「She holds it in」に見る、感情をこらえる様子と、こらえきれずにあふれる瞬間を表す英語表現|『モダンファミリー』S02E23で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「She holds it in」に見る、感情をこらえる様子と、こらえきれずにあふれる瞬間を表す英語表現|『モダンファミリー』S02E23で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第23話は、アレックスの卒業式の日を描いた回です。フィルは、家族の節目のたびにクレアが気持ちをこらえ、あとから一気に崩れると語ります。後半には、クレアがフィルに自分の胸の内をそのまま打ち明ける場面も描かれます。

今回は、気持ちをこらえる・あふれる・受け止めるという3つの動きを表す英語表現を、台詞の流れに沿って見ていきます。

目次

hold it in と meltdown、pick up the pieces

フィルが、家族の節目でのクレアの様子を語る場面です。直前には、家族の節目がクレアを動揺させるという一言があり、その throw someone for a loop はフレーズ記事でも取り上げています。

Phil: She holds it in, and then the next day she has a total meltdown and I have to pick up the pieces.
(クレアは気持ちをぐっとこらえるんだ。で、次の日に完全に崩れちゃって、俺がその後始末をすることになるんだよ。)

Phil: The problem is tomorrow I’m supposed to go to Vegas with my buds so I need her to melt down today.
(問題は、明日は仲間とベガスに行く予定だってこと。だから今日のうちに崩れてもらわないと困るんだよ。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

最初の文には、感情の動きを表す表現が3つ並んでいます。

hold it in の it は、表に出していない気持ちを指します。「内側に押しとどめておく」という形で、泣きたい気持ちや不満をこらえている様子を表します。

have a total meltdown の meltdown は、もともと「溶けて崩れ落ちること」を指す語です。感情について使うと「こらえきれずに一気に崩れる」という意味になり、total が付くことで「完全に」という強さが加わります。2文目の melt down は同じ語の動詞形です。

pick up the pieces は「散らばった破片を拾い集める」が文字どおりの意味で、崩れた後の立て直しを引き受けることを表します。こらえる、崩れる、立て直すという流れが1文にまとまっているのが見どころです。

2文目の The problem is ~ は、「問題は〜ということ」と本題を切り出す前置きです。ここからは、フィルがこの流れを今日のうちに済ませてほしい理由も分かります。気づかいと自分の予定の都合が同じ文に並んでいる点に、フィルらしい語り口が表れています。

Don’t cry と Don’t be brave

フィルがクレアに声をかける場面です。

Phil: Hey, Mama Bear. You okay?
(やあ、ママ・ベア。大丈夫?)

Claire: Not with “Mama Bear” I’m not.
(「ママ・ベア」なんて呼ばれたら大丈夫じゃないわよ。)

Phil: Don’t cry.
(泣かないで。)

Claire: I’m not crying.
(泣いてないわよ。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

クレアの返事を受けて、フィルはこう続けます。

Phil: Shh! Don’t be brave. I’m here for you until 2:00 p.m. tomorrow, when my flight leaves for Vegas.
(しーっ! 強がらなくていいんだよ。明日の午後2時、ベガス行きの飛行機が出るまではそばにいるからさ。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

Mama Bear は子どもを守る母グマのイメージから、子どもを大事にする母親を指して使われる呼び方です。クレアの Not with “Mama Bear” I’m not. は、「その呼び方をされるなら大丈夫とは言えない」と、相手の言葉を条件にして打ち消す形になっています。

Don’t cry. に I’m not crying. と返すやり取りは、「泣いていない」と否定して平気な顔を保つときの言い方です。そこへ続く Don’t be brave. は、brave(勇敢な)を否定して「無理に平気なふりをしなくていい」と伝える一言です。

I’m here for you は「そばにいるよ」と寄り添う気持ちを伝える言い方ですが、ここでは until 以降で期限が区切られています。前の場面の予定の話と重なり、励ましの言葉と都合が同居した台詞になっているのが面白いところです。

We’re losing her と They leave

アレックスの卒業式に向かうクレアとフィルの会話です。

Claire: It’s not okay, Phil. It’s not okay. We’re losing her.
(大丈夫じゃないのよ、フィル。全然大丈夫じゃない。あの子が離れていっちゃう。)

Phil: Alex?
(アレックスが?)

Claire: Yes.
(そうよ。)

Phil: You’re not losing her.
(離れていったりしないよ。)

Claire: Oh, we are. She’s going to high school.
(ううん、離れていくのよ。高校に行っちゃうんだから。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

It’s not okay. をくり返したあとに出てくる We’re losing her. は、lose を進行形にすることで「今まさに離れていく途中」を表しています。フィルの You’re not losing her. に対して Oh, we are. と be動詞だけで打ち返す形も、短く反論するときに使えます。

続く She’s going to high school. は、進行形で「これから高校に行く」という決まった予定を表す形です。クレアにとって、その予定そのものが「離れていく」理由として語られています。

Claire: We’re losing another one. That’s what kids do. They leave.
(また一人いなくなっちゃう。子どもってそういうものなのよ。出ていくの。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

That’s what kids do. は「それが子どもというもの」と一般化して言う形です。クレアはこのあと、出ていった子どもは戻ってこないと続けます。

Phil: Oh, well, ours will come back. Right?
(まあ、うちの子たちは戻ってくるよ。だよね?)

Claire: What if they don’t and pretty soon it’s just the two of us?
(もし戻ってこなくて、すぐに私たち2人だけになったら?)

Phil: I don’t wanna go to Vegas anymore.
(もうベガスに行きたくなくなっちゃったよ。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

What if ~? は「もし〜だったらどうするの?」と、不安な仮定を口にするときの形です。フィルの Right? は、言い切ったあとに自分でも確かめるような付け足しになっています。最初の場面で予定を気にしていたフィルが、ここではもうベガスに行きたくないと口にします。

まとめ|こらえる・あふれる・受け止める

hold it in、have a total meltdown、pick up the pieces に、Don’t be brave. や We’re losing her. を重ねると、気持ちをこらえる段階からあふれ出す段階までを英語で追えます。台詞の流れとあわせて覚えると、使う場面も思い浮かべやすくなります。

家族の会話を観ながら、『モダンファミリー』の英語をこれからも味わっていきましょう。

このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、同じ一日の別の場面を取り上げています。

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