海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン4第8話では、CBI(カリフォルニア州捜査局)の捜査に関わる人たちが、クラブの店内で探している人物の居場所を尋ねて回ります。尋ねる言葉、聞き返されたときの言い直し、そして店内に向けた呼びかけまでが、短い時間のうちに続きます。
人を探して聞き込みをするとき、相手に通じなかったらどう言い直すのか。その運びを、英語の表現とあわせて順に見ていきます。
「Have you seen ~?」と尋ね、「Who?」と聞き返されたとき
クラブの店内で、ヴィンスという男性が紹介されます。そのあと、探している人物について尋ねる会話が始まります。
— Have you seen this woman?
(この女性を見かけましたか。)
— What about Omar Vega?
(では、オマー・ヴェガはどうですか。)
— Who?
(誰ですか。)
— Omar Vega!
(オマー・ヴェガです!)
The Mentalist Season4 Episode8 (Pink Tops)
Have you seen ~? は、「〜を見かけましたか」と目撃を尋ねる基本の形です。this woman の this は、話し手の手元や目の前にいるものを指す語で、特定の人物を示して尋ねています。続く What about ~? は、「では〜はどうか」と、尋ねる対象を切り替える言い方です。
そこで返ってくる Who? は、名前が聞き取れなかったときや、知らない名前が出たときの一語の聞き返しです。
ここでは、これに対する Omar Vega! という言い直しが続きます。説明を足すのではなく、名前だけをはっきり繰り返す返し方です。聞き返された側がもう一度同じ名前を口にするだけでも、相手が聞き取れなかった部分を補えます。聞き取れなかった部分だけを言い直せば足りるので、一語の聞き返しには、名前だけの短い言い直しで応じる流れになっています。
「Sorry. I gotta go ~」話を切り上げる一言と、そのあとの一言
名前を言い直したあとも、会話は短く終わります。
— Sorry. I gotta go run the place.
(すみません。店を切り盛りしに行かないと。)
— He can’t hear!
(聞こえてない!)
— Thanks, Vince!
(ありがとう、ヴィンス!)
The Mentalist Season4 Episode8 (Pink Tops)
Sorry. で始めて用事を告げる形は、話を切り上げるときの一つの言い方です。gotta は have got to のくだけた形で、「〜しなければならない」を表します。run the place は、場所を取り仕切るという意味で、ここでは「店」を指して使われています。
He can’t hear! は、相手に声が届いていないことを周りに知らせる一言です。聞こえない相手に言葉を重ねても通じないので、状況を共有する働きをしています。そのあとの Thanks, Vince! では、名前を呼んで礼を言っています。情報が得られなかったとしても、名前を添えて礼を言う形で、やり取りを区切っています。直前の Sorry. と合わせて、短い言葉で話を終える流れです。
「Pardon me, ~?」「five-O」「Party on.」店内に向けて呼びかける
少しあとに、店内で別の声かけが続きます。
— Pardon me, have you seen Omar Vega?
(失礼ですが、オマー・ヴェガを見かけませんでしたか。)
— You’re never gonna find him like that.
(そんなやり方じゃ、彼は見つからない。)
The Mentalist Season4 Episode8 (Pink Tops)
Pardon me は、声をかけるときの丁寧な前置きです。never gonna ~ は never going to のくだけた形で、like that は「そのやり方では」を表します。やり方そのものへの指摘です。
さらに続く場面では、店内の人たちに向けた呼びかけが行われます。
— My colleague over there in her not-here-to-party clothes is five-O. Yeah, CBI.
(あそこにいる同僚は、パーティー目的ではない服装ですが、警察です。そう、CBI です。)
— She’s looking for Omar Vega.
(彼女はオマー・ヴェガを探しています。)
— I have $500 in this pocket for whoever can point him out.
(彼を指さしてくれた人には、このポケットの 500 ドルを差し上げます。)
— That’s 500 big ones just to use your pointy finger. And then we’ll take it from there.
(指をさすだけで 500 ドルです。そのあとは、そこから考えましょう。)
The Mentalist Season4 Episode8 (Pink Tops)
呼びかけの終わりと、そのあとに続く一言です。
— Thank you. Party on.
(ありがとう。パーティーを続けて。)
— Subtle. But effective.
(控えめですね。でも効果的です。)
The Mentalist Season4 Episode8 (Pink Tops)
five-O は、直後に CBI と言い直されていることから、警察を指すくだけた言い方として使われていると読み取れます。
for whoever can ~ は「〜できる人には誰にでも」を表し、報酬を示して店内の人に居場所の手がかりを募る場面です。big ones は大きな額面を指すくだけた言い回しで、ここでは 500 ドルを指しています。in her not-here-to-party clothes のように、ハイフンで語をつなげて「パーティーをしに来たのではない」という状態を一つの形容にまとめた表現も、口上の中に混じっています。
最後の Party on. は、「そのまま楽しんで」という軽い締めの一言です。Subtle. But effective. は、店内全体に向けた呼びかけのあとに添えられているため、字面とは逆に皮肉を含む可能性もあります。
point out ~ は「〜を指し示す」、take it from there は「そこから先を進める」という意味です。報酬の額をはっきり示し、その先の段取りは追って決めると区切る構成で、短い口上のなかに条件がそろっています。ここでは人探しの手段の一つとして、金額の提示が事実として描かれています。
まとめ|尋ねる、言い直す、声を張る
Have you seen ~? で尋ね、Who? には名前だけを言い直し、Pardon me で声をかけ、最後は店内全体に向けて呼びかける流れを見てきました。聞き込みの英語は、短い言葉を重ねるだけで運べることが分かります。
聞き返されたときの言い直しに注目して観ると、会話のテンポが見えてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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