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『モダンファミリー』シーズン5第22話では、ピクルスが苦手なマニーに、ジェイが何とか一口食べさせようとします。そこへグロリアも加わり、食べ物の好き嫌いをめぐる家族の言い合いが続きます。
苦手な物をやんわり断る言い方から、「taste」と「try」の使い分け、全員で苦手に向き合おうと切り替える一言まで、場面の順に見ていきます。すすめる側と断る側、それぞれの言い分の英語に注目すると読みやすくなります。
「I’ll pass.」苦手な物をやんわり断る英語
ジェイはマニーにサンドイッチを出し、Have at it.(さあ、食べな)と勧めます。ところがマニーの返事は、すすめた側の期待とは逆のものでした。
Manny: Mm, I can’t eat that.
(うーん、それは食べられないよ。)Jay: Why not?
(なんでだ?)Manny: The pickle’s touching it.
(ピクルスが触れてるんだ。)Jay: There.
(ほら。)Manny: The juice got on the bread and, ew, what’s that stuff?
(汁がパンにしみてるし、うわ、それは何?)Jay: Spices.
(スパイスだ。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
I can’t eat that. は「それは食べられない」と、理由を言う前に結論を出す断り方です。続く The pickle’s touching it. は、ピクルスそのものではなく「触れていること」が問題だと説明する一言で、苦手の度合いの強さが伝わってきます。what’s that stuff? の stuff は、名前の分からない物をまとめて指す語です。ジェイが「There.」と応じても、マニーは次々と別の気になる点を挙げていきます。
マニーはさらに、ピクルスの瓶についてこう続けます。
Manny: Have you ever really examined a jar of pickles, Jay? It’s like a swamp in there.
(ジェイ、ピクルスの瓶をじっくり見たことある? 中は沼みたいだよ。)Manny: I’ll pass.
(遠慮しておく。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
I’ll pass. は「私はやめておきます」という意味で、すすめられた食べ物や誘いをやんわり断るときに使われることが多い言い方です。No, thank you. よりも軽く、カジュアルな場面になじみます。It’s like a swamp in there. は瓶の中を沼にたとえた大げさな言い方で、苦手な理由を絵が浮かぶように伝えています。
- A: Do you want some of this spicy curry?
(この辛いカレー、少しどう?) - B: I think I’ll pass. I’m not good with spicy food.
(やめておこうかな。辛い物が得意じゃなくて。)
「taste」と「try」はどう使い分ける?
マニーは自分でグリルドチーズを作ろうとしますが、ジェイはそれを止めます。
Manny: I’m just gonna make myself a grilled cheese.
(自分でグリルドチーズを作るよ。)Manny: I think I saw some gruyere in there.
(たしかグリュイエールがあったはず。)Manny: Do we have any fig?
(イチジクはある?)Jay: Sit down.
(座れ。)Jay: This whole persnickety thing is not gonna fly in the world.
(そういう細かいこだわりは、世の中じゃ通用しないぞ。)Jay: Never hand people another reason to make fun of you.
(からかわれる理由を、わざわざ人に与えるな。)Manny: You mean like all the cool kids with their leather jackets and their pickles?
(革ジャンを着て、ピクルスを持ってるイケてる子たちみたいに?)Jay: Well, you’re gonna sit there until you at least try a pickle.
(とにかく、ピクルスをせめて一口食べてみるまで、そこに座ってろ。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
persnickety は「細かいことにうるさい」、not gonna fly は「通用しない」という意味です。マニーの革ジャンの返しは、ピクルスを食べる子が格好いいわけではないという皮肉と読み取れます。
ジェイの最後の一言にある at least try は「せめて試すだけでも」と、求めるハードルを下げてすすめる形です。全部食べろとは言わず、一口でいいと条件を示すことで、断りにくくしているのが分かります。
後の場面では、グロリアがピクルスの前に座るマニーに声をかけ、ジェイが自分の考えを説明します。
Gloria: Manny, what are you doing sitting in front of a pickle?
(マニー、ピクルスの前に座って何してるの?)Manny: Jay says I can’t leave until I taste it.
(食べてみるまで席を立っちゃだめだって、ジェイが言うんだ。)Gloria: Why do you torture him like this?
(どうしてこんなふうにこの子をいじめるの?)Jay: ‘Cause he’s too stuck in his ways, Gloria.
(こいつは自分のやり方にこだわりすぎなんだよ、グロリア。)Jay: This is good for him.
(こいつのためだ。)Jay: He’ll taste the pickle, he’ll find that he likes it, he’ll try more things.
(ピクルスを食べてみる、好きだと分かる、ほかの物にも挑戦する。)Jay: This is good parenting.
(これがいい子育てってもんだ。)Manny: This is not going to play well in my memoir.
(僕の自伝に書いたら、印象は良くないだろうね。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
taste は「味をみる、口にしてみる」と、舌で味を確かめる動作に焦点がある語です。一方の try は「試しにやってみる」という広い語で、食べ物なら「初めて食べてみる」、ほかの物にも使えます。ジェイの一言が、ピクルスを taste するところから、ほかの物を try するところへ広がっていくのが分かります。
stuck in his ways は「自分のやり方を変えようとしない」という意味で、好き嫌いの多さを性格の問題として言い表しています。これに対するマニーの自伝の返しは、子どもらしからぬ大人びた皮肉です。
| 表現 | 意味の中心 | 例 |
|---|---|---|
| taste | 口に入れて味を確かめる | Can I taste the sauce? |
| try | 初めてのことを試してみる | You should try sushi sometime. |
| at least try | せめて試すだけでも | At least try one bite. |
「conquer」で全員の苦手に向き合う
さらに後の場面で、ジェイが I quit. と投げ出そうとすると、グロリアがそれを止めます。
Gloria: No, no, no.
(だめ、だめ、だめ。)Gloria: You’re not quitting anything.
(何もやめさせないわよ。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
You’re not quitting anything. は進行形で「やめることは許さない」と言い切る形です。グロリアはさらに、毎日の食事への不満を口にします。
Gloria: I am tired of every day cooking two different meals.
(毎日2種類の食事を作るのは、もううんざり。)Gloria: No tomatoes.
(トマト抜き。)Gloria: White meat only.
(白身の肉だけ。)Gloria: Extra bacon.
(ベーコン多め。)Jay: He gets extra bacon? What the hell?
(あいつはベーコン多めなのか? なんだそりゃ?)Gloria: Today is the day you two are stopping this silliness!
(今日こそ、2人ともこんなばかげたことはやめてもらうわ!)Jay: Fine, we’ll all conquer something today.
(いいだろう、今日は全員、何かを克服するんだ。)Gloria: What do I have to conquer? I eat everything.
(私が何を克服するの? 何でも食べるわよ。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
I am tired of ~ing は「〜するのにうんざりしている」という不満の定型です。No tomatoes. White meat only. Extra bacon. は、家族の細かい注文を短く並べて、作る側の手間を示しています。Today is the day ~ は「今日こそ〜する日だ」と区切りをつける言い方です。
conquer は本来「征服する」ですが、ここでは「苦手を克服する」という意味で使われています。ジェイが all を入れて自分たち全員の話にしたことで、グロリアが I eat everything. と言い返す流れが生まれているのが面白いところです。グロリアの you two は、ジェイとマニーの2人を指しています。
- A: I’m tired of eating the same thing every night.
(毎晩同じものを食べるのはうんざりだよ。) - B: Then today is the day we try something new.
(じゃあ今日こそ、何か新しいものを試す日にしよう。)
まとめ|断る言い方、すすめる言い方、向き合う一言
I’ll pass. でやんわり断り、at least try や taste で一口をすすめ、conquer で苦手に向き合おうと呼びかける。ピクルスをめぐる家族の言い合いから、食べ物の好き嫌いを話す英語が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、毎日使える英語を拾っていきましょう。
同じ回のほかの場面の英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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