海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
一度決めたはずのことなのに、後になって「本当にこれでよかったのかな」と迷いが顔を出してきた経験はありませんか。
そんな心の揺れにぴったりの「have second thoughts」を、『モダンファミリー』シーズン3第15話の中盤、前夜の出来事をどう伝えるか話し合うフィルとクレアの会話から、一緒に見ていきましょう。
「have second thoughts」の意味とニュアンス
have second thoughts
意味:考え直す、迷いが生じる
have second thoughtsは、一度決めたことに対して後から不安や迷いが生じ、「本当にこれでよかったのか」と考え直している状態を表す口語表現です。直訳すると「二番目の考えを持つ」となり、最初に固めたはずの考えの後ろから、もう一つ別の考えが追いかけてくるイメージが根底にあります。
change one’s mindが実際に決定を覆した状態を指すのに対し、have second thoughtsはまだ決定を変えていない、迷いの段階そのものを指す点が特徴です。決断はそのままで、気持ちだけが揺れている状態と考えると分かりやすくなります。
転職や引っ越しなど大きな決断をした後で不安になったとき、契約や約束をした後で迷いが生じたときなど、決定後に生まれる心変わりの兆しを語る場面で使われます。aboutを伴ってhave second thoughts about somethingの形で使われることも多く、何について迷いが生じているのかを具体的に示せます。
【ここがポイント!】
- 「二番目の考え」が最初の決断を追いかけてくるイメージが核
- 決定はまだ覆っていない、迷いの段階を指す点がchange one’s mindとの違い
- 大きな決断の後にふと訪れる不安を語るときにぴったり
『モダンファミリー』S03E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
前夜の出来事をどう伝えるべきか、フィルとクレアの二人だけで話し合う場面です。相手を気遣いながらも、自分たち自身の迷いにも触れていく会話の流れに注目です。
Phil: Like they’re really gonna believe that I overruled you?
(俺が君に反対したなんて、二人が本気で信じると思う?)Claire: Right.
(そうよね。)Phil: Come on.
(だろ?)Claire: Mm. They’re gonna be crushed. They’ve waited so long for this baby.
(うーん。二人ともショックを受けるでしょうね。ずっとこの赤ちゃんを待ちわびていたんだもの。)Phil: Maybe they’re having second thoughts, too.
(もしかしたら、二人も考え直しているかもしれないよ。)Modern Family Season3 Episode15 (Aunt Mommy)
シーン解説と心理考察
「俺が君に反対したなんて、二人が本気で信じると思う?」というフィルの問いかけに、クレアは「そうよね」と短く同意します。二人がこれから話す相手にどう切り出すかを思案している様子が、簡潔なやり取りの中に表れています。
クレアが「うーん。二人ともショックを受けるでしょうね。ずっとこの赤ちゃんを待ちわびていたんだもの」と相手の気持ちを気にかけると、フィルは「もしかしたら、二人も考え直しているかもしれないよ」と返します。自分たちだけでなく相手側にも迷いがあるかもしれないと想像するフィルの一言には、事態を深刻になりすぎずに受け止めようとする姿勢がうかがえます。夫婦で互いの不安を分かち合っている空気が伝わってくる場面です。
短いやり取りの中で、フィルとクレアが自分たちの迷いを直接口にするのではなく、相手側の心情を想像する形で間接的に触れている点も見どころです。誰かを責めるのではなく、状況そのものを二人で受け止めようとする穏やかな距離感がにじんでいます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
一度まとまったはずの考えの後ろから、もう一人の自分がそっと肩を叩いてくるイメージを思い浮かべてみましょう。「本当にそれでいいの?」という声が追いかけてくる感覚が、have second thoughtsの芯にあります。
フィルとクレアが交わした「もしかしたら、二人も考え直しているかもしれないよ」という一言も、決定を覆したわけではなく、ふと浮かんだ迷いをそのまま口にしたものでした。決断と迷いが同時に存在する、そんな状態を思い描くと覚えやすくなります。最初の考えを消さず、その隣にもう一つの考えを置いておく、という捉え方です。
例文で覚える「have second thoughts」
決断後の迷いを語る場面で活躍するhave second thoughtsを、3つの例文で確認していきましょう。
I was excited about the job offer at first, but now I’m having second thoughts.
(最初はその仕事のオファーに乗り気だったけど、今は考え直しているところなんだ。)
転職の決断を迷う場面です。at firstとnowを対比させることで、心境の変化がはっきり伝わります。
The board had second thoughts about the merger after reviewing the latest financial report.
(取締役会は最新の財務報告書を確認した後、その合併について再考した。)
経営判断を見直すビジネスシーンです。after reviewing〜という具体的なきっかけが、迷いの根拠を示しています。
A: Are you still moving to another city next month?
B: Honestly, I’m having second thoughts about it.
(A:来月、まだ別の街に引っ越すつもりなの?)
(B:正直、ちょっと迷ってるんだよね。)
引っ越しの計画を話す会話です。Honestlyという一言が、率直な迷いを打ち明ける雰囲気を作っています。
あわせて覚えたい関連表現
change one’s mind
(意見・決定を変える)
have second thoughtsが決定がまだ変わっていない迷いの段階を指すのに対し、change one’s mindは実際に決定が覆った状態を指します。
think twice
(よく考え直す)
think twiceは行動する前に慎重になることを促す表現です。have second thoughtsのような決定後の後悔の色合いは薄く、事前の慎重さに重点があります。
get cold feet
(土壇場で怖気づく)
get cold feetは結婚など重大な決断の直前に感じる不安に限定されるくだけた表現です。have second thoughtsより適用範囲が狭く、直前の恐れに特化しています。
Note|決めた後にやってくる迷い、have second thoughtsが描く心の揺れ
決断にまつわる迷いを表す英語表現は複数ありますが、それぞれが指す「タイミング」には違いがあります。
get cold feetは、結婚式の直前のような、行動に移す一歩手前で感じる強い不安に限定される表現です。行動を目前に控えた緊張感が色濃く出ます。think twiceは、まだ行動する前の段階で、慎重に考え直すよう促す表現で、決断そのものより準備段階に重点があります。これに対してhave second thoughtsは、すでに一度決めたことについて、後からじわじわと迷いが生まれてくる状態を指します。決定を撤回したわけではなく、心の中で「これでよかったのか」という声が静かに響いている段階です。3つの表現を並べてみると、同じ「迷い」でも、それが決断の前に来るのか、直前に来るのか、それとも決めた後にやってくるのかで、選ぶべき言葉が変わってくることが分かります。
フィルとクレアが交わした会話も、すでに何かを決めた後で、相手の気持ちを想像しながら生まれた迷いでした。決断自体は変わっていないからこそ、have second thoughtsという言葉がぴたりと当てはまります。get cold feetほど切迫した緊張感はなく、think twiceほど事前の慎重さでもない、決めた後にふと差し込んでくる静かな迷いだからこそ選ばれる言葉です。
迷いのタイミングを意識するだけで、心境の伝え方はぐっと正確になります。三者の違いを押さえておけば、自分の気持ちが決断の前後どちらの段階にあるのかも整理しやすくなります。
まとめ|決めたことは変わらなくても、心は揺れる
have second thoughtsは、一度決めたことに対して後から不安や迷いが生じている状態を表す表現です。change one’s mindのように決定を覆したわけではなく、心だけがそっと揺れている段階を指します。
転職や引っ越しといった大きな決断から、日々の小さな選択まで、決めた後にふと訪れる迷いを語るときに使える一言です。change one’s mindのように結論を出し直す必要はなく、気持ちの揺れをそのまま言葉にできる手軽さも魅力です。
フィルとクレアが互いの不安を静かに言葉にし合った場面には、大きな決断の後にやってくる揺れを、二人で分かち合おうとする夫婦の姿が映し出されていました。


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