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『モダンファミリー』シーズン2第18話では、ジェイとグロリア、マニーの3人の間で「新しいことを試すかどうか」がくり返し話題になります。朝の卵料理に戸惑うマニー、コンサート会場で自分は抜けると言い出すジェイ、そしてその言い分をそのまま返すグロリアと、同じ言い争いが立場を入れ替えながら続いていきます。
今回は、新しいことを渋る言い方と、それを言い返される流れを英語で追っていきます。
「try new things」と「spring this on me」に見る朝の卵騒動
朝の場面で、グロリアがマニーに、卵をスクランブルにしたと告げるところからやり取りが始まります。
Gloria: I scrambled it.
(スクランブルにしたのよ。)Gloria: It’s good for you to try new things.
(新しいことに挑戦するのは、あなたのためになるんだから。)Manny: I don’t want to try new things.
(新しいことなんて挑戦したくないよ。)Manny: You can’t just spring this on me.
(こんなふうにいきなり出されても困るよ。)Gloria: I have bad news, Manny.
(残念なお知らせよ、マニー。)Gloria: This is not the biggest curveball that life is going to throw at you.
(人生があなたに投げてくる変化球は、これがいちばん大きいってわけじゃないのよ。)Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)
try new things は「新しいことを試す」という意味で、things を複数形にすることで特定の何かではなく「新しいこと全般」を指す形です。グロリアの一文は、卵の話を入り口にしながら、もっと広い心構えとして語られているのが分かります。
マニーが返した spring this on me の spring は「跳ねる」が元の意味で、spring something on someone は「相手に心の準備をさせないまま、急に何かを持ち出す」という使い方をされます。予告なしの変更や知らせに不満を言うときの言い回しです。
グロリアの curveball は野球の変化球のことで、throw a curveball at someone の形で「予想外の出来事で相手を戸惑わせる」という比喩表現として使われます。卵の調理法ひとつに抗議するマニーを、人生の話にまで広げて返しているところに、このやり取りのおかしみがあります。
- A: The meeting is today? You can’t just spring this on me.
(会議って今日なの?いきなりそんなこと言われても困るよ。) - B: Sorry, I just found out myself.
(ごめん、私もさっき知ったところなの。)
このあとジェイも、クラブケーキを試してみたら気に入ったという自分の話をマニーに聞かせます。
「I’m old enough to know what I like」で経験を盾にする
3人でコンサートに出かけると、ジェイは演目が楽器だけの演奏だと知り、自分は抜けると言い出します。そこでグロリアとマニーが言い返します。
Jay: I hate this kind of music.
(こういう音楽は大嫌いなんだ。)Gloria: Jay, you always do that.
(ジェイ、あなたっていつもそうよ。)Gloria: Every time we try something new, your first reaction is always no.
(何か新しいことをしようとするたびに、最初の反応は決まって「嫌だ」なんだから。)Jay: I’m old enough to know what I like and what I don’t like.
(俺はな、自分が何を好きで何が嫌いか分かる歳なんだよ。)Manny: What about the crab cakes?
(クラブケーキはどうなの?)Jay: That was a fluke.
(あれはまぐれだ。)Jay: And I can’t slather that boring music in tartar sauce.
(それに、退屈な音楽にタルタルソースをたっぷりかけるわけにもいかないだろ。)Manny: So I have to try new things like scrambled eggs but you don’t have to?
(じゃあ、僕はスクランブルエッグみたいな新しいことに挑戦しなきゃいけないのに、ジェイはしなくていいってこと?)Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)
old enough to know ~ は「〜が分かるくらいの年齢だ」という形で、自分の経験を根拠に相手の提案を退けるときに使えます。後ろに what I like and what I don’t like を置くと、「好き嫌いはもう決まっている」という言い切りが完成します。
fluke は「まぐれ」「偶然の当たり」を指す名詞です。朝のクラブケーキの話を持ち出されたジェイは、それを例外扱いにして自分の主張を守ろうとします。続くタルタルソースの一言は、クラブケーキに添えられることの多いソースを引き合いに出した冗談として読み取れます。
マニーの最後の問いかけは、朝に自分が言われたことをそのままジェイに当てはめたものです。So I have to ~ but you don’t have to? の形は、ルールの不公平さを指摘するときにそのまま応用できます。
- A: I’m old enough to know what I like. I’ll stick with coffee.
(自分の好みくらい分かってるよ。コーヒーにしておく。) - B: You said the same thing about sushi, remember?
(お寿司のときも同じことを言ってたよね?)
同じ言い回しで言い返されるジェイ
コンサートの後の場面で、ジェイは瓶のふたが開けられずにいます。
Jay: I can’t open this.
(これ、開かないな。)Gloria: Maybe if you had gone to the concert instead
(コンサートに行っていれば、たぶん……)Jay: Could you open it, please?
(開けてくれないか、頼むよ。)Gloria: I would.
(そうしてあげたいけど。)Gloria: But I’m old enough to know that I don’t like opening aspirin bottles.
(でも私、アスピリンの瓶を開けるのは好きじゃないって分かる歳なのよ。)Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)
グロリアの2つ目の発言 Maybe if you had gone to the concert instead は、if + had + 過去分詞 の形で「(実際には行かなかったけれど)もし行っていたら」と過去の事実に反する仮定を表しています。文の後半を言わずに止めているため、「行っていればこうはならなかったのに」という含みだけが残る言いさしの形です。
そのうえでグロリアは、コンサート会場でジェイが口にした I’m old enough to know の形をそのまま借りて、頼みごとを断っています。後ろを that 節にして、何が嫌なのかを具体的に言っている点も見どころです。
相手の言い回しを使って返すと、「あのときのあなたと同じことを言っているだけ」という当てこすりが生まれます。I would, but ~ で「そうしたいけれど」と一度受けてから断る流れも、柔らかく聞こえて実は断っているという、この場面の皮肉を支えていると言えます。
- A: Can you help me carry these boxes?
(この箱、運ぶのを手伝ってくれる?) - B: I would, but I’m old enough to know that I don’t like lifting heavy things.
(そうしたいけど、重いものを持つのは好きじゃないって分かる歳なんだよね。)
まとめ|好き嫌いを言い切る英語と、その返され方
try new things と spring something on someone で新しいことへの戸惑いを、I’m old enough to know what I like と fluke で経験を盾にした言い分を見てきました。同じ言い回しが相手の口から返ってくると、響きががらりと変わることも分かります。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話を手がかりに、英語の言い回しを見ていきましょう。
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