海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『CHUCK』シーズン5 第4話で、チャックが親友のモーガンを励ます場面です。思うようにいかない状況のモーガンに、チャックはことわざで背中を押します。その一言をきっかけに、二人の間ではことわざを返し合うやり取りが始まります。
気づかいの一言から、励ましのことわざ、ことわざへの応じ方まで、短い会話に詰まった表現を順番に見ていきましょう。
気づかいの一言からことわざで背中を押すまで
娘アレックスの父であるケイシーから、彼女に近づかないよう念を押されたモーガンに、チャックが声をかけます。
Chuck: I’m sorry, buddy. You doing okay?
(気の毒にね、バディ。大丈夫?)Morgan: Yeah. You know, I just… wish he’d give me the number so I can explain to her.
(ああ。なんていうか、ただ……あいつが番号を教えてくれたらなって。そしたら彼女に説明できるのにさ。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
I’m sorry は謝罪ではなく、相手の状況を気の毒に思う気持ちの表れです。You doing okay? は Are you doing okay? の Are を落とした口語の言い方です。モーガンの I wish he’d〜 は「〜してくれたらいいのに」と、今は叶わない望みを口にする言い回しで、he はケイシー、the number はアレックスの電話番号を指します。
Chuck: Don’t give up, you know? You got to keep trying. He’s a tough one to crack. You know, uh… it’s easier to ask forgiveness than permission.
(あきらめちゃだめだよ、ね?やり続けなきゃ。あいつは手ごわいからさ。ほら、えっと……許可をもらうより、許してもらうほうが簡単だって言うじゃん。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
Don’t give up と You got to keep trying を続けて、あきらめるなと畳みかけます。got to は have got to のくだけた形です。a tough one to crack は「なかなか割れない相手」という字面から、心を開かせるのが難しい人を指します。
締めくくりの it’s easier to ask forgiveness than permission は、事前に許可を求めるより、先に動いてあとで謝るほうが簡単だという意味で、ことわざのように使われる言い回しです。行動を後押しする言葉として便利な一方、規則や相手の気持ちが絡む場面では受け止め方が分かれやすい表現でもあるので、使う場面を選ぶと安心です。
ことわざの応酬と、その後の短い謝罪
短い相づちをはさんで、モーガンが応じます。
Morgan: Truer words will never be spoken.
(これ以上の名言は、この先も出てこないね。)Chuck: A stitch in time saves nine.
(今日の一針、明日の十針。)Morgan: Hmm? Lead a horse to water.
(ん?馬を水辺に連れていく。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
モーガンの Truer words will never be spoken. は、相手の言葉に「まったくその通り」と同意する決まり文句です。一般には過去形の Truer words were never spoken. として知られています。チャックはこれに、別のことわざで返しました。
| ことわざ | おおまかな意味 |
|---|---|
| it’s easier to ask forgiveness than permission | 許可を待つより、先に動いて謝るほうが簡単 |
| A stitch in time saves nine. | 早めに手を打てば、あとの手間が省ける |
| Lead a horse to water. | 一般には後半が続くことわざの前半部分 |
A stitch in time saves nine. は「ほころびを早めに一針縫えば、あとで九針縫わずに済む」という意味で、日本語の「今日の一針、明日の十針」にあたります。Lead a horse to water. は、一般に You can lead a horse to water, but you can’t make it drink. と続き、きっかけは与えられても本人がその気にならなければ動かない、という意味です。
チャックは Just… と言いかけて言葉を切り、ことわざの言い合いはそこで止まります。励ましの場面が、ことわざを返し合う掛け合いに転じていくのが面白いところです。
別の場面で、モーガンはアレックスと顔を合わせます。話をしに来たのではないと告げるアレックスに、モーガンはこう続けます。
Morgan: Look, I just wanted to apologize, that’s all.
(なあ、俺はただ謝りたかっただけなんだ。それだけだよ。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
I just wanted to〜, that’s all. は、用件をひとつに絞って伝える言い回しです。過去形の wanted にすると、押しつけがましさが和らぎます。
まとめ|ことわざで励まし、ことわざで返す
気づかいの I’m sorry, buddy. から、ことわざ it’s easier to ask forgiveness than permission で背中を押すまでを見てきました。ことわざへの応じ方を知っておくと、会話の幅が広がります。
ことわざが飛び交う掛け合いも、『CHUCK』を観る楽しみのひとつです。
この回の英語は、同じエピソードの他のコラムでも紹介しています。
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