
We expect great things from you. は、祝福の言葉に添えて相手への期待を伝える一文です。最後に4つの表現を整理します。
| 表現 | 重心 | この回での使われ方 |
|---|---|---|
| make a big deal over ~ | 重要だと見る評価 | 大ごとにしなかったと反省する |
| make a big fuss over ~ | にぎやかに祝う振る舞い | 今日は盛大に祝いたいと言う |
| It’s not that big of a deal. | 受け流す | 祝われる側の返し |
| It’s a huge deal! | 打ち消して持ち上げる | 祝う側の切り返し |
まとめ|「大ごと」と「大騒ぎ」の間
make a big deal over ~ は評価、make a big fuss over ~ は振る舞いに重心がある言い方です。It’s not that big of a deal. と It’s a huge deal! のやりとりも合わせて見ると、祝う側と祝われる側の温度差が英語の選び方から伝わってきます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、使える英語を拾っていきましょう。
同じ回の別のテーマはほかのコラムで、一つひとつの表現の詳しい使い方はフレーズ記事で取り上げています。


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