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『モダンファミリー』シーズン3第23話で、ルークは火を消したことで学校からメダルをもらうことになります。けれども、その火が出たいきさつを知っているマニーは、メダルを受け取ろうとするルークに良心を思い出させようと、言葉を重ねていきます。一方のルークは、理屈で切り返します。
良心に訴える言い方と、問いを重ねて言い逃れる言い方。表彰をめぐる2人のやり取りを、場面の順に見ていきます。
「I put out a fire.」──ルークの説明と、マニーが知るいきさつ
ルークはクレアに、明日が楽しみだと言い、火を消したので学校でメダルをもらうのだと話します。何があったのかと聞かれたときのルークの説明と、その場にいたマニーが語るいきさつは、次のとおりです。
Luke: I don’t know.
(わかんないよ。)Luke: I was just walking by and I smelled flames.
(通りかかったら、炎のにおいがしたんだよ。)Manny: I was there.
(僕はその場にいました。)Manny: I don’t like this.
(こういうのは感心しないな。)Manny: We’re not supposed to be in here.
(ここに入るのは禁止されているはずだよ。)Luke: Just keep a lookout! We’re ten seconds away from creating luketonium.
(いいから見張ってて! あと10秒でルークトニウムの完成なんだから。)Luke: Oh, crap!
(うわ、まずい!)Manny: Look what you did!
(なんてことをしたんだ!)Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)
I was just walking by は「ただ通りかかっただけ」と、自分は出来事に関わっていないという立場を示す言い方です。一方でマニーの be not supposed to ~ は「〜してはいけないことになっている」と、決まりを持ち出して止める表現です。keep a lookout は「見張りをする」で、ルークはマニーの制止を聞かずに見張り役を頼んでいます。ルークの説明に出てくる smell は「においがする」で、I smelled ~ の形にすると「〜のにおいがした」と、気づいたきっかけを伝える言い方になります。
luketonium は、ルークが自分の名前から作った呼び名です。ルークが火を消したことも、その火がルークの作業から出たことも、どちらも劇中で描かれている出来事です。このずれが、後の2人のやり取りのもとになります。
「Answer the question.」と「I know you have a conscience.」
ほめられ、表彰式で会おうと声をかけられたルークに、マニーが詰め寄ります。
Manny: You’re not a hero.
(君はヒーローなんかじゃない。)Luke: I put out a fire.
(僕は火を消したんだよ。)Manny: A fire you started.
(君が起こした火をね。)Luke: Was there a fire?
(火事はあった?)Manny: Yes.
(あったよ。)Luke: Did I put it out?
(僕が消した?)Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)
put out a fire は「火を消す」という基本の組み合わせです。ルークは Was there ~? と Did I ~? という、はい・いいえで答えるしかない問いを並べ、答えを自分に都合のよい2点だけに絞り込んでいます。マニーが反論しかけると、ルークはさらに押し切ります。
Manny: That’s not–
(それとこれとは──)Luke: Answer the question.
(質問に答えてよ。)Manny: Yes.
(消したよ。)Luke: I’m getting an award for it.
(だから賞をもらうんだ。)Luke: If they gave awards for starting fires, I’d be getting one of those, too.
(火をつけたことで賞がもらえるなら、それももらうけどね。)Manny: I know you have a conscience, Luke.
(ルーク、君に良心があることは分かっているよ。)Manny: Do you see this flag? It stands for Justice.
(この旗が見えるかい? これは正義を表しているんだ。)Manny: So when that fire marshal gets here, I know you’re going to look at that flag and do the right thing.
(だから消防の担当官が来たら、君はきっとあの旗を見て、正しいことをするはずだ。)Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)
Answer the question. は、相手に言い訳や説明をさせず、問いへの答えだけを求める強い一言です。続く If they gave ~, I’d be ~ は仮定法過去で、「もし〜なら、…だろう」と現実にはない状況を仮に持ち出す形です。ルークは、火をつけたことへの賞などないという前提に立って話しています。
対するマニーは、理屈で言い返すのではなく I know you have a conscience. と相手の良心を信じていると伝え、stand for(〜を表す)で旗の意味を示してから、do the right thing(正しいことをする)に期待を託しています。
後の場面で、ルークはマニーに It really got me thinking.(すごく考えさせられた)と礼を言い、マニーも I knew you had a conscience と応じます。ところがそのすぐあとで、マニーはルークが名乗り出ていないことに気づきます。
「How do you sleep at night」──皮肉な問いと、その後
アレックスの発表の紹介があった直後、マニーはルークにこう問いかけます。
Manny: How do you sleep at night, Luke?
(ルーク、よく夜眠れるね。)Luke: With a medal around my neck.
(首にメダルをかけて眠るんだよ。)Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)
How do you sleep at night? は文字どおりには「夜どうやって眠るのか」ですが、「後ろめたくて眠れないはずなのに」という非難を込めた問いとして使われます。ルークは問いを文字どおりに受け取った形で返し、2人の言葉がかみ合わないまま終わります。
- A: He took credit for your idea again.
(あの人、またあなたのアイデアを自分の手柄にしたよ。) - B: How does he sleep at night?
(よく平気で眠れるよね。)
続いて、クレアが息子のメダルを話題にすると、マニーが「自分で起こした火のためだ」と明かし、クレアはルークに本当なのかと尋ねます。マニーはのちに I play by the rules.(僕はルールを守っている)ともこぼしています。その後、家族が集まり始めた店での会話です。
Maxine: Hey, Luke! What’s with all the hardware?
(あら、ルーク! その勲章はどうしたの?)Claire: Well, he set fire to a school and lied about it.
(実はね、学校で火事を起こしたうえに、嘘をついたのよ。)Jay: You know they give medals for anything these days.
(近頃は何にでもメダルを出すからな。)Claire: It’s going back tomorrow.
(明日返すの。)Claire: He doesn’t get a lot of medals.
(この子、メダルをもらうことがあんまりないから。)Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)
hardware は本来「金物」ですが、ここではルークが身に着けているメダルを指すくだけた呼び方として使われています。lie about ~ は「〜について嘘をつく」、It’s going back は「返されることになっている」という予定を表します。
まとめ|良心に訴える言葉と、言い逃れの理屈
I know you have a conscience. や do the right thing は相手の良心に期待をかける言葉、How do you sleep at night? は皮肉を込めた問いです。Answer the question. のような理屈と並べると、言葉の選び方で立場が分かれることが分かります。
マニーとルークの掛け合いを、この先の回でも追っていきましょう。
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