海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第19話では、クレアが否定的なものの言い方を控え、何にでも「イエス」と返すと決めます。周りもその変化に気づきますが、最後にクレアが選ぶ言葉は意外なものです。
つい反対から入ってしまう癖は、英語でも言い直しや宣言の形で表せます。反対しかけて言い直す言い方、決意を伝える言い方、そして必要なときに言い切る言い方を、クレアの台詞から順に見ていきます。
「Surprise her?」と言いかけて「She’s gonna be thrilled.」と言い直す
アレックスを驚かせようとするフィルに、クレアはまずこう返します。
Claire: Surprise her? At the end of the semester? Honey, she’s probably in the middle of exams.
(驚かせる? 学期末に? ハニー、あの子きっと試験の真っ最中よ。)
Claire: She’s gonna be thrilled.
(きっと大喜びするわよ。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
別の場面で、クレアは自分のことをこう語っています。
Claire: Have you ever seen a video of yourself wearing something you didn’t realize was unflattering? Well, that happened to me recently, and it was my personality.
(似合ってないと気づかずに何かを着ている自分の動画、見たことある? 最近、私にもそれがあったの。それが私の性格だったのよ。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
Surprise her? は相手の言葉をそのまま問い返す形で、「驚かせるって?」と疑問を示します。At the end of the semester? と続けて、時期が悪いのではないかと理由を重ねています。in the middle of ~ は「〜の真っ最中」で、忙しい時期を伝えるときの定番の形です。
ところが次の台詞で、クレアは She’s gonna be thrilled. と言い直します。be thrilled は「大喜びする、わくわくする」で、happy より気持ちの高まりが強い言い方です。反対の理由を並べたあとに前向きな一言で着地する流れから、言い方を変えようとしている途中の姿が読み取れます。
別の場面のこの台詞は、似合わない服に気づかずに映っていた、というよくある経験をたとえにしています。unflattering は「(服や写真が)見栄えをよく見せない、似合わない」という形容詞で、オチの it was my personality は「それが服ではなく性格だった」と自分を笑う言い方です。
「make a decision to be less negative」と「says “yes” to things」
クレアは、自分の決意をこう言葉にします。
Claire: I made a decision to be less negative.
(否定的になりすぎないようにするって決めたの。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
make a decision to ~ は「〜すると決める」で、decide to ~ より「はっきり決断した」という重みが出ます。less negative は「今より否定的でなくなる」という比較の形で、まったく否定しないのではなく、度合いを下げるという控えめな宣言になっています。more positive と言うより、自分の癖を自覚している響きがあります。
ヨガの集まりで、グロリアもクレアの変化に気づいています。
Gloria: Ooh, I like this new Claire that says “yes” to things.
(あら、何にでも「イエス」って言う新しいクレア、いいじゃない。)
Gloria: Before, you would be like, uh what is the word for grouchy?
(前のあなたなら、こう……不機嫌って何て言うんだったかしら?)
Claire: I don’t think it matters now.
(今はもう関係ないと思うけど。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
say “yes” to things は「物事に『イエス』と言う」で、誘いや提案を断らない姿勢を表します。人名の前に this new を付けると「生まれ変わった〜」というからかい混じりの言い方になります。what is the word for ~? は「〜って何て言うんだっけ」と言葉を探す形で、グロリアは grouchy(不機嫌な、気難しい)という語を持ち出しています。クレアの I don’t think it matters now. は、その言葉を正面から受けずに「もう過去のこと」とかわす返し方です。
「say what needs to be said」で、最後は No と言い切る
人が集まった場で話がこじれ、クレア自身も I’m so confused. と口にするほど混乱したあと、グロリアの問いにクレアはこう答えます。
Gloria: How did this happen?
(どうしてこんなことになったの?)
Claire: I’ll tell you how this happened.
(どうしてこうなったか、教えてあげる。)
Claire: Because nobody was willing to say what needs to be said.
(言うべきことを、誰も言おうとしなかったからよ。)
Claire: No.
(だめ。)
Claire: No.
(だめ。)
Claire: No.
(だめ。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
I’ll tell you how ~ は「どうして〜か教えてあげる」と、自分が説明役を引き受けるときの前置きです。be willing to ~ は「進んで〜する」で、否定の nobody was willing to ~ にすると「誰もやろうとしなかった」と責任の所在を示せます。say what needs to be said は「言うべきことを言う」で、言いにくくても必要なことを口にする場面で使われます。
そのあとの No. は、理由を添えずに一語で断る形です。英語では、断るときに No, thank you. や I’m afraid not. のように和らげる言い方も多く使われますが、ここではあえて飾りのない一語が選ばれています。同じ語を重ねると、一つひとつの話にきっぱり線を引いていく響きになります。「イエス」と言うと決めたクレアが、最後には必要な No. を選ぶという対比が、この回の締めくくりになっています。前向きに返すことと、言うべきときに言い切ることは両立するという流れが見えてきます。
まとめ|前向きに返す英語と、言い切る英語
She’s gonna be thrilled. で言い直し、make a decision to be less negative で決意を伝え、say what needs to be said と No. で言い切る流れを見てきました。前向きな返し方と、必要なときの断り方を合わせて覚えられます。
クレアの「イエス」と「ノー」の使い分けを、『モダンファミリー』の画面で追ってみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、そっけなくした相手に謝るときの英語や、大学の最終学年のいたずらの文化も取り上げています。


コメント