海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第22話は、ルークとマニーが高校を卒業する日の物語です。家族は式を前にそれぞれ準備に追われ、マニーには身に着けるはずの衣装をめぐる一騒動も起こります。
アメリカの高校の卒業式には、角帽とガウンという決まった装いがあり、式の進め方にもおなじみの型があります。この回の場面を手がかりに、式にまつわる習慣と、その周りで交わされる英語を見ていきます。
「graduate」と「graduation」、卒業の前日と当日の言葉
卒業式の前日、グロリアは早くも式の日のための料理を始めています。それに気づいたマニーとのやりとりです。
Manny: Mom, you’re already cooking for tomorrow? Don’t make a big deal.
(ママ、もう明日の料理をしてるの? 大げさにしないでよ。)Gloria: My baby’s graduating.
(だって私の坊やが卒業するのよ。)Gloria: He won the award for Integrity and Character.
(誠実さと人格の賞までもらったんだから。)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
graduate は「卒業する」という動詞で、My baby’s graduating. のように進行形にすると、卒業が目前に迫っている感じが出ます。アメリカ英語では graduate from high school(高校を卒業する)のように、高校の卒業にもふつうに使われます。マニーの Don’t make a big deal. は「大ごとにしないで」で、Don’t make a big deal out of it. の形もよく耳にします。
一方、graduation は「卒業」や「卒業式」を表す名詞です。ダンフィー家では、フィルがルークに時計を渡しながらこう言います。
Phil: We wanted to give it to you early so you could wear it to graduation today.
(今日の卒業式に着けていけるように、早めに渡したかったんだ。)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
wear it to graduation は「卒業式に身に着けていく」で、ここでの graduation は式そのものを指しています。
アメリカの高校では、卒業にあわせて生徒を表彰する学校もあり、マニーが受けた the award for Integrity and Character もその一つとして語られています。どんな賞があるかは学校によってさまざまです。卒業式を指す言葉としては commencement もあり、こちらは少し改まった響きになります。
「cap and gown」と「sash」
別の場面で、グロリアはマニーにこう頼みます。
Gloria: I need your sash and your gown.
(たすきとガウンを出して。)Gloria: So that I can press it.
(アイロンをかけたいの。)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
press は「アイロンをかける」で、服のしわを伸ばすという意味でも使われます。I need ~ は「〜が必要だ」が直訳ですが、ここでは「〜を出して」と相手に頼む言い方になっています。式に向けて衣装を整えようとする母親の言葉です。
ところがマニーは、その衣装が手元にないことをジェイに打ち明けます。
Manny: I kind of misplaced my cap and gown and sash.
(キャップとガウンとたすき、どこかにやっちゃったみたいなんだ。)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
cap and gown は、卒業式で身に着ける角帽(cap)とガウン(gown)の一式を指す決まった言い方です。アメリカの多くの高校では、卒業生がこの装いで式に臨むと言われます。帽子の上の房飾りは tassel と呼ばれます。misplace は「置き場所を忘れる、どこかにやってしまう」で、lose(なくす)よりも「どこにあるか分からない」という含みがあります。
Manny: I graduate in five hours!
(卒業まであと5時間なんだよ!)Jay: We’ll get you another cap and gown.
(別のキャップとガウンを用意すりゃいい。)Manny: That sash has been worn by every honoree for decades.
(あのたすきは、何十年も歴代の受賞者が身に着けてきたものなんだ。)Manny: I’m not gonna be the one to lose it after it’s survived earthquakes and wars and the lunchroom gravy fire of ’64!
(地震も戦争も、64年の食堂グレイビー火災も乗り越えてきたのに、なくすのが僕だなんてごめんだよ!)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
学校によっては、成績や受賞、所属している団体などを示すために、ガウンの上にたすき(sash)やストール、飾り紐(cord)を着ける生徒もいます。honoree は「表彰を受ける人」です。代わりのガウンなら手に入っても、受け継がれてきたたすきは替えがきかない、というマニーの言い分が伝わってきます。
名前が呼ばれる式と、式の後のことば
式では、卒業生の名前が一人ずつ読み上げられ、マニーとルークの名前も呼ばれます。名前を呼ばれた卒業生が壇上で卒業証書を受け取る流れは、アメリカの卒業式でよく見られる形とされます。式の後、ジェイはマニーに声をかけます。
Jay: Hey.
(よう。)Jay: Congratulations on the first of what I’m sure will be many diplomas.
(これからいくつも手にするだろう卒業証書の、最初の1枚だな。おめでとう。)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
diploma は「卒業証書」で、高校の卒業を指して a high school diploma と言うこともあります。Congratulations on ~ は「〜おめでとう」で、on の後に祝う対象を置きます。ジェイの言葉は、これからも学びを重ねていくだろうという期待を込めたお祝いの言葉です。
Manny: Thanks for helping me with the cap-and-gown mess.
(キャップとガウンの騒ぎ、助けてくれてありがとう。)Manny: I don’t know what I would have done without you.
(ジェイがいなかったらどうなってたか。)Modern Family Season8 Episode22 (The Graduates)
Thanks for helping me with ~ は「〜を手伝ってくれてありがとう」で、助けてもらった具体的な事柄を with の後に入れます。mess は「ごたごた、騒ぎ」です。I don’t know what I would have done without you. は「あなたがいなかったらどうなっていたか」と、感謝の気持ちを強める言い方として知られています。衣装の一騒動に付き合ってくれたジェイへの、マニーなりのお礼と言えます。
まとめ|卒業式の装いと準備の英語
式で身に着ける cap and gown と sash、「卒業する」の graduate と式を指す graduation、卒業証書の diploma。装いと準備の言葉を知っておくと、アメリカの卒業式の場面がぐっと身近になります。
節目の日を迎えた家族の姿を、『モダンファミリー』の英語とともに味わっていきましょう。
決めきれない親と決めた子どものやりとりや、卒業の日に揺れる親の気持ちは、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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