海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン11第18話では、ミッチェルとキャメロンがミズーリへ発つ日が描かれます。ところが家族とのお別れのあいさつは、一度では終わりません。
一度きちんと別れを済ませた相手と、もう一度向き合う場面は、言葉の選び方が意外と難しいものです。「また」のお別れを切り出す言い方、回数を数えて冗談にする言い方、しんみりしかけた空気を軽く保つ返しを、3つの場面から順に見ていきます。
「So this is goodbye again」で、2度目のお別れを切り出す
一度目のお別れを済ませたあと、家族はまたミッチェルを見送ることになります。その場にはクレアとフィルもいます。
Claire: Oh.
(あっ。)
Phil: So this is goodbye again.
(じゃあ、またお別れってわけか。)
Mitchell: Yeah.
(うん。)
Phil: It’s gonna take a minute to ramp back up to all the emotion…
(さっきの気持ちをもう一回全部盛り上げ直すには、ちょっと時間がかかりそうだ……)
Phil: I’m there.
(……もう追いついた。)
Modern Family Season11 Episode18 (Finale Part 2)
this is goodbye は「これでお別れだ」と、別れの瞬間が来たことを確かめる表現です。頭の So は「ということは」と状況を受けて話を切り出す働きをしています。最後に again を置くだけで、「一度済ませたはずのお別れを、もう一度することになった」という状況がそのまま伝わります。
続く ramp up は「徐々に高める」という意味の句動詞で、仕事の現場では生産量や作業のペースを上げる場面でもよく使われます。ここでは back が入って「元の水準まで戻す」の意味が加わり、一度目のお別れのときの気持ちに戻るには時間がかかる、と言っています。
ところがフィルは、時間がかかると言った直後に I’m there. と続けます。be there は「その場所にいる」のほかに「その状態に達している」も表せるので、「もう気持ちが追いついた」という返しになります。準備ができたかを聞かれて Almost there.(もう少し)と答える形とあわせて覚えると、使える場面が広がります。
「Goodbyes Part 3」:回数を数えて冗談にする
その後のお別れでは、キャメロンが家族に向かってこう宣言します。
Cameron: Goodbyes Part 3. And please, no hugs.
(お別れ、第3弾。それと、ハグはなしで頼むよ。)
Cameron: Lay off my linen suit.
(僕のリネンのスーツには手を出さないで。)
Modern Family Season11 Episode18 (Finale Part 2)
Part 3 は、映画やシリーズ物の続編のように回数に番号を振る形です。Goodbyes と複数形にしたうえで「第3弾」と名づけることで、お別れが何度も繰り返されている状況を、本人が冗談として口にしています。同じ出来事が重なったときに Round 2. や Take two. と言う形も、近い響きを持ちます。
please, no ~ は、動詞を使わず名詞だけで「〜はご遠慮ください」と伝える形です。張り紙の No photos, please. のように、短く頼みたいときに便利です。ここでは家族とのハグを断る理由として、すぐ後にスーツの話が続きます。
lay off ~ は「〜に手を出さない」「〜をやめる」という句動詞です。Lay off the sweets.(甘い物は控えて)のように、何かを控えるよう言うときにも使われます。キャメロンは、自分のスーツを気にしてハグを控えてほしいと頼んでいます。ハグの断り方に理由を添えています。
「Keep it light」で、しんみりした空気を軽く保つ
別の場面では、クレアとミッチェルのきょうだいがお別れの話をしています。ミッチェルが言いかけたところで、クレアがさえぎります。
Mitchell: This might be the last time that we…
(これが最後になるかもしれないんだ、僕たちが……)
Claire: No, no, no. No, no.
(だめ、だめ、だめ。だめだってば。)
Claire: We already said goodbye twice.
(お別れはもう2回言ったでしょ。)
Claire: Keep it light.
(軽い感じでいこうよ。)
Modern Family Season11 Episode18 (Finale Part 2)
This might be the last time that ~ は「これが〜する最後かもしれない」という言い方です。might が入ることで、「最後」と言い切らずに可能性として口にしています。ミッチェルの発言は途中で切れていて、何の最後なのかは言葉になっていません。
クレアは No, no, no. と重ねて、その先を言わせないようにしています。理由として挙げるのが We already said goodbye twice. です。already と回数の twice を組み合わせると、「もう十分やった」という気持ちがはっきり出ます。
最後の Keep it light. は、keep it ~ で「その状態を保つ」という形です。light はここでは重さではなく「深刻でない、気楽な」を表します。Keep it short.(手短に)や Keep it simple.(シンプルに)と同じ組み立てなので、話し合いや場の雰囲気について頼むときにそのまま応用できます。同じお別れの場面でも、気持ちを盛り上げ直すフィルと、軽く保とうとするクレアとで、言葉の向きが分かれています。
まとめ|何度目かのお別れを言い表す英語
So this is goodbye again で2度目の別れを切り出し、Goodbyes Part 3 で回数を冗談にし、Keep it light で空気を軽く保つ言い方を見てきました。別れが重なったときも、英語ではひと言の工夫で場の温度を変えられます。
何度も見送り直す家族の姿を観ながら、別れのあいさつの幅の広さを味わうのも、この回の楽しみ方のひとつです。
この回のほかのコラムでは、離れても頼り合うための英語や、家族を送り出すときの声かけも取り上げています。


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