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『モダンファミリー』シーズン3第13話のクレアは、討論会を控えた一日のあいだ、家族の言葉に何度も皮肉で返します。そのうち2度は、そばにいるフィルがすかさず「それは皮肉だ」と指摘する場面になっていて、同じやり取りが形を変えずにくり返されます。
今回は、ほめ言葉やお礼を裏返して使う皮肉の言い方と、皮肉を指摘する合いの手、さらにとぼける相手を見抜く一言を、登場する順に見ていきます。
「Oh, goody!」と「Honk. Sarcasm.」
家族で模擬討論の練習をしている最中、クレアは表情やしぐさについて注意を受け続けます。司会役のアレックスが、ようやく本題に入ろうとする場面です。
Alex: Can we get started?
(そろそろ始めていい?)Claire: We haven’t started?
(まだ始まってなかったの?)Alex: I’ve prepared some questions.
(質問をいくつか用意してあるんだよ。)Claire: Oh, goody! Actual questions.
(あら、うれしい! ちゃんとした質問ね。)Phil: Honk.
(ブーッ。)Phil: Sarcasm.
(皮肉。)Claire: Just go.
(いいから進めて。)Modern Family Season3 Episode13 (Little Bo Bleep)
Oh, goody! は本来「わあ、うれしい」と喜ぶ子どもっぽい感嘆です。それまで質問ではなく注意ばかりだった流れで口にすると、actual(本物の)と合わせて「やっと本物の質問ね」という皮肉に変わります。フィルの Honk. Sarcasm. は、クラクションの音を表す honk で割り込み、今の発言の種類を名指しする合いの手です。皮肉を言う側ではなく、指摘する側の英語として覚えておくと、このやり取りの面白さが伝わってきます。
練習の終盤、顔の「悪いほう」が右か左かでヘイリーとフィルが言い合ったあと、クレアは家族にお礼を言います。
Claire: Okay! Okay.
(分かった! 分かったわよ。)Claire: Thank you.
(ありがとう。)Claire: Thank you, family.
(ありがとう、家族のみなさん。)Claire: This has been super-duper helpful.
(とーってもためになったわ。)Haley: Hands, lips, sarcasm, eye-rolling, wrong side of the face.
(手、口元、皮肉、目を回す、顔の悪いほう。)Modern Family Season3 Episode13 (Little Bo Bleep)
super-duper は super を重ねた子どもっぽい強調語です。大げさな語でほめるほど本心から遠ざかって聞こえるのが、英語の皮肉の典型的な形と言えます。ヘイリーは、それまでに指摘された項目を並べ、その中に sarcasm を入れて返しています。お礼の言葉そのものではなく、口調の裏にある皮肉のほうを受け取ったことが、この短い列挙から伝わってきます。
「More support from my loving family.」
会場に着くと、クレアは討論会が中継されることを知ります。フィルが緊張させたくなかったから黙っていたと説明すると、クレアは Great plan. Really good plan. と返し、Throw me for a curveball at the last minute. と続けます。
curveball は野球のカーブで、一般には throw someone a curveball の形で「予想外のことをぶつける」という意味で使われることが多い言い方です。ほめる形の Great plan. が、ここでも裏返しになっています。Really good plan. と重ねて言うことで、皮肉の響きがさらに強まる組み立てです。
会場にはジェイたちの姿もあります。ジェイに「行ってこい」と声をかけられたクレアは Thanks. と答えます。続いてグロリアが声をかけます。
Gloria: Don’t worry.
(心配しないで。)Gloria: We’re going to cheer for you no matter what you say.
(あなたが何を言っても、私たちは応援するわ。)Claire: Oh, good.
(あら、よかった。)Claire: More support from my loving family.
(愛する家族から、またまた心強い応援ね。)Phil: Honk.
(ブーッ。)Phil: Sarcasm.
(皮肉。)Modern Family Season3 Episode13 (Little Bo Bleep)
グロリアの no matter what you say は「何を言っても応援する」という励ましですが、聞き方によっては「何を言い出すか分からない」とも取れる言い回しです。
クレアは More support from my loving family. と、loving(愛情深い)や support といった温かい語をわざと並べて返します。more が「また来た」という含みを添え、ここまでの一日の流れが皮肉の下地になっています。フィルが同じ Honk. Sarcasm. をくり返すことで、一種のお決まりのやり取りになっているのが分かります。
「You are the worst liars.」でとぼけを見抜く
討論会のあと、クレアたちは別の会場でミッチェルとキャメロンに会います。2人には、討論会の中継を探して見ていた場面が描かれています。
Cameron: Hey, what’s shakin’? What’s cooking?
(あら、どうしたの? 何か変わったことある?)Claire: You saw the debate, didn’t you?
(討論会、見たんでしょ?)Cameron: The de-what?
(とう……何ですって?)Mitchell: No, that wasn’t– that was today?
(いや、あれって……今日だったの?)Modern Family Season3 Episode13 (Little Bo Bleep)
短い否定の声をはさんで、ミッチェルはさらに続けます。
Mitchell: Was that on today? Oh, I didn’t remember.
(今日やってたの? ああ、覚えてなかったよ。)Claire: You are the worst liars.
(あなたたち、嘘が下手すぎ。)Mitchell: It was phenomenal television.
(最高のテレビ番組だったよ。)Modern Family Season3 Episode13 (Little Bo Bleep)
The de-what? は、単語の途中で聞き返して「そんな言葉は知らない」とふりをする言い方です。that was today? も、日付を知らなかったふりで話をそらそうとしています。クレアの You are the worst liars. は「最悪の嘘つき」ではなく「嘘がとても下手」という意味で、とぼけを一言で見抜く返しです。ミッチェルの It was phenomenal television. は、見ていたことを認めつつ冗談めかした一言と読み取れます。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| Oh, goody! / super-duper helpful | 大げさなほめ言葉を裏返す皮肉 |
| Honk. Sarcasm. | 相手の皮肉を名指しで指摘する |
| The de-what? / that was today? | 知らないふりでとぼける |
| You are the worst liars. | とぼけを見抜いて言い当てる |
まとめ|皮肉を言う側と見抜く側の英語
Oh, goody! や super-duper helpful のように大げさなほめ言葉を裏返す皮肉と、それを Honk. Sarcasm. で指摘する合いの手、そして You are the worst liars. でとぼけを見抜く一言。言う側と受け取る側の両方がそろう回です。
これからも『モダンファミリー』を観ながら、家族の会話の裏側まで楽しんでいきましょう。
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