海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第23話は、高校進学を控えたアレックスが、学年トップとして卒業式でスピーチをする回です。姉のヘイリーとの会話でも、式のスピーチでも、stuff という身近な単語が「それぞれが抱えている事情」という意味で使われています。
今回はこの2つの場面から、誰にでも抱えているものがあると伝える英語表現と、同じ回に2度登場する figure out の使い分けを見ていきます。
everybody has their stuff の stuff が指すもの
ヘイリーが、人気者についてのアレックスの言い方を持ち出して問いかける場面です。
Haley: Do you hate me?
(あたしのこと、嫌いなの?)Alex: What?
(何?)Haley: You talk about how all the popular kids are shallow and lame.
(人気者はみんな薄っぺらでダサいって言ってるじゃん。)Alex: I didn’t mean you.
(お姉ちゃんのことじゃないよ。)Haley: You think you have everyone figured out but everybody has their stuff.
(みんなのことお見通しだと思ってるみたいだけど、誰にだっていろいろあるんだよ。)Alex: What stuff do you have? Too many boys chasing after you? Too many parties?
(お姉ちゃんに何があるっていうの? 男の子に追いかけられすぎ? パーティーが多すぎ?)Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)
stuff は「物」や「こと」を広く指す単語ですが、everybody has their stuff では「それぞれが抱えている悩みや事情」の意味で使われています。中身を具体的に言わずに、誰にでも何かしらあることを示せるのがこの言い方の特徴です。
アレックスの What stuff do you have? は、同じ stuff を受けて聞き返す形です。続く2つの問いかけが、悩みとは言えないようなことばかりを並べているため、皮肉を込めた問い返しになっています。
同じ文の前半 You think you have everyone figured out は、have + 人 + figured out で「〜のことをすっかり分かっている」という意味です。you think を前に置くと、「分かったつもりでいる」という指摘に変わります。
その前のアレックスの I didn’t mean you. も押さえておきたい一言です。mean はここでは「〜のことを指して言う」の意味で、「お姉ちゃんのことを言ったんじゃない」と、話の対象から相手を外す言い方になっています。誤解を解きたいときに、そのまま使える短い形です。
Is that enough stuff for you? で切り返す打ち明け方
アレックスに聞き返されたヘイリーは、自分のことを話し始めます。
Haley: You really wanna know what stuff I have?
(あたしに何があるか、ほんとに知りたい?)Alex: Yeah.
(うん。)Haley: I’m flunking out of Biology, and now I have to go to summer school.
(生物で落第しそうで、夏期講習に行かなきゃいけないの。)Haley: My friends, all they can ever talk about nowadays is going off to college and I don’t even know if I can get into college.
(友達は最近、大学に行く話ばっかりなのに、あたしは大学に入れるかどうかも分かんないし。)Haley: Is that enough stuff for you?
(これで足りる?)Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)
You really wanna know ~? は「本当に知りたいの?」と念を押してから本題に入る前置きです。flunk out of は「(科目や学校で)落第する」で、I’m flunking out と進行形にすると「落第しかけている」という途中の状態を表します。
2つ目の文の all they can ever talk about is ~ は、「話すことといえば〜ばかり」という意味になります。all が主語になり、「彼らが話せることの全部が〜だ」という形で、話題がひとつに偏っている様子を表します。nowadays(最近は)が加わることで、「このところ」という時期の区切りも添えられます。
最後の Is that enough stuff for you? は、アレックスの What stuff do you have? を同じ stuff で受けて切り返す一言です。「これで足りる?」と問い返す形で、聞かれたことへの答えを相手に突きつける言い方になっています。
卒業式のスピーチに出てくる everybody’s got their stuff
アレックスが卒業式で述べたスピーチにも、stuff が出てきます。
Alex: It’s ironic that I stand up here representing my classmates when they’re so awesome. They should be up here themselves. But I’m up here and I’m sayin’ stuff ‘cause everybody’s got their stuff whether you’re popular or a drama geek
(皮肉なことに、こんなに素晴らしい同級生を代表して私がここに立っています。本当はみんな自身がここに立つべきです。でも私がここで話しているのは、誰にでもそれぞれ事情があるからです。人気者でも、演劇好きでも)— Oh.
(おお。)Alex: Or a cheerleader or even a nerd like me. We all have our insecurities.
(チアリーダーでも、私みたいながり勉でも。誰もが自信のなさを抱えています。)Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)
スピーチの本題に入る一文 It’s ironic that ~ は、「〜とは皮肉なことです」と、状況の食い違いを先に示す書き出しです。ここでは、素晴らしい同級生ではなく自分が代表として立っていることを「皮肉」と呼んでいます。
everybody’s got their stuff は everybody has got their stuff の短縮形で、have got は話し言葉で have の代わりに使われる形です。後ろの whether you’re A or B は「AであってもBであっても」で、人気者から自分のようながり勉まで、立場の違う人を並べて「誰にでも」の範囲を広げています。insecurity は「自信のなさ・不安」で、複数形にすると一人ひとりが抱える具体的な不安を指します。
Cameron: Yes, we do.
(そうだよね。)— Shh.
(しーっ。)Alex: We’re all just trying to figure out who we are.
(みんな、自分が何者なのかを見つけようとしているだけなんです。)Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)
キャメロンの Yes, we do. は、We all have our insecurities. の have を do で受けて同意する返し方です。相手の文の動詞をくり返さずに短く応じられる形として、日常会話でも使えます。
figure out は「考えて答えを見つける」です。ヘイリーの have everyone figured out が「もう分かっている」状態を指していたのに対し、ここでは「まだ分からないものを見つけようとしている途中」を表しています。同じ句動詞が2つの場面で違う向きに使われているのが面白いところです。
まとめ|stuff と figure out で伝える「みんな同じ」
everybody has their stuff や everybody’s got their stuff は、中身を言わずに「誰にでも事情がある」と伝えられる言い方です。What stuff do you have? や figure out とあわせて押さえると、相手の悩みに触れる会話で使える言い回しが増えます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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