「cease and desist」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E20で学ぶ英会話

「cease and desist」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かの行いにどうしても我慢できず、「もうやめてもらおう」と立ち上がりたくなった経験はありませんか。

そんな気持ちを一言で言い表せる「cease and desist」を、『モダンファミリー』シーズン7第20話の前半、アリスおばさんの新しいソースを自分のレシピの盗用だと憤るグロリアに、フィルが声をかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「cease and desist」の意味とニュアンス

cease and desist
意味:(迷惑な行為や違法な行為を)やめる、やめさせる

cease and desist は、cease(やめる、中止する)と desist(思いとどまる、やめる)という、ほとんど同じ意味の動詞を and でつないだ表現です。似た意味の語を2つ重ねることで、「きっぱりやめなさい」と念を押す強い響きが生まれます。

辞書では、契約や訴訟の話題で相手に行為の停止を求める場面の言い回しとして扱われています。そのため、日常の「やめて」にあたる stop it に比べると、かなり硬い響きがあります。日本語にすると「やめさせる」「差し止める」あたりが近く、くだけた会話で使うと、少し大げさで芝居がかった印象を残します。

使える場面は、他人の権利を侵す行為や、周囲に迷惑をかける行為をやめさせたいときです。たとえば、デザインの無断使用、騒音、しつこい嫌がらせなどが当てはまります。どれも「穏やかにお願いする段階を過ぎて、はっきり止めたい」という状況で、その切迫した気持ちを、硬い言い回しが後押しします。

形の面では、cease も desist も動詞なので、この2語をまとめて1つの動詞のように扱えます。「相手にやめさせる」ときは使役の make の後ろに置き、「〜するのをやめる」ときは from のあとに動名詞を続けます。名詞として cease-and-desist letter と書けば、「差し止めを求める通知文」という意味になります。

【ここがポイント!】

  • 「cease and desist」の核は、ほぼ同じ意味の2語を重ねて「やめなさい」と強く求めること
  • 日常の stop it より硬く、大げさな響きがある
  • 使役の make の後ろ、from ~ing、cease-and-desist letter の3つの形で使える

『モダンファミリー』S07E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

グロリアがアリスおばさんの新しいソースを自分のレシピの盗用だと言い、フィルが盗まれる側の気持ちに寄り添ったあとのやり取りです。フィルがある映像の歌を「少し似てるだろ?」と持ち出し、グロリアがそれに答えるところから始まります。グロリアの問いに、フィルが数字を挙げて答え、そのまま出かける宣言へ進む流れに注目です。

Gloria: A little, but —
(少しはね、でも――)

Phil: Thank you!
(だろ!)

Gloria: But do you think that he saw this?
(でも、あの人がこれを見たと思う?)

Phil: Um, it had 27 views. Come on. We’re going down to that market to make that old bat cease and desist.
(えーと、再生は27回だったんだ。さあ行こう。あのマーケットまで行って、あのばあさんにやめさせるんだ。)

Modern Family Season7 Episode20 (Promposal)

シーン解説と心理考察

グロリアが「少しはね、でも」と言うと、フィルは「だろ!」と返します。ところがグロリアは、そこで話を終わらせません。「でも、あの人がこれを見たと思う?」と、相手が実際に目にしたのかどうかを確かめる問いを重ねます。

フィルの答えは、「再生は27回だったんだ」という具体的な数字です。気持ちを述べるのではなく、数字だけを口にしています。そこで「Come on.」と区切りをつけ、「さあ行こう」とグロリアを促して、次の行動へ話を移します。数字を口にした同じ発言の中で、出かける宣言まで言い切るところに、フィルの切り替えの早さが出ています。

宣言の中身が、make that old bat cease and desist です。old bat はくだけた口の悪い呼び方で、そこに硬い響きの cease and desist が続いています。その落差が、大きく構えた宣言の調子をはっきりさせます。意味としては「やめさせる」ですが、くだけた呼び方と硬い言い回しを同じ文に並べることで、フィルが本気で話をつけに行こうとする勢いと、どこか芝居がかった大きさの両方が伝わります。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

道の真ん中に「止まれ」の標識が2枚並んで立っている様子を思い浮かべてみましょう。cease の標識と desist の標識です。1枚でも十分に伝わるのに、あえて2枚を並べて立てるので、「ここは本当に止まってほしい」という気持ちの強さが伝わります。

フィルの宣言も、この2枚の標識を持って相手の前に立つようなものです。やめてほしい相手の前に、念を押す標識を2枚そろえて出す。そう考えると、cease and desist を使う場面の強い響きが、絵として頭に残ります。

例文で覚える「cease and desist」

名詞の形から、動詞の形、日常の助言まで、3つの例文で確認していきましょう。

The company sent a cease-and-desist letter to the shop selling fake bags.
(その会社は、偽物のバッグを売る店に、販売をやめるよう求める通知を送った。)
企業が権利の侵害に対応する場面です。cease-and-desist letter と名詞で使うと、「やめるよう求める通知文」という意味になります。

The neighbors were ordered to cease and desist from playing loud music at night.
(近所の人たちは、夜に大音量で音楽を流すのをやめるよう命じられた。)
騒音の問題を伝えるニュースのような場面です。from のあとに playing と動名詞を続けると、「何をやめるのか」を具体的に言えます。

A: He keeps copying my designs.
B: Then it’s time to tell him to cease and desist.
(A:彼、私のデザインを真似し続けてるの。)
(B:それなら、やめるよう言うべきときだね。)
友人のトラブルに助言する会話です。tell him to の後ろに置くと、相手に直接やめるよう伝える言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

stop it
(やめて)
stop it は、日常で使うごく普通の「やめて」です。cease and desist は、同じ「やめさせる」でも硬い響きがあり、強く求めるとき、あるいは冗談めかして大げさに言うときに向いています。

back off
(手を引く、近づくのをやめる)
back off は、相手に距離を取らせたり、干渉をやめさせたりする言い方です。cease and desist は、特定の行為そのものをやめさせる点に中心があります。

put a stop to something
((何か)をやめさせる、終わらせる)
put a stop to something は、物事を終わらせる意味の一般的な言い方です。cease and desist には、相手に「やめよ」と求める命令の色合いが加わります。

Note|make の後ろに置く形と、from ~ing、letter に広がる cease and desist の構文

cease and desist は、1つの決まった形だけでなく、文の中での置き場所によって働き方が変わります。ここでは、動詞として使う2つの形と、名詞として使う1つの形を整理します。

1つ目は、シーンのフィルが使った make + 目的語 + cease and desist の形です。make は「〜させる」という使役の動詞で、後ろの動詞は原形になります。We’re going down to that market to make that old bat cease and desist. では、that old bat が「やめる側」、cease and desist が「やめる」という動作です。cease と desist は動詞として並んでいるので、原形のまま and でつなぎます。

2つ目は、cease and desist from ~ing の形です。from のあとに動名詞を置いて、「〜するのをやめる」と、やめる内容を具体的に言います。ordered to cease and desist from playing loud music のように、前に ordered や told が来ると、誰かに命じられてやめる文になります。

3つ目は、cease-and-desist letter のように、ハイフンでつないで名詞として使う形です。ここでは「やめるよう求める通知文」という意味で、letter や order と組み合わせて使います。動詞のときの and は、名詞になるとハイフンに変わります。

この3つは、どれも「やめる」という中心の意味は変わりません。変わるのは、誰がやめるのか、何をやめるのか、という情報の出し方です。make の形では「やめる側」が目的語として前に出て、from ~ing の形では「やめる内容」が後ろに出て、letter の形では「やめるよう求める文書」という物として扱われます。

動詞なら使役の make の後ろ、やめる内容を言いたいなら from ~ing、名詞なら letter の前。この3つの置き場所を押さえておくと、cease and desist の働き方が文ごとに見分けられます。

まとめ|強く念を押す、2語重ねの「やめなさい」

cease and desist は、ほぼ同じ意味の動詞を2つ重ねて、「きっぱりやめる、やめさせる」を強く伝える表現です。stop it よりも硬く、日常で使うと少し大げさな響きになります。

フィルは、グロリアの問いに数字で答えたあと、この表現を使って出かける宣言をしました。くだけた呼び方の old bat と、硬い響きの cease and desist が1文に同居していて、勢いのある宣言の調子がよく出ています。

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