「This is not your best work.」に見る、相手の作品の出来を正直に伝える英語表現と、褒め言葉の本音の聞き分け方|『モダンファミリー』S03E09で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「This is not your best work.」に見る、相手の作品の出来を正直に伝える英語表現と、褒め言葉の本音の聞き分け方|『モダンファミリー』S03E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン3第9話では、マニーが感謝祭のために作ったセンターピースをめぐって、ジェイとグロリアの考え方が分かれます。何でも褒めて自信をつけさせたいグロリアに対し、ジェイは出来をはっきり伝えるべきだという立場です。

今回は、褒めすぎへの反論、物足りなさをやんわり伝える言い方、そして率直に出来を評価する表現を、場面の順に見ていきます。

目次

「building him up」と「reality check」

マニーが作品を見せると、グロリアは「It is wonderful.」「You’re so talented.」と褒めます。ジェイがひと言茶々を入れてグロリアに制されたあと、2人の会話は次のように続きます。

Jay: Why do you say everything of his is great, even if it isn’t?
(なんであいつのやることは何でも褒めるんだ、大したことなくても。)

Gloria: Because I’m building him up.
(自信をつけさせてるのよ。)

Gloria: That’s what parents do.
(それが親ってものでしょ。)

Jay: Too much, if you ask me.
(俺に言わせりゃ、やりすぎだ。)

Jay: Kids cross the street nowadays, they get a ribbon.
(近頃のガキは道を渡っただけでリボンがもらえる。)

Jay: Manny’s got plenty of confidence.
(マニーは自信なら十分ある。)

Jay: He just needs a little reality check every now and then.
(たまにちょっと現実を見せてやりゃいいんだ。)

Modern Family Season3 Episode9 (Punkin Chunkin)

グロリアの build someone up は、同じ回のフレーズ記事で詳しく扱っている表現です。ここでは、ジェイの返し方に注目します。

if you ask me は「俺に言わせれば」と、自分の意見であることを示して主張を添える言い方です。reality check は「現実を確かめる機会」を指し、思い込みを正すきっかけというニュアンスで使われます。道を渡っただけでリボン、というたとえは、褒める基準が甘いことを大げさに皮肉った言い回しです。結局グロリアはマニーには何も言わないよう口止めし、ジェイは「Fine.」と応じながらも、本当のことを言えば後で感謝される、と譲りません。

if you ask me は文頭にも文末にも置け、主張を「あくまで自分の見方」として差し出せます。

  • A: This dress is a bit too much, if you ask me.
    (私に言わせれば、このドレスはちょっとやりすぎかな。)

「Not so much wrong as missing.」でやんわり指摘する

後の場面では、マニーがジェイのライスピラフを試食します。ジェイ自身が、以前は毎年作っていたと話す一品です。

Jay: Something wrong?
(何か問題か?)

Manny: Not so much wrong as missing.
(問題というより、何かが足りないんです。)

Manny: It– it just tastes a little flat.
(な、なんだか味がちょっと平板なんだよね。)

Jay: That a fact?
(そうかい。)

Manny: I just think with the earthiness of the rice, you might want something zesty to set it off.
(お米の素朴な風味には、引き立てるピリッとしたものが欲しいと思うんです。)

Manny: I think this might be a job for cumin.
(これはクミンの出番かもしれません。)

Jay: You know, since we’re sharing helpful criticisms–
(なあ、ためになる批評を言い合うってんなら――)

Modern Family Season3 Episode9 (Punkin Chunkin)

not so much A as B は「AというよりB」という構文で、「間違っている」と言い切らずに「足りない」と言い換えることで、指摘の角が取れます。ジェイの That a fact? は Is that a fact? の頭を省いた形で、「へえ、そうかい」と相手の言い分を半ば受け流す相づちです。flat は料理なら「味にメリハリがない」、a job for ~ は「〜の出番だ」という言い方です。欠点を言うだけでなく、クミンという具体的な足し算の案を添えている点も、批評の形として参考になります。

  • A: How’s the soup?
    (スープどう?)
  • B: Not so much bad as bland. Maybe it needs more salt.
    (まずいというより、薄味かな。塩を足すといいかも。)

ジェイが言い返しかけたところで、グロリアが割って入り、マニーを着替えに行かせます。褒められる側だったマニーが、ここでは他人の料理を批評する側に回っているのが面白いところです。

「This is not your best work.」で率直に伝える

マニーとジェイはセンターピースを車でフィルとクレアの家へ運びます。着いたあと、マニーのほうから、ジェイは「Allegria」と名づけたこの作品をあまり気に入っていないのではと切り出します。

Jay: You got a name for it now? Great.
(名前までつけたのか。そりゃいい。)

Jay: All right.
(よし。)

Jay: Cards on the table? This is not your best work.
(腹を割って話すか。こいつはお前の最高の出来じゃない。)

Jay: Now look, don’t get me wrong.
(いいか、勘違いするなよ。)

Jay: You’re a talented kid.
(お前は才能のある子だ。)

Jay: You’re gonna be a big success in the world.
(世の中に出たら大成功する。)

Jay: But this this is a swing and a miss.
(だが、これは、これは空振りだ。)

Modern Family Season3 Episode9 (Punkin Chunkin)

冒頭の cards on the table も同じ回のフレーズ記事で取り上げている表現です。not your best work は「あなたの最高の出来ではない」と言うことで、相手にはもっと良いものが作れるという前提を残します。don’t get me wrong で誤解を防ぎ、才能を認めてから a swing and a miss(野球の空振り)と結論を言う流れです。作品と人を切り分け、人は認めたうえで作品の評価だけを伝える組み立てと言えます。

  • A: This draft is not your best work, but I know you can fix it.
    (この下書きは君の本来の力が出ていないけど、直せるのは分かってるよ。)

ジェイはさらに、同じ it’s great でも言い方で意味が変わると話し、「people will lie to you to protect your feelings」と続けます。この後マニーは家族の前で作品を「It’s garbage.」と呼び、ジェイは「I mentioned it wasn’t his best effort.」と説明しました。終盤、ジェイが「It wasn’t that bad.」と言うと、マニーは「Your rice pilaf was.」と返しています。

まとめ|褒め言葉と率直な評価の言い方

Too much, if you ask me. や reality check で褒めすぎに異を唱え、Not so much wrong as missing. で指摘をやわらげ、This is not your best work. で率直に伝えます。同じ作品をめぐって、評価の伝え方の幅が見えてきます。

次回も『モダンファミリー』の家族の会話を観ながら、英語表現を一緒に拾っていきましょう。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、感謝祭の一日の別の場面を取り上げています。

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