海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第11話から、モジーと連絡が取れなくなったあとのニールとピーターの問答を取り上げます。ニューヨークに残りたい理由を聞かれたニールは、説明の文を組み立てる代わりに、大切なものを短い名詞で次々に挙げていきます。
経緯を尋ねる問いと省略を使った答え、名詞を並べる列挙、そして友人の本心を代わりに言う返しを、会話の順に見ていきます。
「I didn’t.」と名詞の列挙――残りたい理由を短く言い切る
この場面の少し前、ニールはモジーと仲たがいしたこと(had a falling out)をピーターに打ち明けています。モジーの行方が分からないなか、ピーターは言い争いの中身を尋ねます。
Peter: What were you two arguing about?
(二人で何を言い争ってたんだ?)
Neal: Mozzie wanted to leave New York. I didn’t.
(モジーはニューヨークを出たがった。僕は出たくなかった。)White Collar Season3 Episode11 (Checkmate)
What were you two arguing about? は過去進行形の疑問文で、続いていた言い争いの中身を尋ねています。you two は「君たち二人」で、その場にいないモジーも含めた言い方です。
ニールの I didn’t. は、I didn’t want to leave New York. から want to leave New York を省いた形です。英語では、直前の文と同じ動詞のまとまりを繰り返さず、do や did だけを残して受けることがよくあります。Mozzie wanted ~ と I didn’t. を並べるだけで、二人の選択の違いがはっきり示されます。
続けて理由を聞かれたニールは、文を組み立てずに名詞を並べて答えます。
Peter: Why not?
(なぜだ?)
Neal: You. Elizabeth. Sara. The view out that window. Stepping off the elevator Monday morning. All of it. I have a life here.
(君。エリザベス。サラ。あの窓からの眺め。月曜の朝、エレベーターを降りる瞬間。その全部さ。僕にはここでの暮らしがあるんだ。)White Collar Season3 Episode11 (Checkmate)
挙げられるものは、人から窓の外の眺めへ、さらに日常の一瞬へと移っていきます。Stepping off the elevator は「エレベーターを降りること」を表す動名詞句で、Monday morning は前置詞の on を付けずに時を表す使い方です。最後は All of it. で列挙をひとまとめにしています。
「I have a life here.」と「This is his home.」――暮らしの重みを一言で
列挙の締めくくりの I have a life here. に出てくる a life は、「命」ではなく、人間関係や仕事、日々の習慣を含めた「暮らし」を指します。直前に並べた人や眺めや月曜の朝が、この a life の中身だと読み取れます。
I have a life. だけでも「自分にはやることのある生活がある」という意味で使われますが、ここでは here が付くことで、「この街に」暮らしがあるという点がはっきりします。理由を because でつなぐ代わりに、具体的なものを並べてから短く言い切る組み立てが、この一言を印象づけています。
話はここで、もう一方の当事者に移ります。
Peter: What about Mozzie?
(モジーはどうなんだ?)
Neal: Well, he didn’t like to admit it, but, yeah… This is his home.
(まあ、本人は認めたがらなかったけど、うん……ここがあいつの居場所なんだ。)White Collar Season3 Episode11 (Checkmate)
What about ~? は「〜はどうなんだ?」と、話題を別の人物に向ける問いです。ニールの答えの didn’t like to admit it は、like to do(〜するのを好む)の否定で、「認めるのを好まなかった」、つまり「本人は認めたがらなかった」という意味になります。but, yeah… と続けて、それでも実際はこうだと言い添える流れです。
締めの home は、建物を指す house とは違い、自分が属していると感じる場所を表す語です。ニューヨークを出たがったのはモジーだと先に説明したうえで、ニールは「それでもここが彼の居場所だ」と、本人が口にしなかった気持ちを自分の言葉で言い表しています。
まとめ|名詞の列挙と a life で語る「この街に残る理由」
過去進行形で経緯を尋ねる問い、did だけを残す I didn’t. の省略、名詞の列挙、I have a life here. と This is his home. を見てきました。具体的なものを積み重ねると、説明よりも気持ちが伝わりやすくなると分かります。
『ホワイトカラー』のニューヨークを観ながら、登場人物の暮らしにも目を向けてみましょう。
同じ回のほかの場面の英語は、別のコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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