「He’s in a better place.」に見る、はっきり言わずにぼかす言い方と、その裏を読む英語表現|『モダンファミリー』S02E05で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「He's in a better place.」に見る、はっきり言わずにぼかす言い方と、その裏を読む英語表現|『モダンファミリー』S02E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第5話では、朝も夜も吠え続けていた隣家の犬がいなくなり、ジェイが妻のグロリアに、いったい何をしたのかを問いただします。グロリアの答えはどれも遠回しで、ジェイはそのたびに言葉の裏を読もうとします。

今回は、事情をはっきり言わずにぼかす言い方と、ぼかされた言葉の裏を読んで切り返す言い方を、このやり取りから見ていきます。

目次

「知らない方がいい」とはぐらかす言い方

隣に住むラリーの犬は、別居中の妻が置いていった犬で、その鳴き声でマニーが眠れないとグロリアは訴えていました。犬がいなくなった後、ラリーはジェイとグロリアを疑って訪ねてきます。ジェイがラリーを帰した直後の会話です。

Jay: What did you do?
(何をしたんだ?)

Gloria: You don’t want to know.
(知らない方がいいわよ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

You don’t want to know. は直訳すると「あなたは知りたくないはず」で、詳しく話すのを避けて相手の追及をかわす決まり文句です。何か悪いことがあったように聞こえるため、かえって相手の想像をかき立てる一言にもなります。

その後ジェイは、2人だけの話としてマニーに探りを入れます。マニーは質問の中身を先回りしたうえで、自分の決まりを口にします。

Manny: And when it comes to my mom never ask questions I don’t want the answers to.
(それと、母さんのことになると、答えを知りたくない質問はしないことです。)

Jay: I don’t buy it.
(信じないね。)

Jay: A sensitive kid like you I think you want to know every bit as much as I do.
(お前みたいに繊細な子は、俺と同じくらい知りたいはずだ。)

Manny: You’re wrong.
(違いますよ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

never ask questions I don’t want the answers to は「答えを聞きたくない質問はしない」という言い回しです。when it comes to ~(〜のことになると)と組み合わせることで、特定の相手や話題についての自分なりのルールを示せます。ジェイの I don’t buy it. は「その話は信じない」という口語で、buy が「受け入れる」の意味で使われています。

遠回しな言い方と、その裏を読む切り返し

犬に何かしたのではと疑われていたと知ったグロリアに、ジェイは改めて犬の行き先を尋ねます。

Jay: Just tell me what you did with it.
(いいから、あれをどうしたのか言えよ。)

Gloria: He’s in a better place.
(あの子はもっといい所にいるわ。)

Jay: That’s what people say when something’s dead.
(それは何かが死んだときに言うセリフだろ。)

Gloria: Okay, fine.
(わかったわよ。)

Gloria: I took him to a farm where he has plenty of room to run.
(走り回れる場所がたっぷりある農場に連れて行ったの。)

Jay: That’s the second thing people say when something’s dead.
(それは死んだときに言うセリフの2番目だ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

He’s in a better place. は、亡くなった人やペットについて遠回しに言うときに使われることが多い表現です。「農場に連れて行った」という言い方も、ペットとの別れを子どもにやわらかく伝える言い回しとして知られている、と言われることがあります。ジェイはまさにその含みを拾い、That’s what people say when ~.(それは〜のときに人が言うことだ)と返しています。

グロリアの説明では、犬は田舎に住む美容師の兄弟の家族(子どもが3人)に喜んで引き取られていました。遠回しに言ったつもりの言葉が、かえって最悪の意味に聞こえてしまったわけです。

  • A: Where’s your old car? Is it in a better place?
    (前の車はどこ? もっといい所に行ったの?)
  • B: That’s what people say when something’s dead. I sold it.
    (それって何かが死んだときの言い方だよ。売っただけ。)

「最初から言ってくれれば」と詰める言い方

事情が分かったところで、ジェイはもう一歩踏み込みます。

Jay: Why didn’t you just tell me this in the first place?
(なんで最初からそう言わなかったんだ?)

Gloria: Ay, like you would be okay with me stealing a dog.
(もう、私が犬を盗んでもあなたが平気なわけないでしょ。)

Jay: No.
(ああ、平気じゃない。)

Gloria: Exactly.
(でしょ。)

Gloria: That’s why I didn’t tell you.
(だから言わなかったのよ。)

Gloria: Now the dog is happy, Manny can sleep, and we have pickles.
(これで犬は幸せ、マニーは眠れる、うちにはピクルスもあるわ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

in the first place は「そもそも、最初に」という意味で、Why didn’t you just ~ in the first place? は「最初からそうしてくれればよかったのに」と相手を責める定番の形です。just が入ることで、簡単なことなのに、という不満がにじみます。

グロリアの Exactly. That’s why I didn’t tell you. は、相手の答えを受けて「だからこそ言わなかった」と理由をつなげる切り返しです。反対されると分かっていたから黙っていた、という筋の通し方が伝わってきます。

その前の like you would be okay with ~ は、「あなたが〜を平気で受け入れるはずがない」という皮肉まじりの言い方です。like を文頭に置いて「まるで〜みたいに言うけど」と相手の反応を先回りして皮肉る形は、くだけた会話でよく耳にします。

  • A: Why didn’t you just ask me in the first place?
    (なんで最初から私に聞かなかったの?)
  • B: Like you would have said yes.
    (聞いたってイエスって言わなかったでしょ。)

まとめ|ぼかす言い方と、裏を読む言い方

You don’t want to know. や He’s in a better place. で事情をぼかし、That’s what people say when ~. で裏を読み、in the first place で最初から話さなかったことを問いただす。濁す側と読む側の英語がそろった場面です。

2人の掛け合いを思い浮かべて観直すと、言葉の裏の読み合いがいっそう楽しめます。

同じエピソードのほかのコラムでは、ダンフィー家とミッチェルたちの別の騒動も取り上げています。

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