海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン4第18話のフィルは、娘のヘイリーとアレックスが家の手入れについて何も知らないと気づき、自分で直せるように教えようとします。ところが修理は思うように進みません。
壊れたものを前に「人に頼むか、自分でやるか」は、どの家庭でも起こりそうなやりとりです。口語の guy をめぐる親子の応酬から、頼る側と頼られる側の英語を場面の順に見ていきます。
「So just change it」と、自分でやらせる言い方
最初の場面は、ヘイリーがフィルに困りごとを訴えるところから始まります。
Haley: Hey, dad, I can’t find my scarf, and the closet light’s burnt out.
(ねえパパ、スカーフが見つからないし、クローゼットの電気も切れてるんだけど。)Phil: So just change it.
(じゃあ替えればいいだろ。)Haley: I can’t reach it.
(届かないの。)Phil: Oh, if only there was some magical way of getting up closer to the ceiling.
(ああ、天井にもっと近づける魔法みたいな方法があればなあ。)Haley: Okay, now you just sound like Dylan.
(ちょっと、今のディランみたい。)Phil: I’m saying get a step stool.
(踏み台を使えって言ってるんだよ。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
burnt out は電球が「切れた」状態を表します。フィルは So just change it. と短く返し、自分でやるよう促します。just が入ることで「それくらい自分でできるだろう」という響きになります。
届かないと言われると、フィルは if only there was some magical way of ~ と言います。「〜できる魔法の方法さえあればなあ」と、わざと大げさに嘆いてみせる皮肉で、答えは分かっているだろうという含みがあります。ヘイリーには回りくどく聞こえたようで、ディランみたいだと返されます。そこでフィルは I’m saying ~ と言い直し、「踏み台を使え」と結論だけを伝えます。皮肉が通じなかったときに I’m saying ~ でまっすぐ言い直す流れは、日常会話でもそのまま使える型です。
- A: The printer’s out of paper.
(プリンターの紙が切れてるよ。) - B: So just refill it.
(じゃあ補充すればいいでしょ。)
「call the guy」と「I’m the guy」
修理が行き詰まったところで、ヘイリーが口を開きます。
Haley: Can’t we just call the guy?
(いつもの業者さんを呼べばいいじゃん?)Phil: No.
(だめだ。)Phil: There is no guy.
(業者なんていない。)Phil: I’m the guy.
(業者は俺だ。)Phil: Here’s what I need you to do.
(いいか、やってほしいことがある。)Phil: Run to the hardware store, get me a T6 torx screwdriver.
(工具店に走って、T6のドライバーを買ってきてくれ。)Haley: What?
(は?)Phil: Just ask the guy.
(店の人に聞け。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
口語の the guy は、話し手どうしの間で「いつもの、あの人」と分かっている特定の相手を指します。修理や配管の話なら、頼めば来てくれる業者のことです。ヘイリーの Can’t we just ~? は「〜すればいいじゃない」と、手軽な解決策を持ちかける形です。just が「わざわざ自分でやらなくても」という気持ちを添えています。
フィルは There is no guy. I’m the guy. と返し、頼る相手などいない、頼られる側は自分だと言い切ります。ところが用事を頼む段になると、Here’s what I need you to do. と前置きしたうえで、Just ask the guy. と言ってしまいます。この guy は工具店の店員のことですが、ヘイリーは聞き逃しません。
Haley: I thought there was no guy.
(業者はいないんじゃなかったの?)Phil: There is one there!
(あそこにはいるんだよ!)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
同じ guy が、場面によって指す相手を変えるのがこのやりとりの面白いところです。「業者はいない」と言い切った直後に、店には頼れる人がいると認める形になっています。娘たちを工具店へ送り出したあと、フィルは頼んだドライバーについて本音をこう語ります。
Phil: I’ve always wanted one, though.
(まあ、ずっと欲しかったけどな。)Phil: But I needed them out of the house, so I could call a guy.
(でも、あいつらを家から出したかったんだ。人に頼めるようにね。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
今度は a guy です。the guy が決まった相手なのに対し、a guy は「誰か詳しい人」と相手を特定しない言い方になります。
「You’re the best at this stuff」と、頼られる側の本音
フィルが頼った「誰か」は、父のフランクでした。原因が分かったあとのやりとりです。
Phil: Why didn’t I think of that? Thanks, dad.
(なんで思いつかなかったんだろう。ありがとう、父さん。)Phil: I-I shouldn’t be buggin’ you with this stuff.
(こんなことで父さんを煩わせちゃいけないよな。)Frank: Are you kiddin’ me? I love to help.
(何言ってるんだ。手伝うのは大好きだよ。)Frank: Makes me feel like you still need me.
(まだお前に必要とされてるって気がするからな。)Phil: Of course I need you.
(もちろん必要だよ。)Phil: You’re the best when it comes to this.
(こういうことは父さんが一番だからね。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
bug は口語で「煩わせる」という意味の動詞です。I shouldn’t be bugging you with ~ は、頼みごとをしたあとに遠慮を示す言い方になります。フランクは Are you kidding me? で遠慮を打ち消し、Makes me feel like you still need me. と、頼られることがうれしい理由を口にします。主語の It を省いた、くだけた言い方です。
フィルの You’re the best when it comes to this. は「この手のことなら一番だ」と相手を持ち上げる言葉です。別の場面では、今度はアレックスがフィルに同じ趣旨の言葉を向けます。
Alex: Can’t you just go get it? You’re the best at this stuff.
(パパが自分で買ってくればいいじゃない。こういうのはパパが一番なんだから。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
when it comes to ~ は「〜のことになると」と話題を絞る前置きで、the best at ~ は得意な分野を直接示す形です。どちらも相手を立てながら頼みごとをするときに添えやすい一言と言えます。父に頼ったフィルが、今度は娘たちから頼られる側に回ります。
Phil: My kids are helpless, but maybe that’s okay.
(うちの子たちは自分じゃ何もできない。でも、それでいいのかもな。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
helpless(自分では何もできない)と言いながら、but maybe that’s okay と受け止め直す一言に、頼られる側の本音がのぞきます。
まとめ|頼る言葉と、頼られる言葉
call the guy と call a guy、I’m the guy、そして You’re the best at this stuff. や Makes me feel like you still need me.。修理をめぐる短いやりとりの中で、頼る側と頼られる側の言葉が親子二代にわたって行き来しているのが分かります。
『モダンファミリー』を観ながら、家族の何気ない会話の英語をこれからも味わっていきましょう。
クレアとキャメロンの改装の英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事で取り上げています。


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