海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第19話では、フィルがアレックスに会いに出かけます。ところがアレックスは父の振る舞いを恥ずかしく思い、寮の部屋で荷物を受け取ってほしいと頼みます。あとで2人が顔を合わせたとき、アレックスの口から出るのは謝罪の言葉です。
相手をそっけなく扱ってしまったあと、気まずさごと謝るのは英語でも簡単ではありません。ついて行きたい側と断りたい側の言い方、罪悪感を先に認める言い方、謝られた側の受け止め方を順に見ていきます。
「What time are we expected?」でついて行こうとする
フィルは、アレックスに会いに行った理由をこう語ります。
Phil: It wasn’t just about lunch.
(ランチだけが目的じゃなかったんだ。)
Phil: Of my three kids, I’ve always felt least connected with Alex.
(3人の子どもの中で、アレックスとは一番つながりが薄いってずっと感じてたんだ。)
Phil: And I’m afraid that the distance between us might grow after she graduates.
(それに、あの子が卒業したら、俺たちの距離がもっと開くんじゃないかって心配なんだよ。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
feel connected with ~ は「〜と心がつながっていると感じる」で、least を付けると「いちばんつながりを感じられない」という比較になります。the distance between us は物理的な距離ではなく、気持ちの距離を指す言い方です。might grow と助動詞を添えることで、まだ起きていない変化への不安として語られています。
アレックスが賞の最終候補者の集まりに向かうと知ると、フィルは乗り気になります。
Phil: The Kepler Award? Is this where you’re going, ‘cause it looks like it’s a big deal?
(ケプラー賞? 行き先はここなの? だってこれ、すごく大きなイベントっぽいじゃん。)
Alex: It’s just a boring reception for finalists.
(最終候補者向けの退屈なレセプションよ。)
Phil: Well, I love a good reception.
(へえ、俺、いいレセプションって大好きなんだよね。)
Phil: What time are we expected?
(俺たちは何時に行けばいいのかな?)
Alex: Oh, I don’t think I’m allowed to bring guests.
(あー、ゲストは連れていけないと思う。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
a big deal は「大ごと、重要なこと」です。I love a good ~ は「いい〜には目がない」という決まった形で、What time are we expected? の be expected は「来ることになっている」を表します。主語を we にして、もう一緒に行く前提で話を進めているところが分かります。アレックスの I don’t think I’m allowed to ~ は「〜してはいけないと思う」と規則のせいにする、遠回しな断り方です。フィルはこのあと、案内には家族も歓迎と書いてあると言って食い下がります。
「Don’t make me feel worse than I already do.」で罪悪感を先に認める
会場でのフィルの振る舞いを、アレックスは It was so embarrassing. と振り返ります。アレックスはフィルに、寮の部屋に届く荷物の受け取りを任せます。そのあと別の場所で、今度はアレックスのほうがフィルの居場所を突き止めます。
Phil: How in the world did you find me?
(いったいどうやって俺を見つけたの?)
Alex: You know that app you can put on kids’ phones to track them?
(子どものスマホに入れて居場所を追跡できるアプリ、知ってるでしょ?)
Phil: You put one on my phone after I surprised you today?
(今日俺が驚かせに来たあとで、俺のスマホに入れたってこと?)
Alex: Don’t make me feel worse than I already do.
(今以上に落ち込ませないで。)
Phil: Wait a minute.
(ちょっと待って。)
Phil: You won?! Congratulations!
(受賞したの?! おめでとう!)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
How in the world ~? は how に in the world を加えて「いったいどうやって」と驚きを強める形です。What in the world ~? Where in the world ~? のように、ほかの疑問詞にも付けられます。
Don’t make me feel worse than I already do. は、文末の do が feel bad の繰り返しを省いた代わりの動詞です。「もう十分気がとがめているのに、それ以上つらくさせないで」という意味になり、責められる前に自分から非を認める働きをします。相手の小言を先回りして止める一言で、謝罪の入り口としても使えます。このやりとりのすぐあと、フィルはアレックスが受賞したことに気づきます。
「Please don’t be happy for me.」と「I get it」で謝る・受け止める
おめでとうと言われたアレックスは、こう返します。
Alex: Please don’t be happy for me.
(お願いだから、私のために喜ばないで。)
Alex: I can’t take it.
(耐えられない。)
Alex: I was such a jerk to you.
(パパに本当にひどい態度をとっちゃった。)
Phil: No, honey, I get it.
(いや、ハニー、分かってるよ。)
Phil: I, uh I know I can be embarrassing.
(俺って、その、人に恥ずかしい思いをさせちゃうことがあるからさ。)
Phil: I I just get nervous around smart people.
(頭のいい人の前だと緊張しちゃうんだよ。)
Phil: Sometimes even you.
(たまに、お前相手でもね。)
Modern Family Season10 Episode19 (Yes-Woman)
be happy for ~ は「〜のことを喜ぶ」で、ふつうは I’m so happy for you. と祝う側が使います。それを Please don’t で打ち消すと、「祝ってもらう資格がない」という強い後悔になります。
I can’t take it. は「もう耐えられない」で、take は「受け止める、我慢する」の意味です。be a jerk to ~ は「〜に嫌な態度をとる」で、such a を挟むと自分を責める気持ちがはっきりします。I’m sorry を使わなくても、自分のしたことを具体的に言葉にするだけで謝罪として伝わる点も押さえておきたいところです。
謝られたフィルの I get it. は「分かるよ」と、言い訳を聞く前に相手の事情を受け入れる返事です。続く I know I can be ~ は「自分が〜になりうるのは分かっている」と、自分の側の非を先に差し出す形になっています。謝る側と受け止める側が、それぞれ自分の非を口にすることで、気まずさがほどけていく流れが読み取れます。
まとめ|気まずさを認めて謝る英語
Don’t make me feel worse than I already do. で罪悪感を先に認め、Please don’t be happy for me. と I was such a jerk to you. で謝り、I get it. で受け止める流れを見てきました。そっけなくしたあとの仲直りに使える言い方がそろっています。
フィルとアレックスの親子のやりとりを、『モダンファミリー』の画面で追ってみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、否定から入るのをやめて前向きに返す英語や、大学の最終学年のいたずらの文化も取り上げています。


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