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今回は『ホワイトカラー』シーズン4 第10話の中盤から、ピーターがニールとの取引に応じた理由を語る場面を取り上げます。人前では because を使って短く理由を言い切ったピーターが、二人の会話では表向きの答えから本音へと言い直していきます。
理由の尋ね方と答え方、そして答えを一段ずつ深めていく流れを、登壇中の場面と二人の場面を比べながら見ていきます。
人前の「because」と、二人の会話の「What would’ve happened if ~」
この回のニールとピーターは、FBI のカンファレンスで、捜査官と協力者の関係をテーマにしたパネルに登壇します。司会のウォルトから二人がうまくいく理由を聞かれ、ピーターはこう答えます。
Walt: Well, is that why Mr. Caffrey works so well with you? His insights?
(では、キャフリーさんがあなたとうまくやれるのはそのためですか? 彼の洞察力?)
Peter: He works well with me because I set effective boundaries.
(彼が俺とうまくやれるのは、俺が効果的に線引きをしているからです。)White Collar Season4 Episode10 (Vested Interest)
is that why ~? は「それが〜の理由ですか」と理由を確かめる問いです。ピーターは because を使い、理由を一つに絞って言い切っています。聴衆の前で答える場面らしい、要点だけを示す答え方です。
場面が変わり、二人の会話では、ピーターのほうから仮定の問いを切り出します。
Peter: You ever wonder what would’ve happened if I hadn’t made you my C.I.?
(もし俺が君を協力者にしていなかったら、どうなっていたと思う?)
Neal: I’d still be in jail, and your arrest rate would be in the low 70s.
(僕はまだ刑務所の中で、あなたの検挙率は70%台前半だろうね。)
Peter: High 80s.
(80%台後半だ。)White Collar Season4 Episode10 (Vested Interest)
what would’ve happened if I hadn’t ~ は仮定法過去完了で、「もし〜していなかったら、どうなっていたか」と、過去の事実と逆の仮定を問う形です。文頭の Do が省かれた You ever wonder ~? は「〜と考えたことはある?」というくだけた切り出しです。ニールの答えは、would を使った仮定の文に検挙率の軽口を加えたもので、in the low 70s は「70%台前半」を指します。ピーターは数字だけを High 80s. と正しています。
「That’s all?」で踏み込み、「That’s why」で締める
続いてニールは、ピーターが取引に応じた理由をはっきり尋ねます。
Neal: Why did you take my deal?
(どうして僕の取引に応じたの?)
Peter: I told you — your expertise.
(言っただろう。君の専門知識だ。)
Neal: That’s all?
(それだけ?)
Peter: I realized all those crimes you were committing, they were never about money or greed.
(君がやっていた犯罪は、どれも金や欲のためじゃなかったと気づいたんだ。)
Neal: What do you think they were about?
(じゃあ、何のためだったと思うの?)
Peter: The challenge.
(挑戦だよ。)White Collar Season4 Episode10 (Vested Interest)
ピーターの最初の答え I told you — your expertise. は、「前にも言ったとおり」と、すでに伝えた理由を繰り返す返事です。ニールは That’s all? の一言で、表向きの答えの先を促します。
これを受けたピーターは、I realized ~ で答えを言い直します。realize は「(それまで分からなかったことに)気づく」という動詞で、理由を考えの変化として差し出す形になっています。このあとピーターは、長年ニールを追いかけた日々を振り返ります。
Peter: And after all those years of chasing you, your cryptic clues, your late-night phone calls from international numbers.
(それに、何年も君を追いかけてきた。謎めいた手がかりに、海外の番号からの深夜の電話。)White Collar Season4 Episode10 (Vested Interest)
短いやり取りを挟んで、ピーターは最後の答えにたどり着きます。
Peter: I realized I liked you. That’s why I took your deal.
(君を気に入っていたと気づいた。だから取引に応じたんだ。)White Collar Season4 Episode10 (Vested Interest)
That’s why ~ は「だから〜なのだ」と、前に述べた内容を理由として結論につなぐ形です。人前では because で一つの理由を言い切り、二人の会話では I realized で気づきを重ね、That’s why で最初の問いに答えを返しています。
まとめ|理由を言い直すときの順番
人前では because で理由を言い切り、二人の会話では That’s all? に促されて、I realized で気づきを語り、That’s why で結論を締める流れを見てきました。答えを一段ずつ深める話し方が読み取れます。
これからも『ホワイトカラー』の二人の会話を通して、英語の伝え方を見ていきましょう。
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