海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第21話から、「見た」と「発見した」の違いを取り上げます。ラージの望遠鏡をのぞいたペニーが写真に収めたものは、それまで誰にも見られていない彗星でした。
最初に見たのは誰で、発見したのは誰なのか。二人の言い分を順に追うと、see と discover の意味の差が、そのまま手柄争いの火種になっていることが分かります。
「saw it」と「discovered it」はどこが違うのか
ラージが、あの晩に写った何かは誰も見たことのない彗星だったと知らせると、ペニーは大喜びします。そこからの会話です。
Penny: Look at that! I discovered a comet! Oh!
(見て!私、彗星を発見したんだ!わあ!)Raj: What do you mean you discovered it?
(君が発見したって、どういう意味だい?)Penny: Well, I’m the one who saw it.
(だって、見たのは私だもん。)Raj: In my telescope that I positioned. All you did was look into it.
(僕が向きを合わせた、僕の望遠鏡でね。君はのぞいただけだよ。)TBBT Season11 Episode21
see は「目に入る」「見える」という知覚の動詞です。一方の discover は、それまで知られていなかったものや事実を見いだすことを指し、一般に「最初に見つけて、それが何かを明らかにする」というところまでを含みます。ペニーは「見たのは私」を発見の証拠として出し、ラージは look into(のぞき込む)という動作に言い換えて、見ただけだと押し返しています。I saw a bird. が鳥が目に入っただけなのに対し、discover a new species は新種を見つけて世に示すことを表します。
What do you mean ~? は、相手の言葉の選び方に引っかかったときの聞き返しです。ここでは discovered という一語に異議を唱える働きをしています。
二人の間に入ったレナードは、こう提案します。
Leonard: Well, you both discovered it. You can put both your names on the registration form.
(じゃあ、二人とも発見したってことでいいじゃないか。登録用紙に二人の名前を書けばいいよ。)TBBT Season11 Episode21
ところがラージは、用紙の discoverer(発見者)の欄に、すでに自分の名前を記入していました。
| 表現 | 意味の中心 | この回での使われ方 |
|---|---|---|
| see | 目に入る・見える | ペニーが「見たのは私」と言う |
| look into | 望遠鏡などをのぞき込む | ラージが「のぞいただけ」と返す |
| discover | 知られていなかったものを見いだす | 三人の言い分の争点になる |
「qualifies as a discovery」と手柄の行方
ペニーが、ラージも最初はまつげだと思っていたと言い返すと、会話はこう続きます。
Raj: And you thought it was a fuzzy streak. I mean, do you even know what a comet is?
(君だってぼんやりした筋だと思ってたじゃないか。そもそも彗星が何か分かってるのかい?)Penny: Yeah, the thing I saw first.
(分かってるよ、私が最初に見たやつ。)Raj: I honestly don’t think that that qualifies as a discovery.
(正直、それが発見に当たるとは思えないな。)Penny: But I took the picture.
(でも、写真を撮ったのは私だよ。)TBBT Season11 Episode21
qualify as ~ は「条件を満たして〜とみなされる」という意味です。ラージは「最初に見た」だけでは discovery の条件を満たさない、と線を引いています。That doesn’t qualify as an excuse.(それは言い訳にならない)のようにも使えます。言い争いはこのあと激しくなり、ペニーはラージに部屋から出て行くよう言います。
別の場面では、ペニーがレナードに、写真を撮ったのだから自分の discovery だと訴えます。また別の場面で、ラージはレナードに対し、彼女は discover していないと譲らず、レナードは彼女も a part of it(関わっていた)だと返します。名詞の discovery、人を表す discoverer まで、同じ語の仲間が言い分ごとに使い分けられているのが見どころです。
そして後の場面で、怒ったペニーを前にラージが口を開きます。
Penny: They are angry. I’m mad at you.
(足音が怒ってるよ。私、あんたに怒ってるんだから。)Raj: And you have every right to be, okay? I was being… I was being a jerk. We did this together, and I hogged all of the credit.
(怒って当然だよ。僕は…僕は嫌なやつだった。二人でやったことなのに、手柄を全部独り占めしたんだ。)TBBT Season11 Episode21
We did this together は共同の成果だと認める一言で、hog the credit は「手柄を独り占めする」という言い方です。ラージはこのあと、彗星にペニーの名前が載るようにすると伝えます。
まとめ|「見た」から「発見した」へ
今回は、知覚の see、のぞき込む look into、知られていなかったものを見いだす discover、そして qualify as a discovery や hog the credit を見てきました。動詞一つの違いが、誰の手柄かという話にまで直結することが分かります。
同じ彗星を見ても言い分が分かれる二人の会話は、語の選び方を考えるきっかけになる場面です。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、彗星騒動の英語がさらにつながって見えてきます。


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