「Are we holding our kids back?」に見る、親としての自信が揺らいだときの英語表現|『モダンファミリー』S02E12で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Are we holding our kids back?」に見る、親としての自信が揺らいだときの英語表現|『モダンファミリー』S02E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第12話では、娘アレックスの何気ない一言をきっかけに、フィルとクレアが親としての自分たちを疑い始めます。B級映画が好きな2人が、子どものためにと慣れないフランス映画に挑むという展開です。

不安を打ち明ける言葉、しぶしぶ説得に応じる言葉、落ち込む相手を理屈で励ます言葉と、自信の揺れに沿って表れる英語を、場面の順に追っていきます。

目次

子どもの一言に引っかかる場面

テストでクラス2番目だったアレックスは、自分を上回った相手の両親は外科医と教授で太刀打ちできない、自分は与えられたもので最善を尽くすしかない、と話します。その言葉を受けた2人の会話です。

Phil: She’s such a good kid.
(ほんとにいい子だよな。)
Claire: Yeah, she is.
(ええ、ほんとに。)
Claire: Did she just say she was gonna do the best with what she was given?
(今あの子、「与えられたもので最善を尽くす」って言った?)
Phil: I don’t know.
(さあ。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)

do the best with what one was given は「与えられたもので最善を尽くす」という言い方です。前向きな決意にも聞こえますが、「与えられたもの」が親から受け継いだ条件を指すと読めば、親の出来に対する当てこすりにもなります。クレアが続く発言でこれを「私たちがバカだと言っている」と受け取るのは、この後者の読み方です。クレアの Did she just say ~? は「今〜って言った?」と、聞き流しかけた言葉を確かめ直す聞き方です。

Claire: She’s saying we’re stupid.
(私たちがバカだって言ってるのよ。)
Phil: Well, she’s wrong.
(じゃあ、あの子が間違ってる。)
Claire: Is she? Honey, look at how long it just took us to figure out that she’s insulting us.
(そうかしら?ねえ、あの子にけなされてるって気づくまで、私たちどれだけかかったと思う?)
Claire: Are we holding our kids back?
(私たち、子どもたちの足を引っ張ってるんじゃない?)
Phil: No! We’re both bright people.
(まさか!俺たちは2人とも頭がいい。)
Claire: Yeah.
(そうよね。)
Phil: We’re college graduates.
(大卒だし。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)

hold ~ back は「〜を引き止める」から転じて、「〜の成長や前進を妨げる」という意味で使われる句動詞です。Fear is holding you back.(恐れが前に進むのを邪魔している)のように、人だけでなく感情や状況を主語にすることもできます。

クレアの Is she? は、フィルの she’s wrong を受けて「本当にそう?」と問い返す短い形です。自分たちがけなされていると気づくまでに時間がかかったこと自体を根拠に挙げるという、クレアの切り返しが面白いところです。フィルの bright は「頭がいい」という意味で、smart よりやや改まった響きがあると言われることもあります。

背伸びする決心と、落ち込んだ相手を励ます理屈

2人はもともとB級映画を観るつもりでしたが、映画館でクレアはフランス映画を観ようと言い出します。

Phil: Why do I have to watch a French movie? I didn’t do anything wrong.
(なんで俺がフランス映画を観なきゃいけないんだ?何も悪いことしてないのに。)
Claire: Maybe Alex has a point.
(アレックスの言うことにも一理あるのかも。)
Claire: How can we encourage our kids to have intellectual curiosity when we don’t have any?
(自分たちに知的好奇心がないのに、どうやって子どもたちに持たせるのよ?)
Phil: I don’t know.
(さあね。)
Claire: It’s two hours of our life.
(人生のうちの2時間よ。)
Phil: Fine.
(分かったよ。)
Claire: For our kids.
(子どもたちのためよ。)
Phil: Sometimes I hate the kids.
(時々子どもたちが憎らしくなるよ。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)

have a point は「一理ある」という意味で、You have a point. の形で相手の主張の正しさを部分的に認めるときによく使われます。Maybe が付くと「もしかしたら」と控えめになります。フィルの I didn’t do anything wrong. は、罰を受けるわけでもないのに、という冗談めいた抵抗です。最後の Sometimes I hate the kids. も、本気ではない冗談として添えられています。

  • A: We should leave early to avoid the traffic.
    (渋滞を避けるなら早めに出たほうがいいよ。)
  • B: You have a point. Let’s go at seven.
    (一理あるね。7時に出よう。)

It’s two hours of our life. は、かかる時間を具体的に示して相手を説得する一言で、渋る相手に付き合ってもらいたい場面で使える形です。For our kids. と目的を短く添えることで、フィルが断りにくい流れが作られています。

結局フィルは途中で別の映画を観に行き、クレアは眠ってしまいます。その後の会話です。

Claire: Alex is right.
(アレックスの言う通りよ。)
Claire: We’re idiots.
(私たち、バカなのよ。)
Phil: Claire, stop it.
(クレア、やめろって。)
Phil: Look.
(いいか。)
Phil: Our kid got the second-best grade in the class.
(うちの子はクラスで2番目の成績を取ったんだ。)
Claire: I know.
(分かってる。)
Phil: Dumb parents don’t make kids that smart.
(バカな親からあんなに賢い子は生まれないよ。)
Phil: She got the best of both of us.
(あの子は俺たち2人のいいところをもらったんだ。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)

stop it は、自分を責め続ける相手を止めるときにも使える短い一言です。フィルは Look. で注意を引いてから、娘の成績という事実を示し、Dumb parents don’t make kids that smart. と結論づけます。that smart の that は「あんなに」と程度を強める副詞です。I’m not that tired.(そこまで疲れてない)のように、会話では否定文でもよく使われます。

get the best of both ~ は「両方の良いところを受け継ぐ」という意味で、慣用句 the best of both worlds(両方のいいとこ取り)と同じ発想の言い方です。落ち込む相手に、感情ではなく筋道で安心を与える励まし方が伝わってきます。

まとめ|揺らぐ自信を言葉にする英語

do the best with what one was given に引っかかり、Are we holding our kids back? と不安を口にし、have a point で背伸びを決め、the best of both of us で励まし合う。子どもを思う2人の自信の揺れが、英語の流れとして見えてきます。

親子の会話に表れる英語を、これからも『モダンファミリー』とともに味わっていきましょう。

この回の英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。

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