海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第10話では、ルークとマニーの買い物に付き添ったジェイとフィルが、考え方の違いからぶつかる一日が描かれます。その日のうちに、ジェイは自分の態度をフィルに謝ります。
厳しく当たったことを控えめに認める言い方や、相手を気にしすぎるなと伝える言い方には、日常でも使える英語が詰まっています。今回はジェイとフィルの会話から、言いすぎを認めて歩み寄る表現を見ていきます。
「当たりが強い」ことを表す英語
まず、フィルがジェイについて語る言葉から見ていきます。
Phil: Are you kidding me? He’s my boy.
(冗談だろ?彼は俺の相棒だよ。)
Phil: Yeah, he gives me a hard time, but that’s the deal with a father-in-law.
(まあ、きつく当たられはするけど、義理の父親ってそういうものだろ。)
Phil: The key is, I never let him see just how much it devastates me.
(大事なのは、それでどれだけ打ちのめされてるかを絶対に見せないことさ。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)
give someone a hard time は、相手につらく当たる、からかって困らせるという意味の表現です。深刻な対立だけでなく、軽くいじる程度の場面にも使えます。フィルは that’s the deal with ~ で「〜とはそういうものだ」と受け流しつつ、最後に devastates me と大げさな語を添えて、平気ではないことを冗談めかしてのぞかせています。
日常会話では、He always gives me a hard time. のように言えば、「あの人にはいつもきつく当たられる」「いつもからかわれる」という気持ちを、深刻になりすぎずに伝えられます。Don’t give me a hard time. なら「困らせないで」「いじめないで」と軽くたしなめる一言になります。
同じ日の場面で、ジェイがフィルに切り出します。
Jay: Look, I might have come down on you a little bit hard today.
(なあ、今日はちょっとお前にきつく当たりすぎたかもしれん。)
Jay: I’m sorry.
(悪かった。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)
come down on someone は、相手を厳しく叱る、責めるという意味の句動詞です。hard を添えると厳しさが強まります。ジェイはそこに might have と a little bit を重ね、「ちょっと厳しすぎたかもしれない」と控えめに認めています。はっきり非を認めるより言いやすく、そのうえで I’m sorry. と短く謝る順番になっているのが見どころです。
なお、形の似た come down with は「(病気に)かかる」という別の意味の句動詞です。on が付くと矛先が相手に向かう、と覚えておくと区別しやすくなります。
ジェイはさらに続けます。
Jay: I mean, it’s, uh, my fault.
(つまり、その、俺のせいだ。)
Jay: I pushed your buttons.
(お前の神経を逆なでしたんだ。)
Jay: My father-in-law was the same way with me.
(俺の義理の親父も、俺に同じ態度だったんだ。)
Jay: It was horrible.
(ひどいもんだったよ。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)
push someone’s buttons は、相手が反応してしまうスイッチをわざと押すように、いらだたせる、怒らせるという意味の言い回しです。ジェイは自分の側に原因があったと認め、自分も同じように扱われる立場だったと明かしています。know how to push someone’s buttons とすれば「相手を怒らせるつぼを心得ている」という意味になり、家族や親しい間柄についてよく使われます。
take で重ねる掛け合いと、歩み寄りの一言
謝られたフィルは、この機会に一歩踏み込みます。
Phil: You ever think about maybe not being a jerk to me so much?
(俺にそこまで意地悪しないようにしようって、考えたことある?)
Jay: You see, you got to stop taking that stuff personally.
(いいか、ああいうのをいちいち自分のことと受け取るのはやめろ。)
Jay: I’m like that with everybody.
(俺は誰に対してもああなんだ。)
Jay: I’m tough.
(厳しいんだよ。)
Phil: And mean.
(それに意地悪だし。)
Jay: I don’t like to take guff.
(舐めた口をきかれるのは好かん。)
Phil: Or people’s feelings into consideration.
(人の気持ちを考えるのもね。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)
take ~ personally は「〜を自分への攻撃として受け取る」という意味で、Don’t take it personally.(気にしないで)の形でもよく使われます。ジェイはこの表現で、自分の態度はフィルに向けたものではないと説明しています。
面白いのは、その後の掛け合いです。take guff は「生意気な口答えを受け入れる」という意味で、ジェイは I don’t like to take guff. と自分の性分を語ります。フィルはこの文の take につなげる形で people’s feelings into consideration と付け足し、take ~ into consideration(〜を考慮する)を完成させています。ジェイの言葉を借りて皮肉を返すという、文法を使った言葉遊びと言えます。
最後に、ジェイは態度を少し改めます。
Jay: Okay, okay.
(分かった、分かったよ。)
Jay: I can’t swear my way is the right way.
(俺のやり方が正しいとは言い切れん。)
Jay: I see you smiling, skipping around and I think sometimes, I don’t know, maybe the boys would be better off if they were a little bit more like you.
(お前がにこにこしてスキップして回ってるのを見ると、時々思うんだ。よく分からんが、あいつらもお前にもう少し似たほうがいいのかもしれないってな。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)
I can’t swear ~ は「〜だと誓うことはできない」、つまり「〜とは言い切れない」という言い方です。would be better off は「〜のほうがよい状態になる」という意味で、相手のやり方を認めるときに使えます。自分の正しさを手放して相手を認めるという流れが、この場面の歩み寄りになっています。謝罪で始まった会話が、相手の良さを口にするところまで進んでいく点に、2人の距離の変化が表れています。
まとめ|厳しさを認める言葉と歩み寄る言葉
give someone a hard time・come down on someone・push someone’s buttons で当たりの強さを表し、take ~ personally や I can’t swear ~ で歩み寄る。2人の言葉が少しずつ距離を縮めていく様子が伝わってきます。
『モダンファミリー』の家族の会話を、これからも一緒に楽しんでいきましょう。
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