海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第18話では、クレアが春の大掃除に取りかかり、箱詰めした不用品や作業のリストをめぐって家族とやりとりします。英題の Spring Break は「春休み」を指しますが、ダンフィー家の一日は片付けとともに進みます。
日本では年末の行事として知られる大掃除を、アメリカでは春に行う家庭があると言われます。劇中の会話を手がかりに、春の大掃除の習慣と、そこで交わされる英語を見ていきます。
春の大掃除(spring cleaning)という習慣
この日、クレアはフィルに手伝いを頼みます。
Claire: Honey, I could really use your help with spring cleaning today. I got to get all these boxes down to the donation center.
(ねえ、今日は春の大掃除を手伝ってもらえると、すごく助かるんだけど。この箱を全部、寄付センターに持っていかなきゃいけないの。)Phil: Wish I could, but I’ve got work. Then Luke and I have got some important trampolining to do.
(そうしたいけど、仕事があるんだ。そのあと、ルークと大事なトランポリンの予定がある。)Claire: I just love how equally we divide our responsibilities.
(家事の分担がほんとに平等で、うれしいわ。)Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)
spring cleaning は、春に家の中を徹底的に掃除し、ため込んだ物を整理する習慣を指す言葉です。冬の間にたまった汚れや不要な物を、暖かくなる季節に片付けるという考え方から来ていると説明されることが多く、時期ややり方は地域や家庭によって異なります。英語では、家の片付けに限らず「たまった仕事や情報を整理する」という比喩として spring cleaning が使われることもあります。
クレアの頼み方 I could really use your help with ~ は「〜を手伝ってもらえると本当に助かる」という、相手に負担をかける前置きを含んだ依頼の形です。これに対するフィルの Wish I could, but ~ は「そうしたいけど〜」と断る定型的な返事で、仕事とトランポリンを並べて断っています。
クレアの最後の一言は、言葉どおりの意味ではない皮肉です。I just love how ~ は「〜なところが本当に好き」という形を借りて、実際には不満を伝える言い回しとして使われます。divide our responsibilities は「役割を分担する」で、大掃除のような大きな家事では、だれが何を受け持つかが話題になりやすいことが分かります。
残すか、手放すか
片付けの中心は、物を残すか手放すかの判断です。クレアはこうぼやきます。
Claire: Do we have to keep every remote we have ever owned? Somewhere in a landfill, a laser disc just ejected.
(今まで持ってたリモコン、全部取っておかなきゃだめ? どこかの埋め立て地で、今レーザーディスクが1枚飛び出したわよ。)Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)
Do we have to keep every ~? は「〜を全部取っておく必要がある?」と、ため込んだ物を前に家族へ問いかける形です。landfill は「ごみの埋め立て地」で、使わなくなった機器の行き先を冗談まじりに想像した一言と読み取れます。remote は remote control(リモコン)を縮めた日常語です。
片付けの場面では、物を keep(残す)、donate(寄付する)、throw away(捨てる)のように仕分けて話すと、家族の間で判断を共有しやすくなります。クレアの問いかけも、「全部 keep する必要があるのか」と仕分けの基準を家族に投げかけている形です。
箱の中から出てきたバンジョーについても、クレアの判断ははっきりしています。
Claire: No, no, no, no, no. It’s in the box. It’s leaving the house. I can never hear that awful thing again.
(だめ、だめ、だめ。それは箱の中。この家から出ていくの。あのひどい音は二度と聞きたくない。)Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)
It’s in the box. と It’s leaving the house. は、手放すと決めた物について「もう箱に入れた」「家から出す」と短く宣言する言い方です。I can never hear that awful thing again. と理由まで添えているところに、手放す判断の固さが表れています。大掃除の場面では、何を箱に入れるかが家族の間の交渉になる様子が伝わってきます。
不用品の行き先と、作業のリスト
手放す物の行き先の一つが、寄付です。箱に入れた物は、思わぬ形で家族の目に触れます。
Phil: Are those my shoes?
(それ、俺の靴か?)Luke: I found them in the box of donations.
(寄付の箱にあったんだ。)Claire: They fit him perfectly. If anything, they’re a little snug.
(この子にぴったりよ。むしろ、ちょっときついくらい。)Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)
アメリカでは、衣類や家具などを地域の寄付センターに持ち込む習慣があるとされます。この回では寄付そのものより、大掃除の途中で寄付用の箱が家族の目に触れる流れのほうが描かれています。snug は「ぴったり、少しきつめ」を表す語です。
大掃除の終盤には、作業をリストで管理する様子も出てきます。
Claire: What are you doing?
(何してるの?)Phil: Last item on the list move the table.
(リストの最後の項目、テーブルを動かす。)Claire: No. You should not be doing that alone.
(だめ。一人でやっちゃだめよ。)Phil: Really? – ‘Cause I got the fridge out to the curb.
(そう? 冷蔵庫ならもう歩道脇まで出したけど。)Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)
last item on the list は「リストの最後の項目」で、やることを書き出して順に片付ける進め方が分かる言い方です。
クレアの You should not be doing that alone. は「一人でやるべきじゃない」と、重い物を一人で運ぼうとする相手を止める言い方で、should not be doing の進行形が「今まさにしていること」への注意になっています。
the curb は歩道と車道の境目の縁石のことで、out to the curb は大きな不用品を家の前に運び出す場面で使われることがあります。家の前に出した大型の不用品を回収する仕組みは地域によって異なり、日程や申し込みの方法もさまざまです。
まとめ|春の大掃除と家事の英語
spring cleaning を軸に、I could really use your help の頼み方、It’s leaving the house で手放す判断、last item on the list や out to the curb といった片付けの言葉を見てきました。季節の行事と一緒に覚えると、家事の英語がまとまって身につきます。
『モダンファミリー』の家族の何気ない一日からも、アメリカの暮らしの一面が見えてきます。
フィルとルークの親子の会話やアレックスの合否をめぐる言葉は、同じ回のほかのコラムで取り上げています。


コメント