「Yes, you did.」に見る、失敗を認めた相手にまず同意してから But で支える返し|『ホワイトカラー』S03E06で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「Yes, you did.」に見る、失敗を認めた相手にまず同意してから But で支える返し|『ホワイトカラー』S03E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン3第6話の後半から、若い窃盗犯スコットの行方がつかめなくなり、自分の失敗を口にするニールと、それを受け止めるピーターのやり取りを取り上げます。失敗を認める側の短い一言と、慰めの言葉で打ち消さずに、まず同意してから支える返しが見どころです。

失敗の認め方と受け止め方を、同じ回のニールとスコットの会話も交えながら、順番に見ていきます。

目次

「I screwed up.」と「Yes, you did.」:否定せずに受け止める

スコットの行方がつかめなくなったあと、ニールはピーターにこう切り出します。

Neal: I screwed up.
(しくじった。)
Peter: Yes, you did. But…you helped get Carlisle off the streets. That’s a good win.
(ああ、そうだな。でも……カーライルを捕まえる手助けはした。いい勝ちだ。)
Neal: I actually thought I was getting through to him.
(本当に、彼に届いてると思ってたんだ。)

White Collar Season3 Episode6 (Scott Free)

screw up は「しくじる、へまをする」を表すくだけた句動詞で、I screwed up. は自分の失敗を短く言い切る定番の一言です。

ピーターの Yes, you did. の did は、直前の screwed up を繰り返す代わりに置かれた代動詞です。慰めるなら No, you didn’t.(そんなことはない)と打ち消す手もありますが、ピーターはまず相手の言葉どおりだと認めています。失敗を軽く扱わないことで、続く言葉に重みが出る順番です。

そのうえで But… と視点を切り替え、you helped get Carlisle off the streets と成果を挙げます。help のあとに動詞の原形 get を続ける形で、get ~ off the streets は「(犯罪者などを)街からいなくする」という言い回しです。That’s a good win. と短く評価を添えて締めているのも、会話の流れとして自然です。

ニールの I actually thought ~ は「本当に〜だと思っていた」と、期待が外れたことを示す形です。get through to ~ は「〜に話が通じる、気持ちが届く」で、過去進行形 was getting にすることで「届きかけていると思っていた」という途中の手応えが表れています。

「Never say you’re sorry」と「No, I wouldn’t have. But ~」

この回のニールは、謝ることについて独特の考えを口にしています。ATM から現金があふれ出す騒ぎのあと、スコットが謝ると、ニールは次のように返します。

Neal: Never say you’re sorry unless you’re running a con.
(詐欺を仕掛けてるとき以外は、謝るもんじゃない。)

White Collar Season3 Episode6 (Scott Free)

Never + 動詞の原形 は「決して〜するな」という強い命令で、unless ~ は「〜でない限り」です。run a con は詐欺を仕掛けることを表します。謝罪を詐欺の場面でだけ使うものと位置づける、元詐欺師らしい物言いと言えます。こう口にしていたニールが、ピーターに対しては I screwed up. と自分の失敗をそのまま認めている点も対照的です。

認めてから But で話を戻す型は、スコットとの会話にも表れます。カーライルの逮捕後、自首するつもりはなかったと言うスコットに、ニールは期待していたと返します。するとスコットは、こう問い返します。

Scott: Would you have when you were my age?
(僕くらいの年だったころのあなたなら、そうした?)
Neal: No, I wouldn’t have. But this isn’t about me.
(いや、しなかったね。でも、これは僕の話じゃない。)

White Collar Season3 Episode6 (Scott Free)

Would you have ~? は過去の仮定を尋ねる形で、あとに続くはずの turned yourself in(自首する)が省かれています。ニールの No, I wouldn’t have. も同じ省略の形です。自分も同じことはしなかったと先に認め、But this isn’t about me. で話の中心を相手に戻しています。

Yes, you did. But ~ と No, I wouldn’t have. But ~ は、どちらもまず事実を認めてから But で向きを変える返しです。事実を先に受け入れておくことで、続く But 以下の言葉がまっすぐ届きやすくなります。

まとめ|認めてから But で向きを変える

I screwed up. の短い認め方、Yes, you did. の同意、But で成果や本題に向きを変える返しを見てきました。相手の言葉をまず認める順番が、慰めにも説得にも使われていることが分かります。

これからも『ホワイトカラー』の二人の会話に、言葉の順番の工夫を探していきましょう。

同じエピソードのほかのコラムもあわせて読むと、この回の会話がより立体的に見えてきます。

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