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『モダンファミリー』シーズン7第20話では、ジェイの会社を率いるクレアが、社内の騒ぎの中で父に頼ることをためらう姿が描かれます。一方のジェイにも、娘との会話の中で合図に合わせて口にする、ひとつの頼みがあります。
助けが要るのに、弱く見られたくなくて言い出せない。そんな気持ちの言い方から、二人が同時に本音を言い合う工夫、相手を安心させる一言まで、順に追っていきます。
「Do you know how that would look?」——頼れない理由を言う
社内の情報漏れに悩むクレアは、電話でアレックスに相談します。ところが、アレックスの提案をクレアは受け入れません。
Alex: Well, if you’re so worried about it, why don’t you just call Grandpa?
(そんなに心配なら、おじいちゃんに電話すればいいじゃん。)Claire: Do you know how that would look? I mean, it’s bad enough to go to the person who had your job before you, but when that person is Daddy Honey, closet people are ruthless.
(それがどう見えるかわかる? 前任者に頼るだけでも格好悪いのに、その相手が「パパ(Daddy Honey)」となったら……。クローゼット業界の人たちは容赦ないのよ。)Claire: They’d eat me alive.
(私なんか、食い物にされちゃう。)Alex: Or maybe the world isn’t filled with heartless monsters.
(それか、世の中そこまで冷血な怪物だらけじゃないかもよ。)Modern Family Season7 Episode20 (Promposal)
Do you know how that would look? は「それが人からどう見えるかわかる?」という問いで、頼ること自体よりも、周りの目を理由に断るときの言い方です。would を使うことで、「もし実際にそうしたら」という仮定の響きが加わります。
it’s bad enough to ~, but … は「〜だけでも十分よくないのに、さらに…」と、悪い条件を重ねていく組み立てです。クレアはこの形で、前任者に頼ることと、その前任者が父であることの二重の気まずさを一文に収めます。
They’d eat me alive. は直訳すると「生きたまま食べられる」ですが、「容赦なく叩かれる、こてんぱんにやられる」という意味の口語です。これに対するアレックスの Or maybe ~ は、「それか、もしかしたら」と別の見方を差し出す軽い反論の入り方です。
弱く見られたくないという気持ちは、英語では I don’t want to look weak. のように look を使って表せます。頼れない理由が「能力」ではなく「見え方」にある点を、クレアの言葉から読み取れます。
「could use」——助けが要ると認める言い方
ジェイがベンに探らせていたことを知ったクレアは、ジェイとの食事の場面で胸の内を伝えます。ジェイもそれに応じます。
Claire: And, by the way, it doesn’t feel very nice to know that you don’t think that I can run your company.
(それに、パパが私には会社を任せられないと思ってるって知るのは、いい気分じゃないわ。)Jay: That’s not why I did it.
(そういうつもりでやったんじゃない。)Jay: I thought maybe you could use a little support.
(少し支えがあったほうがいいかと思ったんだ。)Modern Family Season7 Episode20 (Promposal)
could use ~ は「〜があるとありがたい、〜が必要だ」という意味の口語で、need よりも控えめに必要を伝えられます。a little を添えると、「少しだけ」と相手の負担感をさらに和らげます。
やり取りが続くなかで、ジェイはこう切り出します。
Jay: I mean, look at us.
(つまりだな、俺たちを見てみろ。)Jay: Why can’t we both admit that we could use each other’s help right now? Are we too proud to even do that?
(なんで二人とも、今はお互いの助けが要るって認められないんだ? そんなこともできないほど意地っ張りなのか?)Claire: I’ll admit it if you will.
(パパが認めるなら、私も認める。)Modern Family Season7 Episode20 (Promposal)
ここでも could use が使われ、今度は each other’s help(お互いの助け)が目的語に置かれます。助けを受ける側と出す側を固定せず、両方向にした点がジェイの言葉の要です。admit that ~ は「〜と認める」で、本当は分かっていることを口に出す、という含みがあります。Are we too proud to ~? は「〜できないほどプライドが高いのか」と、自分も含めて問いかける形です。
クレアの I’ll admit it if you will. は、文末の will の後ろに admit it が省略された形で、「あなたが認めるなら」という条件付きの同意を表します。自分だけが先に認める形を避けながら、話を前に進められる一文です。
「On 3」と「looking weak」——同時に言う工夫と、安心させる一言
条件付きの同意を受けて、ジェイは合図を出します。
Jay: Fine.
(よし。)Jay: On 3.
(3つ数えたらだ。)Jay: 1 2 3.
(1、2、3。)Claire: Will you crack my lobster?
(私のロブスター、割ってくれない?)Jay: I want to come back to work.
(仕事に戻りたい。)Claire: What?!
(え?!)Modern Family Season7 Episode20 (Promposal)
On 3. は「3で(一緒に)」という合図で、on three の数字は「3を数えたところで」を表します。重い物を一緒に持ち上げるときなどにも Lift on three. のように使われることが多い言い方です。言い出しにくいことを同時に言えば、どちらか一方だけが先に弱みを見せずに済むという工夫です。
ところが、二人の口から出た頼みは大きさがまるで違います。クレアはロブスターの殻を割ってほしいという小さな頼み、ジェイは仕事に戻りたいという大きな告白でした。Will you ~? は依頼の基本形、I want to ~ は願いをそのまま言う形で、文の形の違いも二人の頼みの重さの差と重なって見えます。
この後もしばらく二人のやり取りが続き、ジェイはクレアにこう伝えます。
Jay: And, by the way, I’ve known you for a long time.
(それにな、お前のことは長いこと見てきた。)Jay: The last thing you need to worry about is looking weak.
(弱く見えるかどうかなんて、お前がいちばん心配しなくていいことだ。)Modern Family Season7 Episode20 (Promposal)
The last thing you need to worry about is ~ は直訳すると「心配すべき最後のものは〜」で、「〜なんて心配する必要はまったくない」という意味です。前置きの I’ve known you for a long time. が、言い切りの根拠として働きます。長年見てきた相手だからこそ言える、という順序で並べると、励ましの言葉に重みが出ます。
まとめ|頼りにくさを言葉にする英語
Do you know how that would look? で頼れない理由を言い、could use で控えめに必要を認め、I’ll admit it if you will. と On 3. で言い出しにくさを分け合う。looking weak をめぐる親子の会話から、頼る側と頼られる側の両方の英語が見えてきます。
『モダンファミリー』の家族の会話を観ながら、こうした言い回しを少しずつ拾っていきましょう。
情報漏れを疑う言葉や、問い詰める側とかわす側のやり取りは、同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。


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