海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第12話では、Cabo のホテルのバーで出会ったホフマン夫妻が町に来ることになり、ジェイとグロリアの考え方の違いが表に出ます。気の進まない相手にも愛想よく接するか、はっきり本音を言うかという、どの家庭でも起こりそうな食い違いです。
今回は2人のやり取りから、本音と建前をめぐる英語の言い回しを、場面の順に見ていきます。日常の人付き合いでもそのまま使える形が少なくありません。
本音と反対のことを言う場面と、それを見抜く一言
グロリアは、ホフマン夫妻から連絡があり、2人が夕食に行きたがっているとジェイに伝えます。ジェイは乗り気ではありません。
Jay: I don’t want to see them.
(会いたくないね。)
Gloria: I know.
(そうなのよ。)
Gloria: So much fun!
(すっごく楽しみ!)
Jay: You’re with them right now, aren’t you?
(今、あの2人と一緒にいるんだな?)
Gloria: Yes.
(そうよ。)
Gloria: And they can’t wait to see you too.
(2人もあなたに会うのが待ちきれないって。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)
「会いたくない」という言葉に I know. と So much fun! で返すグロリアの受け答えは、ジェイの発言とまったくかみ合っていません。ジェイはそこから状況を察し、You’re with them right now, aren’t you? と確かめます。
文末の aren’t you? は付加疑問で、「〜なんだろう?」と自分の推測を相手に確認する働きをします。You’re ~, aren’t you? の形は、答えにほぼ見当がついているときの聞き方です。本人たちに聞かれている前提で話を合わせる受け答えと、それを一言で見抜く問いかけが対になっている場面と言えます。
- A: You’re still at the office, aren’t you?
(まだ会社にいるんでしょ?) - B: Yes. I’ll be home soon.
(そうなの。もうすぐ帰るよ。)
返事の食い違いから相手の置かれた状況を推し量り、付加疑問で確かめる。短い一文ですが、会話の流れを読む力が表れる聞き方です。
「正直に言おう」と本音を切り出す言い方
夫妻との食事の場で、ジェイはついに本音を口にします。
Jay: Okay, let’s slow down.
(よし、ちょっと待ってくれ。)
Jay: You’re nice people, we’re nice people, but let’s be honest.
(あんたらはいい人だし、俺たちもいい人間だ。だが正直に言おう。)
Jay: We’ve all tried to do that thing where we force a friendship that isn’t really there so why don’t we just call it a day right now and say good-bye, shake hands, wish each other well?
(誰だって、本当はありもしない友情を無理に作ろうとしたことがあるだろう。だから今ここでお開きにして、さよならを言って握手して、お互いの幸せを祈るってのはどうだ?)
Mrs. Hoffman: Oh, my God.
(なんてこと。)
Mr. Hoffman: This is so uncomfortable.
(ずいぶん気まずいな。)
Jay: No, no.
(いやいや。)
Jay: The beauty of it is, we’re never gonna see each other again so there’s no reason to be uncomfortable.
(いいところは、もう二度と会わないってことだ。だから気まずくなる理由なんてない。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)
let’s be honest は「正直に言おう」と、言いにくいことを切り出す前置きです。ジェイは先に You’re nice people, we’re nice people と相手を持ち上げてから but で本題に入っており、角を立てにくい順番を踏んでいます。
force a friendship は「友情を無理やり作る」という言い方で、that isn’t really there(本当はそこにない)が続くことで、合わない相手と無理に付き合う不自然さを言い表します。なお、同じ文の call it a day はこの話のフレーズ記事で詳しく扱っています。The beauty of it is ~ は「その良いところは〜だ」と利点を示す前置きで、気まずさを打ち消そうとする理屈として使われています。
- Let’s be honest. This plan isn’t working.
(正直に言おう。この計画はうまくいっていない。)
let’s be honest は、このように相手と一緒に現実を認めようと呼びかける形でもよく使われます。一方で、ホフマン夫妻の Oh, my God. や This is so uncomfortable. という反応からは、正直さが相手にとって必ずしも心地よいものではないことも伝わってきます。
正直さを盾にする言い分と、裏切りを責める言い方
夫妻がタクシーを呼んだ後、グロリアはジェイを問いただします。
Gloria: Why did you talk to them like that?
(どうしてあの2人にあんな言い方をしたの?)
Jay: What? I was just being honest.
(何だよ。正直に言っただけだ。)
Jay: They’re boring as hell.
(あの2人、ひどく退屈なんだよ。)
Gloria: Quiet.
(静かに。)
Gloria: They can hear you.
(聞こえちゃうわ。)
Jay: He probably already heard me.
(旦那のほうはもう聞いてるだろうさ。)
Jay: His hobby is listening.
(なにしろ趣味が聞くことだからな。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)
I was just being honest. の be being honest は、「そのときは正直にふるまっていただけ」と一時的な態度を示す進行形です。just が加わることで、悪気はなかったという言い分になります。最後の一言は、ホフマン氏が食事の席で自分の趣味を「聞くこと」だと話していたのを受けた皮肉です。
Gloria: Jay, you don’t treat people like that.
(ジェイ、人をあんなふうに扱うものじゃないわ。)
Jay: What, I should do what you do? Pretend to like someone you don’t?
(何だ、お前みたいにしろってのか?好きでもない相手を好きなふりをしろと?)
Gloria: I’m doing it right now.
(今まさにやってるわよ。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)
pretend to like ~ は「〜を好きなふりをする」で、someone you don’t の後ろには like が省略されています。グロリアの I’m doing it right now. は、今まさに目の前のジェイに対してそうしている、という当てこすりの切り返しです。
Jay: Can we just please forget about this now?
(もうこの話は忘れてくれないか?)
Gloria: And the worst thing is that you sold me out without warning and made me look like a fool.
(それに一番ひどいのは、何の前触れもなく私を裏切って、私をばかみたいに見せたことよ。)
Gloria: Husband and wife are supposed to help each other not throw each other under the bus! I would never do that to you.
(夫婦は助け合うものでしょ、相手を見捨てて犠牲にするんじゃなくて!私なら絶対あなたにそんなことしないわ。)
Modern Family Season2 Episode12 (Our Children, Ourselves)
sell someone out は「〜を裏切る」、throw someone under the bus は「自分の都合で〜を犠牲にする、見捨てる」という口語の言い回しです。どちらも味方であるはずの相手に背を向けられたときの非難として使われます。make someone look like a fool は「〜に恥をかかせる」で、面目をつぶされたことへの不満を表します。
まとめ|本音と建前を言い分ける英語
You’re ~, aren’t you? で相手の状況を見抜き、let’s be honest で本音を切り出し、pretend to like や throw someone under the bus で言い合う。正直さと気づかいのどちらを取るかで、使う英語が変わっていく様子が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、別の家族の一日を取り上げています。


コメント