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『モダンファミリー』シーズン2第5話では、クレアが家族に1週間のネット禁止を言い渡し、フィルがそれを、最後まで我慢した人に賞品が出る勝負に変えてしまいます。勢いで交わした約束は、最後まで残ったヘイリーを前にして思わぬ形で揺らぎます。
今回は、家族に勝負を持ちかける言い方と、決まったはずの約束を後からやんわり覆す言い方を、この一連のやり取りから見ていきます。
我慢くらべを勝負に変えて持ちかける言い方
クレアが家族会議で、携帯やゲーム、インターネットを1週間禁止すると告げます。子どもたちが口々に不満を言う中、フィルが新しい提案を持ち出します。
Phil: You know what? We’re gonna make this fun, turn it into a game.
(そうだ! これを楽しくしようぜ、ゲームにしちゃうんだ。)Phil: Whoever stays unplugged the longest wins.
(一番長くネットなしでいられたやつの勝ちだ。)Claire: Not what I had in mind, Phil.
(そういうつもりじゃなかったんだけど、フィル。)Alex: What do we win?
(勝ったら何がもらえるの?)Phil: What do you want?
(何が欲しい?)Alex: A new computer.
(新しいパソコン。)Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)
turn it into a game は「それをゲームにする」という言い方で、面倒な決まりごとを楽しい形に変えようとするときによく使われます。続く Whoever stays unplugged the longest wins. は、whoever で始めて「〜した人が勝ち」とルールを一文で示す形です。unplugged はもともと「プラグを抜いた」状態を指し、ここではネットや電子機器から離れていることを表しています。
アレックスの What do we win? に、フィルが What do you want? と聞き返す流れは、賞品を決める会話の型としてそのまま使えます。この後ヘイリーが車を求め、クレアの No way! をよそに、フィルは Done! と即答します。Done! は「決まり」「それで手を打とう」という即決の返事です。
- A: Let’s turn it into a game. Whoever finishes first wins.
(ゲームにしよう。最初に終わった人の勝ちね。) - B: What do we win?
(勝ったら何がもらえるの?)
クレアの Not what I had in mind は、提案が自分の意図からずれてしまったことを伝える一言です。
本音の前にクッションを置く言い方
車の約束に、クレアはすぐに異を唱えます。
Claire: No, no, no! Phil, we cannot afford a third car.
(ダメダメダメ! フィル、3台目の車なんて買う余裕ないでしょ。)Phil: Relax.
(落ち着けって。)Phil: They’re never gonna last as long as us.
(あいつらが俺たちより長くもつわけないさ。)Claire: Oh, honey, don’t take this the wrong way but I have almost no faith in you.
(ねえ、悪く取らないでほしいんだけど、あなたのことはほとんど信用してないの。)Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)
フィルが強気でいられるのは、子どもたちのほうが先に脱落すると見込んでいるからです。last は「もつ、持ちこたえる」という意味の動詞で、我慢くらべの話にぴたりと合います。
クレアの返事にある don’t take this the wrong way, but は、「悪く取らないでほしいんだけど」と前置きしてから言いにくい本音を続ける形です。ここで続くのは I have almost no faith in you(あなたをほとんど信用していない)という手厳しい一言で、前置きの柔らかさと中身の落差が場面の面白いところです。
- A: Don’t take this the wrong way, but your plan won’t work.
(悪く取らないでほしいんだけど、その計画はうまくいかないと思う。)
同じ働きをする前置きには No offense, but や I hate to say this, but などもあります。どれも後ろに続く内容が本題で、前置きだけで角が取れるわけではない点は押さえておきたいところです。フィルの Relax. も、相手の心配を一言で受け流す短い返事として使えます。
決まったはずの約束を後から覆す言い方
終盤、フィルが自分はネットにつないでいると認めたところで、ヘイリーの携帯に見えたものは、石けんを彫って色を塗った作り物だったと明かされます。ところが両親は車は買わないと告げ、フィルは we never thought you would(勝つとは思ってなかった)と打ち明けます。
Haley: So?
(それで?)Claire: So Congratulations on your victory.
(だから……勝利おめでとう。)Claire: Nobody can ever take that away from you.
(その勝利は誰にも奪えないわ。)Phil: So true.
(まったくだ。)Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)
Nobody can ever take that away from you. は本来、相手の成果を心から称える言い方です。ここでは勝ったという事実だけをたたえ、約束の賞品には触れずに済ませるための言葉として使われています。
Haley: But I spent two days in my room, talking to a bar of soap.
(でも私、2日間も部屋で石けんに話しかけてたんだけど。)Haley: It’s not fair.
(ずるいよ。)Phil: It’s totally not fair.
(まったくずるいよな。)Claire: We’re outraged.
(私たちも憤慨してるわ。)Phil: Bad parenting.
(ひどい子育てだ。)Haley: But we had a deal.
(でも約束したじゃん。)Phil: Which, in hindsight, was utter nonsense.
(今思えば、あれはまったくのでたらめだったな。)Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)
両親はヘイリーの訴えに口では同意しながら、結論は変えません。deal は「取り決め、約束」のことで、But we had a deal. は約束を持ち出して相手に守らせようとする定番の言い方です。in hindsight は「後から振り返ると」という意味で、当時の判断を今の目で見直すときに使います。
- A: But we had a deal.
(でも約束したよね。) - B: In hindsight, that was a bad idea.
(今思えば、あれはまずい考えだったよ。)
まとめ|勝負を持ちかける言い方と、約束を覆す言い方
turn it into a game と Whoever ~ wins で勝負を持ちかけ、Done! で即決し、We had a deal と in hindsight で約束をめぐって押し引きする。家族の小さな賭けを始まりから終わりまで追うと、約束にまつわる英語の型がひと通り見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、使える英語を一緒に拾っていきましょう。
この回のネット禁止の顛末は、同じエピソードのフレーズ記事やほかのコラムからもたどれます。


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