海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン5第4話の中盤の場面から、ニールがピーターに仕掛ける数当てのやり取りを取り上げます。何気ない一言に含まれていた odd という単語が、実は答えを導く仕掛けになっていたという場面です。
odd が持つ「変な」と「奇数の」という二つの意味を軸に、種明かしを求める問いや、似た意味の strange との違いまで見ていきます。
「it’s not that odd」から始まる数当て
精神科医のサマーズ博士からセッションの約束を取りつけた直後、博士が去ったあとで、ピーターはこの事件で引っかかっている点をニールに話します。それに対し、ニールは「そんなに変な話じゃない」と返して、数当てを持ちかけます。
Peter: You can’t put the idea of a heist in someone’s head without them knowing about it.
(本人に気づかれずに、誰かの頭に盗みの考えを入れるなんてできない。)
Neal: Peter, it’s not that odd. Think of a number between one and ten.
(ピーター、そんなに変な話じゃないよ。1から10の間で数を一つ思い浮かべて。)
Peter: No, I hate it when you do this.
(いや、お前がこれをやるのは嫌なんだ。)White Collar Season5 Episode4 (Controlling Interest)
not that + 形容詞 の that は「それほど」という程度を表す副詞で、it’s not that odd は「そこまで変な話ではない」と、相手の驚きや疑問を和らげる言い方です。ここでの odd は「普通と違って変な」という意味で使われています。
ピーターの I hate it when you do this. は、I hate it when ~ で「〜されるのは嫌だ」と相手のいつもの行動への不満を表す形です。this は目の前の数当てを指し、ニールのこうした遊びを知っている側の返しと読み取れます。
ニールが「2、3、4、5」「たとえば7」と声に出してみせると、ピーターは先回りして答えます。
Peter: I know what you’re doing. It’s not seven, Neal.
(何をしてるか分かってるぞ。7じゃないからな、ニール。)
Neal: No, it’s nine.
(うん、9だね。)
Peter: Okay, how did you do that?
(よし、どうやったんだ?)White Collar Season5 Episode4 (Controlling Interest)
how did you do that? は、手品や見事な技を見せられたときに種明かしを求める定番の問いです。
種明かしの「odd number」とstrangeとの違い
ピーターに問われたニールは、仕掛けを順に説明します。
Neal: Before I asked you to think of a number, I used the word “odd” in a sentence. So naturally, you’ll choose an odd number.
(数を思い浮かべてって頼む前に、僕は文の中で「odd」って言葉を使った。だから自然と奇数を選ぶんだ。)White Collar Season5 Episode4 (Controlling Interest)
最初の「it’s not that odd」の odd は「変な」でしたが、odd number になると「奇数」です。反対の「偶数」は even number と言います。ニールは同じ綴りの単語を先に聞かせておくことで、相手の選択を奇数の側へ寄せたというわけです。続けて、声に出した数を候補から外させ、残る1と9のうち分かりやすすぎる1は選ばれない、と種を明かします。
ここまで聞いたピーターは、感心を認めつつ本題を求めます。
Peter: That’s good. Okay, but the point of all this.
(見事だ。で、これの要点は。)White Collar Season5 Episode4 (Controlling Interest)
the point of all this は「これ全部の要点」で、文になっていない名詞句だけを投げることで「で、何が言いたい?」と先を促しています。ここからニールは、この話を博士への疑いにつなげていきます。
「変な」の意味の odd は、似た語の strange と置き換えられることも多い語です。本話でも、証券会社の顧客データベースで金庫の持ち主を調べる場面で That’s strange. という一言が出てきます。名義が個人ではなく会社だという、見慣れない点に気づいたときの反応です。strange には「奇数」の意味がないため、今回の掛け言葉は odd でしか成り立ちません。
| 語 | 主な意味 | 本話での使われ方 |
|---|---|---|
| odd | 普通と少し違う、変な/奇数の | it’s not that odd / odd number |
| strange | 見慣れない、不思議な | That’s strange. |
まとめ|oddの二つの意味と種明かしの問い
it’s not that odd の「変な」と odd number の「奇数」を掛けた数当てから、how did you do that? や the point of all this で先を促す問いまで見てきました。一語の多義が会話の仕掛けになることが分かります。
次回も『ホワイトカラー』の言葉のやり取りを観ながら、英語の面白さを見ていきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、同じ事件の英語表現を扱っています。


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