海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第14話では、バレンタインの夜にジェイが自宅でのサプライズを計画します。ところがグロリアはその動きに気づいていて、話は思わぬ方向へ進みます。どちらが相手を出し抜いたかをめぐるやり取りには、念押しの頼み方や勝ち負けを表す短い言い方が詰まっています。
計画を守るための頼み方、勝ちを宣言する言い方、そして勝負そのものをたしなめる言い方を、場面の順に見ていきます。
「Do not give us a table.」念を押して頼む言い方
ジェイは2か月前に、自宅での夕食のためにシェフや演奏者を手配していたと明かします。そのうえでレストランの店の人にお金を渡し、こう頼みます。
Jay: This is 50 bucks.
(50ドルだ。)Jay: Do not give us a table.
(俺たちに席を出すな。)Maitre d’: What’s the money for?
(このお金は何のためです?)Jay: You also must refuse my wife.
(それと、女房の頼みも断ってくれ。)Jay: She’s very persuasive.
(あいつは人を説得するのがうまいんだ。)Modern Family Season2 Episode14 (Bixby’s Back)
bucks はドルを指すくだけた言い方で、50 bucks は「50ドル」です。日常会話でよく耳にする語です。
Do not give us a table. は、否定の命令文を短縮せずに Do not と言い切る形です。Don’t より一語ずつ区切って聞こえるため、「ここは絶対に」という念押しの響きが強まります。
You also must refuse my wife. の must も同じ働きをしています。頼みごとに must を使うと、お願いというより指示に近い言い方になります。さらに She’s very persuasive. と理由を添えることで、相手が押し切られないよう先回りしています。persuasive は「説得力がある」「人をその気にさせるのがうまい」という意味の形容詞です。
店の人の What’s the money for? は「このお金は何のため?」と用途を尋ねる定番の聞き方です。for を文末に置くだけで目的を問う形になる点も押さえておけます。
「I think you think」入れ子で本音をぶつける言い方
自宅に戻ったあと、ジェイは用意したはずの夕食がどうなったのか分からずにいます。
Jay: I had a whole private dinner planned.
(二人だけの夕食を丸ごと計画してたんだ。)Jay: I don’t know what happened.
(何がどうなったのか分からん。)Gloria: But I do.
(でも、私は分かってる。)Gloria: I know exactly what happened!
(何があったか、ちゃんと分かってるのよ!)Jay: No, you don’t.
(いや、分かってない。)Modern Family Season2 Episode14 (Bixby’s Back)
But I do. では、直前の I don’t know を受けて do だけで返しています。同じ動詞を繰り返さずに「私は分かってる」と切り返せます。
グロリアは、ジェイがこそこそ動いていたことに気づき、逆に自分がジェイをだましたと明かします。勝ったと言うグロリアに、ジェイが聞き返します。
Jay: What do you mean, you win?
(勝ったって、どういう意味だ?)Gloria: I know you think I think you’re not romantic but I think you think I’m not smarter than you.
(あなたは、私があなたをロマンチックじゃないと思ってるって思ってるでしょ。でも私は、あなたが私のことを自分より賢くないと思ってるって思ってるの。)Gloria: So now we know.
(これではっきりしたわね。)Gloria: You are romantic, and I’m smarter than you.
(あなたはロマンチックで、私はあなたより賢いってこと。)Gloria: And I bought you a motorcycle.
(それに、あなたにバイクを買ったの。)Jay: My God.
(なんてこった。)Jay: It’s fantastic!
(最高じゃないか!)Gloria: I win again!
(また私の勝ち!)Modern Family Season2 Episode14 (Bixby’s Back)
What do you mean, ~? は、相手の言葉をそのまま繰り返して「それはどういう意味?」と問い返す言い方です。
you think I think は「私がこう思っている、とあなたは思っている」という入れ子の形です。I think you think と順番を入れ替えることで、お互いの思い込みを並べています。そのあと So now we know. で「これではっきりした」とまとめ、結論を一文で言い切る流れが見どころです。
- A: I think you think I’m mad at you.
(あなたは私が怒ってると思ってる、って私は思ってるの。) - B: And I think you think I forgot your birthday.
(で、君は俺が誕生日を忘れたと思ってる、と俺は思ってる。)
入れ子は二重までなら会話でも十分に通じますが、三重以上になると聞き手が追いつきにくくなることが多いようです。グロリアの台詞も二重の入れ子を二つ並べた形で、言葉遊びとして楽しめる範囲に収まっています。
「you can’t win Valentine’s Day」勝ち負けじゃないとたしなめる
勝ちを重ねるグロリアに、ジェイはこう返します。
Jay: Honey, I love all this, but you can’t win Valentine’s Day.
(なあ、これは全部うれしいが、バレンタインってのは勝ったり負けたりするもんじゃないんだ。)Jay: I mean, you defeat the whole idea if you make it into some silly competition.
(つまり、くだらない勝負にしちまったら、そもそもの意味がなくなるってことだ。)Gloria: Shut up.
(うるさい。)Gloria: I win.
(私の勝ち。)Modern Family Season2 Episode14 (Bixby’s Back)
you can’t win ~ は、「〜は勝ち負けで決まるものではない」と伝える言い方です。ここでの you は目の前のグロリアだけでなく、一般の人を指す使い方と読み取れます。
defeat the whole idea は「本来の意味を台なしにする」、make it into a competition は「それを勝負事にしてしまう」という意味です。I love all this, but と、まず喜びを伝えてから本題に入る順番も参考になります。
それでもグロリアは I win. と短く返し、勝ち宣言を崩しません。たしなめる側と勝ちにこだわる側の温度差が伝わってきます。
- A: I got you a bigger gift than you got me. I win!
(あなたがくれたのより大きいプレゼントを用意したよ。私の勝ち!) - B: You can’t win a birthday. It’s not a competition.
(誕生日に勝ち負けはないよ。勝負じゃないんだから。)
It’s not a competition. は「勝負じゃない」とそのまま言い切る形で、you can’t win ~ と組み合わせると意図がより明確に伝わります。張り合いがエスカレートしそうな場面で、角を立てずに流れを止める言い方として覚えておけます。
まとめ|念押しから勝ち宣言、そしてたしなめる一言まで
Do not や must で念を押す頼み方、I think you think の入れ子、I win! の勝ち宣言、そして you can’t win Valentine’s Day というたしなめ方。張り合いの場面に合わせて、言い方の強さが変わっていくのが分かります。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、会話の中の英語を楽しんでいきましょう。
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