「I couldn’t have gotten through this past year without you.」に見る、過去の「もしも」で相手の大きさを伝える言い方|『ホワイトカラー』S05E07で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「I couldn't have gotten through this past year without you.」に見る、過去の「もしも」で相手の大きさを伝える言い方|『ホワイトカラー』S05E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第7話から、ピーターとエリザベスが結婚記念日に交わす会話を取り上げます。「あの日、出会っていなかったら」という過去の仮定を口にし合う場面に、would have や couldn’t have がまとまって登場します。

文法書で覚えた仮定の形が、感謝や思い出を語る言葉としてどう働くのかを、事件後のピーターとジルの会話も交えて順に見ていきます。

目次

「if you didn’t walk」で、出会わなかった場合を問いかける

記念日の当日、二人は最初のデートと同じ店で食事をしています。ピーターが「俺は君が看板を作った最初の男なのか」と尋ね、話は出会いの思い出へ進みます。

Elizabeth: It was the first sign that didn’t say “Go away.”
(「あっちへ行って」って書いてない、初めての看板だったの。)
Peter: Oh, it wouldn’t have discouraged me.
(ああ、そんなことで俺はめげなかったさ。)
Elizabeth: Did you ever think where you would be if you didn’t walk into my gallery that day?
(あの日、あなたが私のギャラリーに来なかったら、自分がどこにいたか考えたことある?)
Peter: Nope. Never. Too scary to think about.
(いや、一度もない。考えるのも怖いよ。)

White Collar Season5 Episode7 (Quantico Closure)

wouldn’t have + 過去分詞 は、起きなかった過去の場面を思い描き「その場合でも〜しなかっただろう」と述べる形です。discourage は「やる気をくじく」という動詞です。

エリザベスの問いの would be は「今ごろどこにいただろう」という現在の想像です。if 節は過去完了 hadn’t walked とする形が文法書の基本ですが、話し言葉では過去形のまま言うこともあり、この台詞もそちらです。Too scary to think about. は It’s を省いた too ~ to … で、仮定そのものを退ける答えになっています。

「couldn’t have ~ without you」で、相手がいたからこそを伝える

同じ夜、ピーターはクアンティコ時代にジルと張り合った話をエリザベスにします。言いたかったのはそういうことではないと言い直したあと、ピーターは次のように続けます。

Peter: You’re the reason I’m the man I am today.
(今の俺がいるのは君のおかげだ。)
Elizabeth: Continue.
(続けて。)

White Collar Season5 Episode7 (Quantico Closure)

エリザベスに促され、ピーターはさらに言葉を足します。

Peter: I couldn’t have gotten through this past year without you. Or…any year.
(この1年、君なしでは乗り切れなかった。いや……どの年もだ。)

White Collar Season5 Episode7 (Quantico Closure)

couldn’t have + 過去分詞 + without ~ は「〜がなければ…できなかっただろう」という意味で、裏返すと「実際に乗り切れたのは相手がいたから」という感謝になります。get through は困難な時期を「くぐり抜ける」句動詞です。You’re the reason (that) ~ も「〜なのは君のおかげだ」と相手を理由に据える定番の組み立てと言えます。

Continue. は命令形の一語で、ほめ言葉の続きを求める返しです。それを受けて Or…any year. と範囲を広げるところに、記念日らしいやり取りの温度が読み取れます。

「would have」を重ねて、別れの「もしも」を振り返る

事件が片づいたあと、ピーターとジルは20年前にそれぞれの道へ進んだことを話します。西海岸での任務を引き受けたと振り返るジルに、ピーターは I wouldn’t have stopped you.(止めはしなかっただろう)と答えます。

Peter: You ran.
(君は逃げた。)
Jill: You didn’t chase after me.
(あなたは追いかけてこなかった。)
Peter: You would have just run faster.
(君はもっと速く逃げただけだろう。)
Jill: You’re right. I would have.
(そうね。そうしてたでしょうね。)

White Collar Season5 Episode7 (Quantico Closure)

ピーターの You would have just run faster. は、「もし追いかけていたら」という if 節を口にしないまま、結果だけを would have で述べています。ジルの I would have. は、run faster を繰り返さず助動詞で文を止める省略で、相手の言葉をそのまま認める短い返しです。

記念日の会話では思い出や感謝を語った would have / couldn’t have が、ここでは起きなかった過去を二人で確かめ合う言葉として使われています。同じ形が、場面によって違う重さを帯びることが分かります。

まとめ|過去の「もしも」が映す相手の存在

wouldn’t have、couldn’t have ~ without you、would have just run faster を見てきました。過去の仮定は文法の項目にとどまらず、相手の大きさを伝える言葉として働いていることが分かります。

次回も『ホワイトカラー』の会話から、英語の組み立てを見ていきましょう。

この回の英語表現は、同じエピソードのフレーズ記事やほかのコラムでも扱っています。

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