海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第8話から、ニールが引き合わせたモジーとダイアナの顔合わせの場面を取り上げます。そりの合わない二人は、答えるついでに同じ問いを返したり、相手の答えから意地の悪い結論を引き出したりと、短い言葉で互いを突き合います。
一語で問いを返す You? から、同じ骨組みの当てこすり、誘いを突っぱねる I don’t do ~ まで、順に見ていきます。
「You?」一語で問いを返し、「So ~?」で言葉尻を捉える
この顔合わせは、FBIの側からも誰か加えたいというピーターの意向を受けて、ニールが段取りをつけたものです。先に探りを入れたのはモジーでした。
Mozzie: Why are you even here?
(そもそも、なぜ君がここにいるのだ?)
Diana: My boss asked me. You?
(ボスに頼まれたから。あなたは?)
Mozzie: Uh, because Neal asked me.
(ああ、ニールに頼まれたからだ。)
Diana: So Neal’s your boss?
(じゃあ、ニールがあなたのボスなの?)
Mozzie: Hey, I answer to no one
(おい、私は誰の指図も受けない)White Collar Season2 Episode8 (Company Man)
モジーの Why are you even here? では、even が「そもそも」の働きをして、相手がこの場にいること自体を疑う響きになります。
ダイアナの My boss asked me. は「上司に頼まれた」という短い答えで、何を頼まれたかは言わずに済ませています。続く You? は What about you? を一語に縮めた形で、「あなたは?」と同じ問いをそのまま相手に返す働きをします。答えを出した直後に質問の矢印を向け直すので、聞かれっぱなしにならない切り返しと言えます。
モジーが because 節だけで理由を答えると、ダイアナは So から始まる疑問文で言葉尻を捉えます。So は「ということは」と相手の発言から結論を引き出す合図で、ここでは語順を平叙文のまま上げ調子で聞く形です。「頼まれて来た」という共通点を逆手に取り、ニールを上司扱いする結論に持っていくところが意地悪な見どころです。
モジーの answer to no one は、answer to ~(〜の指示を受ける、〜に報告する立場にある)の目的語を no one にした形で、「誰の下にもつかない」と言い切っています。
同じ骨組みの当てこすりと、「I don’t do ~」で突っぱねる返し
ニールを上司扱いされたモジーは、否定に続けてこう言います。
Mozzie: I already have one fed in my life.
(FBIの人間なら、私の人生にもう一人いるのだ。)
Diana: I’ve got plenty of crooks.
(悪党なら、たっぷり抱えてるの。)White Collar Season2 Episode8 (Company Man)
fed は口語で連邦政府の捜査官、とくにFBI捜査官を指す言い方です。モジーは「もう一人いるから、これ以上は要らない」と言外に伝えています。ダイアナの I’ve got plenty of crooks. は、have got で「抱えている」、crook は「悪党、ペテン師」のくだけた言い方です。どちらも「自分はもう相手の同類で足りている」という同じ骨組みで、向きだけが正反対の当てこすりになっています。
このあとニールが調べものへの協力を求めると、モジーは、資料を持って自分の指定する日時と場所に来るよう求め、その知らせはソネット(十四行詩)を入れた小包で送ると言い出します。
Diana: You want to send me a sonnet?
(私にソネットを送るつもり?)
Mozzie: Yeah.
(そうだ。)
Diana: I don’t do scavenger hunts or poems.
(宝探しも詩も、私はやらないの。)White Collar Season2 Episode8 (Company Man)
You want to send me a sonnet? は平叙文の語順のまま上げ調子で聞き返す形で、呆れた響きが加わります。scavenger hunt は、手がかりをたどって指定の品を探し集める宝探し遊びのことです。
I don’t do ~ は、動詞 do の目的語に名詞を置いて「〜はやらない、〜は自分の流儀ではない」と言い切る口語表現です。I don’t do mornings.(朝は苦手)のように、好みや主義をきっぱり示すときに使われます。
まとめ|短い問い返しと対句で、互いの立場を突き合う
You? で同じ問いを返し、So ~? で言葉尻を捉え、同じ骨組みの対句で当てこすり、I don’t do ~ で誘いを突っぱねる流れを見てきました。短い言葉ほど、相手との距離がくっきり出ることが分かります。
モジーとダイアナのぎこちない掛け合いにも注目しながら、次回も『ホワイトカラー』の英語を楽しんでいきましょう。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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